第6話 はやて詐欺
今から数年前に、パンデミックが起こったということは前述しておいたが、その時の話として、詐欺にまつわるものが結構あった。
その中でも、問題となったのは、当時、諸外国で予防のためのワクチンが日本にも入ってきて、全国で摂取を行ったが、その間に問題となったのが、副反応問題であった。
ワクチンというのは、特効薬というわけでも、伝染病に罹らないためというためのものではない。
「発症させないためのものであり、万が一発症したとしても、重症化を最大限に抑えるという効果があるのだ。だから、発症率を公示して、あくまでも、伝染率を促しているものではない」
それがワクチンであり。従来のインフルエンザワクチンなども、同じ効果である。
このワクチンは、今までなかった未知のウイルスに対してのワクチンであり、流行から一年ちょっとで開発された、いわゆる、
「突貫作業」
で作られたワクチンなので、その効果も副反応も、未知数であった。
そのため、ワクチンに対してのいろいろなデマが流れて、
「妊婦が打つと流産する」
あるいは、
「一生消えない後遺症が残る」
などという風評が広がってしまった。
しかも、このウイルスは、当初、
「若年層では、重症化しない。かかったとしても、無症状が多い」
などと言われていたので、風評もあってか。若年層でワクチンを打つ人が少なかった。
そんな中で、
「アメリカの学者が開発した、ワクチンの副反応や、後遺症が残らない薬が手に入る」
といって、ネットで一時期、販売されていた。
だが、ウイルスが変異を起こすことで、どんどん強いウイルスが流行ってくると、若年層も、重症化しやすくなり、ワクチンを打たないという選択肢が狭まって行った。
そんな中、ネットで騙される人も出てきたようで、いくら気を付ける年代だとはいえ。一定数の騙されやすい性格の人はいるもので、彼らは破格の値段で副反応に罹らない薬と称したものを騙されて買わされることになった。
しかし、さすがに、そんな怪しいサイトはすぐに見つかるもので、当局が怪しいということで調査に入ろうとした瞬間、そのサイトは消されてしまった。
彼らはサイバーにも長けているようで、専門家が、なかなか追跡ができなかった。戸惑っているうちに、完全にネットでの追跡はできなくなってしまったのだ。
あっという間に開設し、あっという間に逃げていった彼らを、
「はやて詐欺」
などと呼ぶ人がでてきて、その言葉が彼らへの名称となったのだ。
それでも、結構騙された人たちもいて、数百人が全国で彼らに引っかかった。そのせいで、被害総額は、数億だという。
被害者は。お金を払っても、何もこないので、消費者センターに問い合わせたりしたが、すぐにサイバー詐欺だということが判明し、タイミングよく、サイトは抹消されたのだ。
「やつらのスパイが、サイバー警察の中にいるんじゃないか?」
というウワサもあった。
「いや、サイバー警察隊の一部が詐欺を行った可能性もある。どちらにしても、彼らの行動はこちらの情報を得ていない限りできることではない」
ということになった。
しかし、彼らだって、自分たちのセキュリティは、当然のごとく完璧にしているはずだった。
「何しろ、相手に先を越されると、こっちは何もできないからな」
ということで、スパイに関しては、かなり警戒をしていた。
スパイの線も捨て去ることもできずに、内部犯行説に基づいて捜査を行ったが、まったく身内からは怪しいものは発見できなかった。実に巧妙な手口であった。
だから、彼らが味をしめて。また同じような詐欺を働いた時に、いかに先手必勝で行くかということに力を注ぎ、情報の収集が一番の効果的な捜査であったが、彼らが動きを見せることはまったくなかった。
二年、三年と時間が経つが、そんな秘密結社の暗躍もなければ、実際に詐欺が行われているという情報もない。彼らは完全に雲隠れをしたのか、それとも、その一回こっきりで、満足したということなのか。
確かに再犯は、どんどん危険が増してくるというのも当たり前のことで、彼らがうまく立ち回ったということになるのだろうか?
