第14話:レシピは薬草ときれいな水だけ
自分用の道具も手に入れたし、さっそく作ってみようと思ったけど、
材料がない。薬草は普通にギルドに納品しちゃったし、水もない。
そうか、水も採取しないといけないのかな?
初級ポーションの素材は「薬草」と「きれいな水」だけ。
今は手元にないけど、薬草はいつも採取している。
これは問題ない。近くの森に行けば採れる。
問題は水。普通の水じゃなくて、きれいな水。
きれいな水を探すことにする。
魔法使いの体験の時に魔法で水が作れるようになった。
これはどうなんだろう。コップ一杯はどうにか出せた。鑑定してみる。
名前:水
鑑定ではただの水と表示される。
アイテムボックスに入れてみる。
名前:コップに入った水
品質:高品質
説明:コップに入ったきれいな水。
お、きれいな水だ。しかも高品質。
きれいな水は名前じゃないのか。
アイテムボックスに入れないとわからないのはちょっと不便。
でも、これでいける。まずは薬草を取ってこないと。
それに水もコップに入れたんじゃ量が少ないよね?
樽とか必要かな?水はたくさん使うからね。
カインズさんのお店で探してみよう。
今日のところは、魔法で出せるだけがんばってみる。
頑張っても1日にコップ5杯しか出せなかったんだよ。
ギリギリ鍋1杯分。
近くの森で採ってきた薬草を一束乳鉢で磨り潰す。
ゴリゴリやってるとグチョグチョになった。こんなもんかな?
なんか少ない気がする。水が多すぎるのかな?鍋だからね。
薬草をもう一束ゴリゴリする。ああ、これくらいかな?
試験で作ったときはこれくらいの割合だった気がする。
水と一緒に鍋に入れて火であぶりながらかき回す。
たまに鑑定を使いながらかき回す。できた!
あとはこれを布で濾して瓶に入れれば・・・瓶?持ってないよ?
ばあちゃん、瓶はどこで売ってるの?カインズさんのお店?
「瓶はギルドの売店にあるよ」
ギルドの売店?ギルドに売店なんてあったかな?
とりあえずギルドに行ってみようかな?
その前に布で濾すところまではやっておこう。
出来上がったポーションは鍋ごとアイテムボックスにしまっておく。
そのまま置いておくと劣化するかもしれないしね。
ギルドに到着。そういえばいつもはすぐに窓口に行ってるから、
ギルドの中をよく見ていなかったんだよ。
入り口に入って右側が依頼書の貼られる掲示板。
正面が各種窓口。そういえば左側に・・・
あった。売店だ。
売店のお姉さんに声をかける。
さすがに売店にはグレイスさんはいない。
瓶ください!
「瓶?どんな大きさの?」
そうか、いろんな種類があるんだ。
えーと、初級ポーションを入れる瓶をください。
「初級ポーションならこれね。この瓶に入ったポーションじゃないとギルドでは買い取れないから注意してね」
なるほど、この瓶に入っているのがギルドの審査を通った薬ってことになるんだ。
ちなみに、買取時にギルドカードを提示するんだけど、
薬を作る許可のない人からの買取もできないらしい。
ところで、お鍋一杯分だと瓶は何本必要なんだろう?
「お鍋ってどれくらいの?」
売店のお姉さんにお鍋を見せる。中には初級ポーションが入ったままだ。
「今回だけ特別に私が瓶詰めしてあげる。そうすれば必要な本数がわかるでしょ?」
そう言って、お姉さんがポーションを瓶に詰める作業を始める。
漏斗を使って瓶の中にポーションを流し込む。
こぼさないように少しずつ。瓶にあるラインのところまで入れる。
蓋を閉めたら完成。今回はお姉さんの作業を眺めていたんだよ。
瓶10本分で終了。少し余ったけど、瓶の半分にも満たない。
「瓶10本ね。1本銅貨5枚だから50枚よ」
お姉さんに銅貨50枚を渡して、ポーションを受け取る。
これが初級ポーションの完成品。
試験の時に作ったのは中身だけだし、
材料とかもばあちゃんが用意してくれた。
でも、これは私が全部自分で作った。初めての・・・
うーん、特に感動するものでもないね。薬草煮ただけだしね。
特別に苦労したわけでもない。単純作業だし。
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