第71話:メイド募集

そろそろ、おうちも完成しそうです。

そうすると必要になるのが、おうちを管理する人です。

普通の家なら、常に誰かが居るので家の手入れも可能ですが、

私の家は住んでる人が基本的に冒険者なので、

何日も誰もいないということがよくあります。

遠くの街に行くときなどは一月ぐらい誰も居なくなります。

そうすると、家の手入れもできずに家が傷んでくるそうです。

それは困るので、誰かに管理をしてもらうことにします。

まあ、誰も家事ができないので家事もやってもらうのですが・・・


その代わり、家賃無しでこの家に住めます。

制服も支給するし、ご飯だって食べ放題です。

まあ、作るのは自分になるわけですけど。

条件としては、こんなところ。

・お掃除ができる。

・お料理ができる。

・お洗濯ができる。

さすがに1人じゃ無理だと思うから、2~3人くらい?

1人だとおやすみがなくなっちゃうからね。


募集ってどうすればいいのかな?

ギルドじゃないよね?ギルドでもいいのかな?

困ったときはグレイスさんに相談だ。

ついでに新作のお薬も見せてこよう。


毎度おなじみのギルドの受付。

私はグレイスさんのところに向かうけど、

他のみんなは依頼の掲示板を見に行きました。


グレイスさん、ねえねえこれ見てー!

「やっぱり私がギルドマスターに進言して正解ね、リーゼちゃんのお薬大人気よ」

そう言いながら奥の部屋に連れていかれました。なんで?


「これはギルドへの納品かしら?」

えーと、そのつもりです。まだ私の工房が完成してないんだよ。

「これもいっぱいあるのかしら?」

樽で1個分あります。というか、毎回樽で作ってます。

小瓶だと200個分かな?えへん。

「10個だけ買い取ります。それ以上あるとバランスが取れません」

ところでこれはいくらになるの?

「今回の新作もすごいですねHPが320回復って・・・」

追加効果は増えなかったんだよ。

「ギルドマスターとも相談しないといけないけど、たぶん銀貨10枚ってところね」

値段が決まってからの買取になるそうなので、

今回は納品はできませんでした。まあ、新作だしね。


それと、私の家で家事をしてくれる人を探してるんだよ。

ギルドで募集すればいいのかな?

「条件は?」

料理とかお掃除とかができる人で、1日3食付。

住み込みだから専用の部屋もあるし、お風呂も入り放題だよ。

お店も開店したら、店番とかもしてもらわないとダメだし、

結構お仕事は大変だと思うんだ。

1人じゃ無理だと思うから2~3人くらいを考えてるんだ。

お休みも必要だもんね。


あと、制服も支給するよ。

「すると、衣食住が保証されるわけね」

グレイスさんが私の両肩を掴んで真剣なまなざしで見つめる。

「お給金はいくら位なのかしら?」

グレイスさん、目が真剣だよ?

相場がわからないんだけど、一日銀貨3枚くらいじゃだめかな?

「ちょっと待って、ギルドやめてくる!」

そう言って部屋の外に行ってしまった・・・

え?どういうこと?グレイスさんがうちに来るの?


怒ったグランツさんがグレイスさんを引っ張って部屋にやってきた。

「おまえさん、今度は何をやらかした?」

工房がそろそろ出来るから家事をしてくれる人を探してるんだよ。

そしたら突然グレイスさんがギルドをやめるって・・・

「衣食住が保証されるってことは、住み込みの店番と同じだろ?」

そういうことになるのかな?お仕事の種類は多いと思うけど。

「住み込みの店番だって、荷物の積み下ろしとか、店の掃除とか色々やるんだぞ?」

なるほど。

「そして、給金なんて月に銀貨10枚程度だ。衣食住の出費がないからな」

あちゃー。それじゃお給金が多すぎたんだね。

グレイスさんがグランツさんの腕に噛みつきながら何か喚いている。

多分、余計なこと言うなとか、そんな感じだろう。


「まあ、とりあえずコイツを引き抜くのはやめてくれ」

うん、グレイスさんは受付に必要だもんね。

じゃあ、お給金を1日銀貨1枚くらいにすればいいかな?

少し多めだけど、うちには変わった人が多いからね。

「それで良いだろう。掲示板に貼っておいてやる」

応募があると良いなぁ。


ギルドでの用事は済んだので工房に向かおう。

今日はニニアさんがお留守番で私の護衛みたい。

その日の依頼内容によってメンバーが入れ替わります。

他の人たちは依頼に向かいました。

「そういえば、串焼きを焼く道具が必要じゃない?」

あのくるくる串を回しながら焼くやつ?露店で見たことあるよ。

「そう、アレ。アレ無しで焼くとなると、たき火の周りに串を刺すのしか思いつかないんだけど・・・」

完全に野営だね。そうか、他にもパンを作るための道具とか必要かも!

スープはお鍋で出来るけど、人数が多いから大きいお鍋とかも必要かな?

「でも、それは料理を作る人に聞いた方が良いかな?」

うん、一時保留にしておこう。


そんなわけで、工房に到着。

居住用のスペースは完成したし、お風呂も入れるようになりました。

炉も燃焼試験が済んで、いつでも使えるとのことです。

ククリさんとベリーさんが早速作業を開始してました。

何をやってるのかわかりませんけど。

後残ってるのが店舗部分と、裏庭の畑予定地と・・・

厨房だ。水道と竈しかないよ。

他の調理器具とか食器棚とかをそろえないと。

まあ、一応ここで寝泊まりは出来るので、必要なものをそろえれば引っ越しできるかな?

ベッドは用意できてるし、引っ越しちゃう?

だめだめ、明日の朝ご飯は?

シーツを換えるのも自分でやらないといけないし・・・

早く応募者が来ないかな?

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