そんな、
「はやて詐欺」
について、最近、バスの中で聴きまわっているという人がいたのだ。
朝のラッシュの時間帯だけだったのだが、最近では夕方の時間にも聞いているのを知ると、気にならないわけにもいかなくなった。
ただ、さすがに個人的に聞いているだけで、誰かに迷惑が掛かっているわけでもないので、それを止める権限は自分にはないと感じた鶴岡は、気にはしていたが、必要以上に気にすれば、却って自分がきつくなるような気がしたので、放っておくしかなかった。
その人が、どこの誰だか分からなかったが、顔だけは分かっていた。そして、その人のことを余計に気にするようになったのは、休みの日に、絵画教室に行った帰りのことだった。
絵画教室は、隣町にあって、周囲の街から、絵画好きな人が集まってくることで、最近はまた賑やかになってきた。
やはり二十年くらい前は、バブルが弾けたことでのサブカルチャー人気にあやかって、結構な生徒がいたらしいのだが、ブームが去ってしまうと、一気に生徒の数も減ってしまって、一時期、経営難にも陥ったということだが、ブームというのは、回帰するものであり、数年単位でまたブームになってきたようだった。
そのことを理解したオーナーは、うまく教室を運営してきて、今またブームが再来したことで、生徒も充実してきたようだ。
鶴岡はブームが再来する前からの入会だったので、皆からは先輩扱いされていて、ありがたいこともあるが、後から入会した人の方が上達する人もいて、少し気分的には複雑だった。
そんな教室も、結構な人数で溢れてきた時、どこかで見たことがあると思っていた人がいたのだが、その人が、バスの中で、
「はやて詐欺」
に関しての情報を集めている人であることに気づき、ちょっとビックリした。
いつも帽子をかぶり、運転席から前を見ている運転手のことを、乗客がいちいち気にするわけもないので、自分のことを、
「いつも乗っているバスの運転手」
だなどと、分かるはずもなかった。
しかし、その人が、生徒何人かに、何かを訊ねている様子を見かけなければ、鶴岡の方としても、その人の存在を意識することはなかったかも知れない。
「どこかで見たことがあるような気がする」
という意識はあったかも知れないが、それ以上詮索する意識もなかったであろう。
それだけ、別に自分とは関係のない相手だと思っていたのであって、逆にバスの中で人に質問をしていたという行動も、そこまで不審に感じていなかったということを、その時に思い知らされたような気がする。
絵画教室で見た彼の様子が、まるでデジャブのように感じられたことで、余計に気になったというのと同時に、それまでもっと気になっていたと思っていたのだが、この瞬間から意識がシンクロしてしまって、どう考えればいいのか分からなくなっていた。
その男性は、また絵画教室でも何かを探るように聞き込みをしているように見える。
一度見えてしまうと、その行動が気になってしまい、
「やっぱりまたはやて詐欺につぃて聞いているのだろうか?」
と思って気にして見ていると、どうやら、詐欺についての聞き込みではないようだった。
どうやら、誰かのことを知っているのかということを気にしているようだった。名前は聞いたのだが、それが誰なのか、知っている人ではなかった。ただ、
「初めて聞く名前ではないような気がするんだけどな」
という思いがあったのは確かだった。
だが、どこかで聴いたという意識はあるのだが、思い出せなかった。普通なら、気になってしまい、意地でも思い出そうとするものなのだろうが、この時は、別に無理して思い出す必要はないような気がしたのだ。
どうして、そんなに簡単に気にしないようになったのか、自分でもよく分からなかったが、必要以上に考えないようにしようと思ったのであって、それよりも、その男性の存在の方が気になっていたのだ、
元々は、
「はやて詐欺」
という詐欺について、何かを訊ねていたはずなのに、なぜ、今は普通に人探しなのだろうか?
と感じたのだ。
職業が探偵をしていて、何かの情報を集めているというのであれば、理屈は分かる。あれから少ししか経っていないが、詐欺の一件は一段落したのか、そして、その間に人探しの案件が入ったことで調査をしているのか?
