第75話:王様からの贈り物

「そう言うわけでよろしくなの!」

え?

なんで居るの?

さっき帰ったはずだよね?

「ちゃんと許可をもらったの!」

ヨナから許可証を受け取って内容を確かめる。

なになに、


----譲渡許可証----

そちらで修行したいらしい、

手に負えないのでくれてやる。

出来れば未来永劫頼む。


ザッハトルテ王国国王

フランツ・フォン・ザッハトルテ

----ここまで----


え?

滞在許可証じゃ無いの?

なにげに王様にポイされたの?

姫様改めヨナって何をやらかしたの?

「ここで修行しても良いと書いてあるはずなの!」

修行?まあ、書いてはあるけど?メイドの事?

なんの修行をするつもりなの?

これって本人には見せない方が良いよね?

後ろからリリスが覗いてニヤけてるけど。


それにしてもすごく速くない?

「思いのほかジブリールが役に立ったのじゃ」

リズに乗るのが怖くなったよ・・・

だって、ついさっきだよね?

馬車で7日かかる距離だよ?


ヨナの扱いをどうするべきか。

契約書にあったのは、所有権の譲渡だった。

完全に物扱いなんだよ!

さすがにちょっと可愛そうかも?


私の所有物と言う事?

それともパーティーの?

「白き癒やしの魔女にと言ってたわよ」

それって、もしかしなくても私の事だよね・・・

癒やしの魔女って・・・

魔法なんかろくに使えないんだよ!

使うと寝ちゃうんだよ!


でも、私の所有と言う事は、

リズやリリスと同格?メイドよりも上って事?

もしくはパーティーメンバー?

相変わらず後衛しか居ないんですけど!

まあ、みんなが強いから、ごり押しでどうにかなりそうだけど。

ちなみに、相変わらず私は雑魚の一撃で死ねます。


ところで、ジブリールはどうするの?

「私?私はエリザベート様のしもべよ?」

そうすると、間接的に私のしもべって事?

「まあ、龍神様が仕える方ですので、そうなりますね」

ジブリールもメイドするの?

「もちろんです」

じゃあ、ジブリールがメイド長ね。

メイドで一番偉い人。

アンナもシャーリーもクレアもジブリールの弟子って事ね。


よし、これでどれだけ留守にしても安全だろう。

なんせ大天使様が家を守ってくれるんだ。

天使と悪魔と龍が同居する工房。

考えてみるとすごい事なきがしてきた。

「でも、そんな人を集めちゃう薬神の使徒様が一番すごいんだけどね」

クレア、何で私に向かってお祈りしてるの?


そうすると、ヨナもパーティー登録しないとだね。

グランツさんの困った顔が目に浮かぶけど、気にしない。

なので、早速ギルドにゴー!


「おまえさんはどうしていつもこうなんだ?」

いつも通りにグレイスさんが居る受付に行くと、

グレイスさんが挨拶もする前にグランツさんを呼んできました。

さすがグレイスさん、仕事が早すぎる。

そして、例によって奥の部屋です。


「王都の姫様に見えるんだが?」

王様に貰ったんだよ。

だから登録お願い。

「貰ったって、犬や猫じゃないんだぜ?」

グランツさんは頭を抱えている。

もうどうにでもなれと言った感じで手続きを進める。


名前:ヨナ・フォン・ザッハトルテ

性別:女

年齢:11

種族:人間

職業:リーゼ専属メイド

ランク:G

レベル:1

HP:20

MP:70

ちから:10

すばやさ:10

かしこさ:60

きようさ:10


状態

加護(龍神)

加護(大天使)


スキル

精霊魔法:1


レアスキル

ベッドメイク:3


その他

リーゼの所有物。

王位継承権1位。


あれ?私専属のメイドなの?

ステータスは普通の人よりも結構高いんじゃないかな?

それにしても本当にベッドメイクが得意なんだ・・・

こんなスキルあるんだね。


「第3王女様だと思ってたんだが、王位継承権1位って・・・」

次期王様候補って事だね。この場合女王様か。

グランツさんの顔がみるみる青くなっていく。

「それに、王様に貰ったって本当なのかよ・・・」

未来の王様が私の所有物って凄くない?

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