第22話 紅咲
週明けのバレンタインの日にチョコ渡す気満々の乙女たち、焔の一言により硬直した続きから。
「やっと、気づいたんだ。いつ気づくと思ったぁー!」
「やり始める前に止めてくださいよ!」
「ど、どうしよっか?」
「後は型に入れて冷やすだけなんですよねぇ~?」
「うーん...自分たちで食すしかない?」
「そうですね、喜びのあまり忘れてました私としたことが不覚です!!」
「たがしかし、困った、何も食べれない千聖に挙げるものが思い浮かばないな」
「安物を渡すのはちょっと気が引ける」
「住まわせてもらってますから、単純なのも難しいですよね?」
「···なぁ、だったらこういうのはどうだよ」
如月から出された提案に驚きを発する
「まさか、君からこんな案が出るとは確かに実用性はあるものだな」
「···なんだと思ってんだよ」
焔の素朴な疑問に、全員口を揃えて
「暴力女、問題児」
「···聞かんきゃ良かった」
「まぁまぁ、話を戻して、買いに行くなら隣町のモールで買った方がいいね」
「そうですねぇーお値段もそこそこするものじゃないと日頃のお返しになりませんからね」
「よし、じぁ、皆用意をして出かけよう」
「ついでに、如月さんのお洋服も買いましょうか」
「は?、んな金お前らにあるのか?」
「金銭面はご心配なく、お小遣いは毎月皆さん貰っていますから」
「貰いすぎて、全然使ってないからいいよ」
「それに、1人分なら1週間分の服を買っても余るくらいじゃないかしら?」
「どんだけ貰ってんだよ、恨まやしいな」
「ここに住めば、その感情は無くなるよ(*’ー’)」
「···まだ、待て。どうしても引きずっちまって答えが出ねぇ」
「たった2択の選択肢だけど、これからの大事な事だから、ゆっくり考えて」
「···なんか、変に気ぃ使わせて悪ぃな」
「みんな全然気にしてないから、平気」
「では、行こうか。千聖たちに一言言ってからね。」
凪紗がトレーニングルームの扉を開けて
「千聖、私たちは今から隣町のモールで買い物して来るから、留守を頼むよ」
「ん、了解した。気をつけて行ってこい」
「あぁ、では行ってくる」
そうして、キッチンで作業していた皆は隣町まで出かけた。
トレーニングルームにて、縄跳びでいい汗をかいた3人は
「さて、一旦休憩にするか」
「···大丈夫かな?」
「そう心配してやるな、脅威となるテロリストはほとんど殲滅し、先日襲った連中もこう短期間で襲撃してくるとは思えないし、そう長く買い物するとも思えない。一・二時間ですぐ帰ってくるさ」
「そっか、なら心配することないや」
「それと、真希。お前には一つ訓練をしてもらう」
「?、何?」
「着いて来てくれ」
トレーニングルームの片隅の床を開けるとコンクリートで全面固められた階段が出てきた。それを下ると広い空間があった。ここは射撃訓練場になっており、50メートル先に的がある。射撃する場所には仕切りがされており、複数のレールがあった。
「?ここは?」
「射撃訓練場」
「え、千聖銃使うの?」
「軍でいた時に撃っていたが、学校に編入して以来撃っていない」
「そうなんだ」
「じゃ、見本を見せるから真希銃を出してくれ」
「お、ホイ」
拳銃を生成して千聖に渡すと、すかさず片手で的目掛けて放つと、的のど真ん中に三発命中した。
「え、すご」
「音が凄いです」
「真白にとっては驚くものだよな悪いな突然やってしまって」
「あ、いえ。そういう訳じゃ」
「そう焦るな、大丈夫だわかっているから···とりあえず真希しばらくこの生成した銃で的のど真ん中を打ち抜けることが出来るようになれ、まずはそれからだ」
「了解した!」
「真白は上で休んでいろ、しばらくしたら、俺も上に行くから」
「!あ、はい」
真白が上に登ってトレーニングルームに戻り、千聖は真希に説明を始めた。
「今、真希が生成したこの銃は、反動が少なくブレも少ないから撃ちやすい部類に入る。まずは十メーター程で様子を見ろ。真ん中をうち抜けたら、距離を遠くしていく。早速だが実践だ」
レールが動いて的が近くなった。
「常に集中しろ。両手でグリップを抑えて初動の手ブレを無くす。準備が出来たら撃つ」
銃声が鳴り響き、銃弾は的を捉えたが真ん中からは大きく外れていた。
「あ、あれ?」
「···銃の反動に対して、腕が耐えきれていない。肉体的に腕を鍛えないと的の真ん中を捉えるのは難しいな」