この少しの間で詐欺の一件が、そんなに簡単に肩がつくとは思えない。そうなると、今回の人探しというのも、詐欺に関わっていることだろうか?
もっとも、これはこの男が探偵だということを前提に考えているのであって、どうも探偵にしては、あまりにも腰が低すぎるというか、相手が知らないというと、簡単に諦めて、表情も明らかに落胆を隠しきれない様子だった。
プロの探偵であれば、そんな態度を取るというのも、どこかおかしいと考えると、彼は探偵などではなく、詐欺に関係する何かの情報を、そして、その事件に関して誰かの消息になるのか、事情になるのか、人を探しているということになるのだろう。
はやて詐欺というのは、確かに、パンデミックの間に流行った詐欺の一つで、まるで火事場泥棒のような卑劣なもので、皆が苦しんでいる時に、さらに苦しみを与えることで、中には自殺したという話も聞いたことがあった。
だが、あくまでも、動乱の時期の一つの事件であって、思ったよりも、世間は素早く動いていた。
立ち止まってしまえば、誰も相手をしてくれない状態になり、気が付けばおいて行かれてしまう。
それを思うと、ショックを抱えていても、前を向かなければいけないという大変な時期だった。
必死でしがみつくようにして生きていた人たちの唯一の生きていくうえでの糧を奪われると、自殺をする人の気持ちも分からなくもない。
弁護士会の方で、救済委員会を緊急で設立し、一早い救済に乗り出したのは、当時の政府の後手後手ばかりをニュースで見せられた市民にとっては、救世主のような話だった。
「どうして政府もこれくらいのことができないんだろうな」
と、却って政府批判が強まったくらいだが、それも、救済委員会の設立の早さが功を奏してのことだろう。
ただ、相手は新手の詐欺グループだった。
しかも、サイバー関係に関しても知識が豊富で、なかなか尻尾が掴めない。
まるでもぐら叩きのように、叩いても即行で隠れてしまうのだから、どうしようもない。
警察組織では捜査に限界があった。もちろん、それもやつらの計算に入っていたようで、「どうせ、新たな組織を立ち上げるにしたって、時間がかかるに決まっている」
とタカをくくっていたのだが、その割に、早い設立だったので、犯罪グループも一瞬焦ったことだろう。
しかし、日本のこの体制の中で、普通ならありえないスピードだった。
ということは考えられることは一つしかなく、
「水面下で、このような詐欺が起こるのではないかということで、新たな組織を立ち上げる準備が最初からなされていて、極秘裏にその途中だったのではないか?」
という考えであった。
ほぼその考えは間違ってはおらず、最初は水面下で進められていたが、詐欺が実際に起こってしまうと、もう世間に隠しておく必要はなくなった。
しかも、最初から立ち上げるというような話にしてしまえば、相手を油断させることもできるという、一石二鳥だったのだ。
だが、それでも詐欺グループの摘発まではいかなかった。やつらとしても、さすがサイバーに詳しいだけに、
「いつも最悪のことを考えて行動する」
ということがモットーであり、システム開発の基礎でもあった。
慌てはしたが、そんな中でも冷静さを失わず、うまく逃げることができたのは、さすがにお互いに、
「相手にとって不足なし」
と思わせたのではないだろうか。
「はやて詐欺」
というものを一体どのように対処すればいいのか、さすがに委員会もてこずっていた。
こちらが近づこうとすると、すぐに他に逃げてしまう。まるで、シナ事変における、
「中国国民党政府」
のようではないか。
広い中国大陸を陣地にして、相手が攻めてくるとすぐに逃げ出し、さらに奥地におびき寄せる。
ただ、このやり方は、政府としては最悪ではないだろうか。
攻めてくる相手をそこに住む住民を保護する堪えに、政府軍はあるのではないか?
