第30話 Scarbough Fair
僕は手紙を送ったんだ。
最期の手紙。
愛する人にね。
僕のためにね、お願いをしたんだ。
パセリ、セージ、ローズマリー、タイムの
種を入れたんだ。
それをね、1エーカーの土地に巻いて欲しいってね。
僕が帰る頃には畑にはたくさんのハーブが
咲き乱れてるだろうね。
僕の為に、シャツを縫って欲しいんだ。
軍服は飽き飽きなんだ。
愛する人はきっと待っててくれると思うんだ。
あの街に帰りたい。
大切な人達が暮らしてる街にね。
僕はここから離れられないんだ。
僕のかけらさえも無くしたんだ。
僕はここの土になるんだね。
帰りたかった。
あの街。
僕はここで、花を咲かせるよ。
愛する人の笑顔のような花をね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます