第10話:街の中を探検

目が覚めた。爽やかな朝。朝?

まだ外は真っ暗だよ。夜明け前だった。

ちょっと早く目が覚めたかな?

どうしよう?もう一回寝る?

次は目が覚めるの昼過ぎになっても困るし。

近くの森もまだ危険な時間帯だよね?

よし、起きよう。目を覚ますために顔を洗う。

冷たい水が気持ちいい。意識も完全にシャッキリとしたんだよ。


宿屋の酒場はまだやっていない。

と言うか、もう閉まった?酒場だからね。

夜中まで営業してたかもしれないけど、

現在は営業していないようだ。


よし、街の中を探検しよう!

まだこの街に来たばかりで、ギルドと治療院くらいしか場所がわからない。

どこにどんなお店があるか確認しておこう。

営業してないかもしれないけど、看板は出てると思う。

そうと決まれば出発なんだよ!


宿屋の玄関をそーっと開けて外に出る。

まだ寝てる人が多いし、静かにしないとね。


街の中にはすでに結構な数の人が歩いている。

荷物を運ぶ人、お店の準備をしている人。

パンを焼いているいい匂いがしてくる。


こっちは鍛冶屋かな?トンテンカン的な音がする。

武器や防具って必要かな?

でも、剣とか重くて持てなかったし、

鎧とか着たら動けなくなりそう。

ただでさえ、ステータスがアレだから、

鎧とか着たところで、無駄な気がする。

うん、やめておこう。


ようやく日が昇り始めた。

食堂がもう開いてる。朝から出かける冒険者のための店かな?

他の食堂はまだやってないみたい。

どうしようかな?ここで朝ご飯食べようかな?

さっきのパン屋がいい匂いだったし、

今朝は焼きたてのパンが食べたい気分なんだよ。

パン屋が開店するのを待とう。


ギルドから続く「肉と安らぎ亭」方面への道には、

宿屋や食堂が多いみたい。

ギルドの近くには鍛冶屋や道具屋などがある。

ここで冒険の準備をしたり、

ギルドで買い取ってくれない素材を売ったりするんだと思う。


荷物はアイテムボックスに入れればいいし、

採取しかしないつもりだから、武器や防具も不要。

あ、アイテムボックスとは別にポシェットとか欲しいかも。

普段はアイテムボックスに入れればいいけど、

街の中では小銭とかはポシェットに入れておいた方が便利かも。

何屋さんで売ってるんだろう?

道具屋とか小物屋かな?後でお店を探してみよう。


お店っていえば、カインズさんのお店は?

この街で結構大きな商会っていってたよね?

だったら、色々売ってるんじゃないかな?

カインズさんのお店も探してみようかな?


そう言えば服もこれ一着しかないんだよね?

まあ、当分の間はそれでも困らないけど、

下着は換えが欲しいなぁ。

服屋さんも探してみよう。

やることがたくさんあるんだよ・・・


そろそろパン屋が開店しないかな?

おお、やってる。

さっきよりもいい匂いがしてる。

お店の中をのぞいてみるんだよ!


何回か食べた堅パン、一般的な黒パン、高級品の白パン。

それ以外にも、いっぱいパンがある。

蜂蜜とバターがかかったパンとか、肉が挟んであるパンとか!

値段も堅パンとは比べものにならない金額だけど、

一個くらいなら大丈夫かな?

よし、今日は蜂蜜とバターのパンにしよう!


丸い白パンに縦に切れ目を入れて、バターを挟んで蜂蜜をかける。

シンプルだけど、とても美味しそう。

スープに浸す必要がない柔らかいパンなので、

飲み物はミルクにした。

パンを一口。柔らかい、美味しい、そして、甘ーい!

やっぱり頼んでよかったんだよ!

そしてミルクも新鮮で美味しい!

美味しくて夢中で食べていたらあっという間になくなった。

パン一個でお腹一杯になるこの体を、燃費が良いと喜ぶべきか、

それとも、もっとたくさん食べたいのに残念と思うべきか・・・


値段が高かったけどこれは食べる価値があったと思う。

なんせ、昨日の夕飯と同じ銅貨48枚だもんね。

毎日は無理だけど、たまには美味しいものも食べたい。

これが毎日食べられるように頑張ろう。


さて、お腹もふくれたし探検の続きだ。

探すのはポシェット、もしくはそれに準ずるもの。

道具屋とか鍛冶屋が固まっている地域に行ってみよう。


バッグとか小物入れを扱っている店を発見。

肩から掛ける小さめのポシェットをいくつか試してみる。

中身が飛び出ないように蓋がついているのがいいかな?

それとも巾着みたいになっているやつとか?

ちょっと大きめの首から掛けられる巾着に決定。

値段はまたしても銅貨48枚だったんだよ・・・

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