第74話:仕事の内容
そう言うわけで、残った3人はまとめて雇う事にするよ。
みんなが得意なところと苦手なところを補い合うような感じでお願い。
「「「わかりました。ご主人様」」」
なんで、ご主人様?
「そりゃあ、雇い主だからねー」
ニニアさんまでふざけないでよ。
ところで、なんで私が雇う感じになってるの?
「だって、ここリーゼちゃんの工房でしょ?」
ニニアさんは何を当たり前の事を聞いてるの?と言わんばかりの顔をしている。
パーティー「エリュシオン」の拠点じゃ無いの?
確か、そう言う話の流れだったよね?
「契約書には所有者リーゼロッテと書いてありますね・・・」
ベリーさんが契約書を確認する。
たしかに、グランツさんに言われるままにサインしてたけど・・・
犯人は誰だ?
私はそんなにお金持ってないんだよ!
ここの代金だってパーティーの口座から払ったんだし。
「まあまあ、良いじゃない。誰もそんな事気にしないし」
私が気にするんだよ!
「ご主人様じゃ無くて別の呼び方は無い?」
リリスと違ってメイドさん達は使い魔って訳じゃ無いしね。
「お嬢様とか?」
うーん、お嬢様と言うよりもお嬢ちゃんなんだよ。
もしくはお子様とも呼ばれるくらいだし。
「雇い主の事をリーゼちゃんとは呼びにくいだろうねぇ」
ニニアさんの言う事ももっともではある。
「薬神の使徒様」
そう呼んだのは宿屋の娘のクレアさん。
その呼び名はどこで流行っているの?
「導きの巫女様」
そう呼ぶのは剣士のシャーリーさん。
勇者様に憧れてる風でもあったけど?
もしかして自分も導いて欲しいのかな?
「福音の聖女様」
なぜパン屋の娘のアンナさんがその呼び名を知ってるの?
知ってるのは、教会関係者だけじゃ無いの?
「リーゼ様で良いんじゃないかな?私もそう呼ぶ事にするし」
ククリさんが無難なところにまとめてくれた。
それではみんなにやってもらう事を説明します。
まずは、お料理。
私は基本的に堅パンと塩スープで問題ないんだけど、
リズは揚げ芋が好きだし、ニニアさんはお肉の串焼きが好きです。
リリスはとにかく量をいっぱい食べます。
次に、お掃除。
結構広いからお掃除は大変だと思うよ。
でも、隅から隅までピカピカって言うほどじゃなくて良いからね。
そして、お洗濯。
これも人数が多いから大変だと思うんだ。
シーツとかもあるしね。
後は店番。
今はまだお店は開いてないけど、
開店したらお店番もしてもらうよ。
売ってるのはお薬だけだから難しくは無いと思うんだ。
他にも色々とお願いするかも知れないけど、
大体はこんな感じね。
それと、どのお仕事もみんなで順番に担当してもらうからね。
「さすがにお給金が銀貨3枚なだけはあるね」
アンナさんは納得しているようだ。
「住むところもご飯もあって、お給金が月に銀貨3枚も!」
え?違う!
一日3枚だったんだけど・・・
「これだけの人たちの元に奉公できるなんてねー」
まあ、シオンさんは勇者だし、ベリーさんだって王都一の錬金術師だもんね。
「なんたって七つの大罪の大悪魔を手なずけた福音の聖女様だもんね!」
あれ?
「違うよ、自分の名前を冠したお薬を作って龍を助けた薬神様の使徒様だよ!」
あれ?
「勇者シオン様を任命した導きの巫女様って聞いたよ?」
あれ?
全部私?
ククリさんもすごい人なんだよ?
この人が作った剣で聖剣も真っ二つになったんだよ。
「へー」
ベリーさんも王都で一番の錬金術師だったんだよ。
そして今は私の先生なんだ!
「へー」
なんか反応が薄いなー。
「あたしの説明は?」
ニニアさんは、えーと?
「なんかヒドくない?一番付き合い長いのに!」
まあ、この街に来た最初の日に出会ってるしね。
「それなのに未だにさん付けだしさー」
そこ?気にしてたのはそこなの?
年上だからさん付けしてたけど、むしろイヤだったのかな?
もしかしてみんなの事呼び捨ての方が良かった?
ニニアはすごく変わったエルフなんだよ!
「え?違っ。普通!だから偏見だっていったのに!」
そう言うわけで仲良くして欲しいんだよ。
掃除をするのは居住区と店舗部分だけで良いよ。
工房は下手に触ると大変な事になる物が多いからね。
片付けを頼む事はあるかも知れないけど、
その時は物の扱いには注意してね。
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