攻めてくる相手に対して立ち向かおうともせず、軍隊とともに、逃げ出すのだから、残された市民は最悪である。
攻め込まれたことで、攻め込んだ方は、今後の物資や食料を調達しなければいけないので、入植した土地で、略奪などが起こるというのは、戦争では当たり前のことだと言ってもいい。
それを卑怯だとか、残虐だとか言われるが、それに違いはないが、有事というのはそういうものである。そのために国防軍があるのに、国防軍が政府とともに、どんどん逃げているのではどうしようもない。
さらに、国民党軍は、日本政府に入植され、その舞台で略奪や虐殺が行われることをっ見越して、最初から街を焼き払うというやり方までしていた。
まさか、自分たちが守らなければならない市民や町を、いくら略奪に遭うのが分かっていると言っても、自分たちの手で焼き払うという行為は、果たして許されるものなのだろうか。
それを思うと、歴史を学ぶ上でそんな恐ろしいことが行われていたということを、ハッキリと認識するべきなのだろうが、なぜか学校教育で教えることはないのだ。
確かに残虐なことを子供にどこまで教えるかというのも問題だが、学校教育の一環として、今はもうほとんど残っていない戦争経験者から話を聞いたり、戦争の悲惨さを映像にしたものを見たり、あるいは、戦没記念館や、平和祈念館などに社会科見学などで赴いて、戦争の悲惨さを資料で確認するというようなことをやっている。
特に広島や長崎など、原爆資料館での見学は、子度には想像を絶するものがあるであろう。
ちなみに、ヒロシマ、ナガサキなどと、この二つの地名をカタカナ表記にする場合、それは原爆に限定していることだということを知識として知っている人はどれだけいるだろう?
戦争の悲惨さ、むごたらしさなどを勉強するのに対して、いろいろ意見もあるだろうが、
「知らないことほど、罪なことはない」
という言葉もあるので、なるべく教育として、教えなければいけないというのが、教育者であったり、大人の義務なのではないかと思う。
日本国憲法の、
「国民の三大義務」
というものが、
「教育・納税・勤労」
と言われている、
そのうち教育というのは、権利でもある、何が違うのかというと、
「権利というのは、教育を受けるのが権利であり、義務というのは、教育を受けさせる義務がある」
ということである。
考えてみれば当たり前だ。
教育を受ける子供と、教育を受けさせる大人が一つになって教育というのだ、
勤労は、基本的に全大人が行わなければいけない義務であり、もちろん、失業者に関してはその限りではないが、納税に関しては、失業中であっても、義務となる。
年金、健康保険なども、失業中でも払わないと、いざ病気になった時、治療に保険が掛からず、全額負担になるし、年金を払っていなければ、年金受給が人よりもかなり少ないということになるだろう。
もっとも、十年以上目に、政府が消した年金問題というのも大きな問題ではあったが、国民の義務であることには変わりはないのだ。
国家はそうやって国民との間に関係性を持っている。年金や健康保険は、国家がまるで銀行であり、正麺保険会社であるかのような立ち位置だと言ってもいいだろう。税金などは、国民全員一律の消費税というものがあることで、勝手に税を払っているということもあったりする。消費税は、一番分かりにくい税ではあるが、問題になる場合に真っ先に矢面に立たされるというそんな税でもあるのだ。
詐欺グループは、最初から有事のような体勢でことを起こしている。
つまり、詐欺に対して、まだ何ら情報がないことで、ゆっくりと捜査に入ろうとしている時点で、すでに逃げている詐欺グループの尻尾など、普通なら捉えられるわけもない。
特に、市民の人権を第一に考える国家において、いくら詐欺という卑劣な犯罪であっても、捜査には簡単に立ち入ることができる場所でもなく、その行動はかなり制限されるものとなってしまうだろう。
それを思うと、詐欺をなかなか検挙できないというのも、宿命のようなものなのかも知れない。
そんな詐欺グループによる犯罪は、実はこの地区を中心としたグループが犯行を行っていたことは、誰にも知られていない。ただ、怪しいと思われる事件があったことで、一人の刑事が、この事件を極秘で探っていた。
