第2章 15
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「……」
22時までのバイトも終わり、家に帰って風呂に入り遅い夕飯を食べ自分の部屋に戻って今に至る。机の上にはスマホと、今日帰りに渡された宮本先生の連絡先が書かれたメモ用紙がある。スマホに表示されている時間は23時40分。
(今から電話かけるのって…セーフ?)
こんな遅い時間から…、と電話を掛けるのに暫く躊躇したが先生が日付け変わるまでなら掛けても大丈夫、と言っていたしどうしても気になるからかけよう!と俺は電話番号を押して宮本先生にかけることにした。
何コールか目で宮本先生が電話に出る。
「はい、」
「あ…、こんばんは。高瀬ですけど」
「おー、高瀬か」
「あの、遅くに電話かけてすみません」
「気にするな。電話かけてきていいと言ったのは俺だからな」
気にしていない様子の先生に内心安堵する。
「よし、じゃあ高瀬が気になっていた例の話でもしようかね」
先生の言葉に俺は息をのみ、静かに先生の口から出てくる次の言葉を待った。
「…速水が転校生としてきた初日の日、速水に聞かれたんだ。"俺の前にも誰か転校生って来なかったか"って」
「え…」
「もちろんの事転校生は来ていないから、俺は最初訳が分からなかった。なんで転校してきたばかりの速水がそんな事を聞いてくるのかってな」
宮本の言葉に俺はふと疑問を覚えた。速水から先生のその質問に何か問題があったのか、と。
「それは、ただ聞いただけじゃないですか?速水は何度も転校してるって聞いてたからただ単に気になったとかで…」
「そうだな。普通ならそう考えるだろうな。だが、俺はそう考えられなかった。なぜなら速水の言う通り転校生が来ていたから」
先生はひと息つき言葉を続けた。
「…本来存在しない転校生がな」
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