第7話:色々な職業体験

名前は決まった。

種族は不明のままだけど、問題ないらしい。

あとは職業を決めないとダメ見たい。


冒険者っていう職業かと思ったけど、そうじゃないみたい。

冒険者の中でも色々と役割が分かれていて、それが職業になっているんだって。


「どんな職業に適性があるか検査しましょう」

グレイスさんに案内されて色々な職業の体験と適性検査を受ける。


剣士:

主に魔物を倒す人だ。剣で切ったり、盾で守ったりする。

試す前からイヤな予感しかしないけど、一応試してみる。

なんと、剣が持てなかった。重たくて持ち上がらないんだよ・・・

ちなみに細身で事務系のグレイスさんでも、

普通に振り回すことができるくらいの重さなんだよ?

攻撃するとかそれ以前の状態だ。槍や斧も当然ダメ。

ナイフがギリギリ。魔物を倒すなんて夢のまた夢なんだよ・・・

ちなみに盾を装備すると腕が上がらなかった。

そういうわけで剣士への道は閉ざされたんだよ・・・


弓術士:

弓を使って遠距離から攻撃をする職業。

なんて言うか、弓が引けない。

これは剣士がダメな時点で想像できていたんだよ。

力が弱くても引けるボウガンというのもある。

しかし、そもそもボウガンが重たいんだよ。

当然お子様サイズのものはない。

だいたい小さい弓じゃ矢が遠くまで飛ばないんだよ。

それでは弓を使う意味が無い。

それはわかってるんだけど、

何とかして職業をゲットしたい。

唯一引くことができた携帯用の小型弓も一応試した。

矢は飛んだ。5歩先くらいまで。

まあ、やっぱりねという感じなんだよ。

当たり前のように弓術士の道も閉ざされたんだよ・・・


魔法使い:

魔法で攻撃するだけじゃなく、

味方の攻撃力や防御力を上げたりする職業。

簡単な攻撃魔法をいくつか習った。

かまどの種火は出せた。

水もコップ一杯分出せた。

明かりの魔法も使えた。

でも、魔物にダメージを与えることは出来ない。

習ったのは攻撃魔法で、使ったのも攻撃魔法だ。

かまどの種火にしかならなかったのはファイアボールで、

実際には敵にあたると爆発して燃え上がる予定だったんだよ。

ステータスが低すぎて、魔法が正常に発動していないとのこと。

コップの水も同様な理由だ。本当はこんな魔法じゃない。

味方を援護することも出来ない。

隠し芸としては上出来と言ったところなんだよ・・・

戦闘は出来ない。

素質はありそうだけど、合格点はもらえなかった。

将来に期待って、今就職したいんだよ・・・


神官:

回復魔法でケガを治したり、

神聖魔法で呪いを解いたりする職業。

ある程度は予想がついていたんだけど、

呪いがあるからダメと言われた。

何もやらせてもくれなかったんだよ!

もしかすると回復魔法の素質があったかもしれないのに。

まあ、仮に素質があっても、

呪いのせいで回復魔法は発動しないとのこと。

まずは呪いを解けと。話はそれかららしい。

そして呪いはこの街では解けないと。

あきらめる以外の道がなかったんだよ・・・


スカウト:

罠を発見して解除したり、周囲に魔物が居ないか偵察したりする職業。

スカウトがミスをすると、仲間全体がピンチになる。

とても重要な職業。魔物の発見や罠の解除は仲間全体の死に直結しているんだよ。

試すだけ試してみたけど、何も出来ない。

気配も感じられないし、罠も解除出来ない。

当然、スカウトへの道も閉ざされたんだよ・・・


一通り試してみた。惨敗だった。

何も合格点をもらえなかったんだよ。


他にも上級職というものもあるけど、

基本職がまるでダメなのに上級職になれるわけがないんだよ!

そういうわけで、どうやら就職できる職業が無いらしい。


一応魔法使いが一番適性がありそうだけど、

一般的な魔法使いの1割にも満たない能力らしい。

まあ、ステータスがアレだから、当然と言えば当然だと思う。

将来的には魔法使いになることができる素質があるということかな?


もっとも、レベルが上がることはなさそうだけど。

攻撃も補助も出来ない。野営の準備くらいは手伝えそうだけど、

戦闘では足を引っ張ることしか出来ない。むしろいない方がマシだと思うんだよ?


そういうわけで、どの職業にもなれなかった私は、無職ということに。

無職でも登録は出来るのね。よかった。


「でも、アイテムボックスがあるから大丈夫よ」

アイテムボックスを活用しての運搬係を勧められた。

依頼が無い時は採取することを勧められた。

どちらもアイテムボックスがあれば楽にこなせるらしいんだよ。

なんせ普通に荷物を持つよりも何倍も持ち運べる。

しかも、自分では持ち歩けないような重いものもアイテムボックスに入れれば重さは感じない。

荷物運びの役には立ちそうなんだよ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る