第72話:畑を作ろう

おはようございます。

例によって、リリスのお尻をぺちんぺちんしています。

「ご主人様、おはようですの・・・」

顔を洗って、気持ちをシャッキリさせたところで朝ご飯。

「おう、今日も早いな」

おはよー!

でも、おっちゃんはもっと早くから仕事してるよね。

「いつものな」

そう言って堅パンとスープが出てくる。

リリスにはトマトの煮込みとパンが3つだ。

「今日も美味しいですの!」

色々と作ってもらったけど、

やはり朝はシンプルなのが良いね。


今日は畑を作る予定なんだ。

親方おはよー!

「おう、おはよう。今日は畑だったな」

庭の一角をレンガで囲って畑にしてもらった。

畑って言うよりも花壇だね。

まあ、薬草とラディッシュとお芋が育てられれば良いからね。

必要になったらもう少し広げても良いけどね。

大体ベッド4つ分くらい?

すでに土は耕してもらってあります。


薬草を育てた人って居ないらしいので、

近くの森に行って採取してきた。

植わってたまま状態で、ここに持ってきて植える。

周りの土もそのまま一緒に持ってくる。

どうやったら薬草を育てられるかは研究だね。

お芋とラディッシュは普通に苗を仕入れてきて植えました。

こちらは普通に育てられている品種の物です。


苗を植え終わってお水をあげていると、

お客さんがやってきた。お客さん?まだお店は開いてないよ?

「メイドの面接に来ました」

メイドの面接?メイドって何?

「家事をする人ですの」

ああ、そういう風に言うのね。

で、面接って?

「ここで働くための試験を受けに来たって事ですの!」

試験?ないよ?そんなの。

「一応、料理の腕とかを確かめるべきですの」

そうだね、お料理できないとダメだもんね。

じゃあ、自己紹介とまずはどんな料理が作れるか教えて?

「その前に、一体何人居るんですの?」

よく見ると1人じゃなかった。その後ろにも何人も居る。

どういうこと?何でそんなに大人気?

リリスが人数を数えに行った。

「とりあえず今居る12人のうち7人の男の子には帰ってもらいますの」

さすがに女の子しかいない家だからね。

私とリズ以外は割とお年頃の女の子だし。

リリスは男の子って言ったけど、成人した男性だしね。

で、残ったのが女の子5人。


まずは確認ね。

順番に名前と年齢と職業を教えて。

「アンナ。13歳。パン屋の娘。パンが作れます」

いきなり期待できそうな人が!

でも、なぜギルドの依頼をパン屋の娘さんが?

「シャーリー。14歳。片手剣士。洗濯が得意です」

冒険者だよね?

なぜ冒険者がメイドを希望?

そしてなぜ私はギルドで依頼を?

冒険者しか来ないよね普通。うん、失敗した。

「クレア。12歳。宿屋の娘。掃除なら任せて」

これで炊事と洗濯と掃除が出来る人がそろった。

「ジブリール。14歳。天恵の大天使よ。大概何でも出来るわ」

・・・え?

次の人。最後だね。

「何でスルーしたの!?」

だって、さすがに・・・ねえ?

「天使なんて誰も信じないの。私はヨナ。11歳。魔王。ベッドメイクなら出来るの」

と言う事はそれ以外は出来ないと。

って、今度は魔王?勇者はどこ?シオンさーん!!


「落ち着いて、ご主人様。まず、魔王の人ですが目の色が紫じゃ無いですの」

そう言えばそうだね。リリスはきれいな紫だもんね。

魔王なんていない。魔王なんていない。魔王なんて・・・

よし、大丈夫。


「それに天使の人も羽も輪っかも付いてないですの!」

そうだよね?天使って言えば羽と輪っかだよね。

「これなら信じてくれるの?」

そう言うとジブリールさんが輝きとともに天使の姿になった。

うん、絵に描いたような天使だよ。本物っぽい。


どうしよう。リリスを殺しに来たのかな?

「そう言えばお姉さん、魔族の瞳ね。大丈夫よ。別にケンカしに来たわけじゃ無いから」

な、何をしに来たのかな?で、ございますでしょうか?

「ご主人様、言葉遣いがメチャクチャですの・・・」

ジブリールさんがリリスの事をチラッと見る。

「あなた面白いわね、七つの大罪のくせに7つの美徳も持っているの?」

リリスが控えめな胸を張ってドヤる。

「ご主人様に祝福をいただいたのですわ」

ジブリールさんは特に興味なさそうに話を元に戻す。


「龍神王様が復活した気配を感じたので、ご挨拶に参りました」

龍神王?リズの事だよね。たぶん。

「暗黒の破壊龍の噂を聞いたの。お目通りを願うの!」

暗黒の破壊龍?これもリズだよね?

全部リズのせい?


リリス、シオンさんとリズを起こしてきて。手段は選ばなくて良いよ。

しばらくするとリズが泣きながら走ってやってきた。

「我が主よぉ~!!それだけは勘弁して欲しいのじゃぁぁぁぁ!!!」

リリスはどうやって起こしてきたんだろう。

少し遅れてシオンさんと他のみんなもやってきた。

「あれ?姫様。なぜここに居るの?」

シオンさんがとんでもない事をつぶやく。

姫様?だれが?

そんな事よりも魔王だよ!勇者の仕事なんだよ!

シオンさんをヨナさんの前に差し出す。

「魔王?またそんな遊びをしてるの?護衛の騎士はどこ?」

ん?どうやらヨナさんが姫様?この国の?


「護衛はいないの。シオンも居るし安全なの!」

まあ、勇者様だからね。

「私がヨナ・フォン・ザッハトルテ。第3王女なの!」

ええー?本物のお姫様?なんで魔王なんて名乗ったの?

「魔法が使える王族で略して魔王なの!」

紛らわしい・・・

「で、どれが破壊龍なの?」

辺りをキョロキョロする姫様。

みんながリズを指さす。

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