一人でできる捜査など、相当に制限されたもので、警察手帳を示しても、話を聞くくらいしかできないのであった。
令状が出るわけでもないので、逮捕はもちろん、家宅捜索もできない。相手がぼろを出してくれなければ捜査などできるはずもなく、捜査をすればするほど、自分の無力さに気づかされて、何度も心が折れそうになったのだった。
さすがに、そろそろ精神的に無理があるだろうと本人も思っているようで、このまま続けていれば、本来の仕事に支障をきたしてしまう。
この刑事は、勧善懲悪に燃えている刑事で、詐欺グループを許すことができないという思いが強いのも、勧善懲悪の精神があるからなのだが、だからと言って、本来の自分の仕事を疎かにすることがいかに本末転倒であるかということも分かっている。目の前で苦しんでいる人を放っておくことができないというのが、彼の勧善懲悪の精神の原点だと追ってもいいだろう。
彼の名前は桜井という。
桜井刑事は、最近、K警察署から移動してきた刑事で、K警察署では、第一線で、いくつもの事件を解決に導いた刑事として、こちらでも、期待されていた。
だが、K警察署の方が、都市としても、警察署としても規模が大きいので、見る人によっては、
「桜井刑事って、左遷されてきたのではないか?」
と囁く人もいたのだが、実際にはそんなことはなく、ここ、F警察署管内で、凶悪犯が増えてきたことで刑事の増員を県警に要請したところ、桜井刑事を推薦したのが、K警察の門倉警部だったのだ。
「桜井刑事というのは、K警察署でも、勧善懲悪の性格が強い男なのだが、だからと言って、冷静さを失うということのない人間なので、F警察署にとって、うってつけの人物ではないかと思うんです」
ということだった。
F警察署の署長も、
「桜井刑事のウワサはうちの署にもよく聞こえてきていましたので、桜井刑事に来ていただければ、これほどありがたいことはありません」
と話していた。
桜井刑事も、快く異動を承諾したことで、半年前食らいに赴任してきたところであった。
さすが敏腕刑事と言われた桜井刑事だけあって、すぐにF警察管内のことはある程度把握できるようになっていた。
その間に起こった事件も、桜井刑事の機転によって解決したくらいで、
「さすが、桜井刑事は、目の付け所が違う」
と言われたのだが、それは、その事件というのが、犯人の作戦にまんまと引っかかった刑事課の人たちだったが、桜井刑事の発想の転換によって、正しい道に導かれたことで、捜査は正規の道に戻り、一旦逸れてしまった道から正規の道を見つけたことで、それまで見えていなかったことも、他の刑事に見えるようになり、捜査会議にて、ほぼ真実に近い内容の話が出来上がったことで、後は証拠を見つけ、犯人を捕まえるだけだった。
犯行は一人ではなく、共犯がいたのだが、その共犯の方が、計画した事件だった。それだけに共犯は、自分の計画に絶対の自信を持っていて、
「俺の計画が、そう簡単に露呈するはずがない」
と思っているようで、警察をミスリードすることが、一番の成功の秘訣だということで、下手な小細工をしない方がいいと思っていた。
しかし、それは小細工ではなく、伏線であった。
一つ歯車が狂ったとしても、他と組み合わせれば何とか、うまくつなげることができるという考えを持っているくせに、今回の犯罪は、自分の計画と警察の想像力を比較すれば、どうあがいても、F警察の連中に、看過されるなどありえないと思っていたのだ。
そのため、警察が、ちゃんとした正規ルートに気づいてしまうと、犯人側には証拠を隠滅するなどという小細工はなかった。
それだけに、証拠集めにそれほどの困難はなく。逮捕、起訴までは、結構スピード解決だったのだ。
桜井刑事の武勇伝が、新たなところでもう一つできたとして、推薦した門倉警部も喜んでいた。
K警察内でも、大いに啓発を受けて、刑事課でも、桜井刑事に負けないようにと、日夜頑張っているのだった。
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