「じゃ、どうすんの?」
「腕の筋肉を鍛える、具体的に腕立てや、懸垂などで、鍛えていけば銃を撃っても反動でブレることは無くなるからしばらく筋トレだな、」
「うぅ、せっかくの能力の訓練なのに···」
「それに繋げるための筋トレだ。それに真希の能力は間違えれば、皆を死に至らせることが簡単に出来る。だが逆に助けることも可能なんだ、覚醒した時のようにな」
「じゃあ、みんなの足でまといにならないようにここで訓練するってこと?」
「そうだ、本来なら軍のような広い所でやるべきなんだが、あいにくそういった場所が取れそうになかったから、作った」
「え、!作ったのここを」
「あぁ、最初の頃はなかった、俺が2年に上がった時に射撃の腕が落ちていたから、作った。」
「おぉー、やっぱり千聖はやるべきことが違うねぇ。さっきから驚きが凄い」
「そう大したものではないさ、この場所もこの家自体も、皆で暮らすには狭すぎる位なんだ」
「そう、かな。充分広いと思うけど」
「まぁ、これは感覚の話だから気にする事はないか。とりあえず上に戻ろう。それとここ使いたい場合は一言言ってくれ、あと、腕が痛くなったり、違和感を感じたら、直ぐに栞に直してもらってくれ」
「了解しました。今日から訓練頑張るぞぉー」
「あぁ、頑張れ」
上のトレーニングルームに戻って、千聖と真希の二人は訓練を始め、真白は再び縄跳びの練習を始めた。
ショッピングモールに行った女子高生達はと言うと、焔の服選びに没頭していた。
「さて、まず最初は如月さんの服から買いましょうか」
「···あ、おい、いいのかよここに来た一番の目的忘れんなよ!」
「大丈夫ですよ、後からでも買えますし焦る必要はありませんから」
「ゆっくり見ていきましょう。外に出てこうやってのんびりすることなんてそうそう無いんだからね」
「そうです、そうです。この際羽伸ばしちゃいましょう。」
「···の、呑気なやつらだな」
「とりあえず、じっくり観て焔さんが気に入ったやつ片っ端から買ってきますかぁー」
「そうだね、そうしよっか」
そこから、如月焔によるチョイスで試着が始まったが、段々といかついものへと変わっていった焔を見て、皆は引き気味に見て言った。
「ま、まさか、ここまでセンスが絶望的とは思っていなかったわ」
「ほとんどスカジャンって流石不良女子ですね」
「///べ、別にいいだろカッコイイだからよぉ!」
「まぁ、趣味趣向は人それぞれだから、私たち同好いうあれは無いんけど、もうちょっと別の方向性をもったらどうかな」
「うーん、でも他のはしっくりこねぇんだよなぁ」
悩む焔に皆は次々に服を選ぶ
「だったらカワイイ系、クール系など今までの印象を崩す系統の服を片っ端から試着しちゃいましょう」
「賛成だ」
「楽しいそう((o(。>ω<。)o))」
「じゃ、じゃんじゃん着替えさせちゃいましょう」
ここから、焔に何回も違う服を着替えさせた。カワイイ系からクール系はたまたどういった?服と言いそうな服まで聞かせた。その間焔は不満気に何回も着替えまくった。その一部始終を見ていた店員も段々と呆れた表情を見せた。
「な、なぁ、もう良くないか?」
「さすがに、身体がキツくなって来たかい?」
「あぁ、まじでつらい」
「まぁ、このくらいで終わっておきましょう、これだけあれば充分なくらいだもの」
「ついでに自分たちの服も買ったから満足。」
「じゃ、本題のもの買わなきゃ」
「ですね、千聖さんに合いそうなもの選びましょうか」
「うん、でも千聖くんに合いそうなのって皆想像つく?」
「···················」
しばらく考え続ける一同。しかし
「全然思いつかない」
イメージがわかず落胆する一同
「千聖先輩に合わせるなら、派手じゃなくかつシンプルでもない、丁度いい安牌のものがあればいいんですけどねぇ、」
「千聖様なら、何でも喜ばれると思いますが、」
「安直なものは選べないよ、それでは日頃のお返しとしてはならないからね」
「だったら、ここはいつくか候補を決めて慎重に選びましょう」
そこから、乙女たちによる品定めが始まり、各々千聖に合いそうなものを決めて選んで、そこからまた選んだ。
1時間悩んだ末、千聖にあげるプレゼントを買った乙女達は、モールを1階にに向かおうとすると、1階のメインの入口のドアから、無数の銃弾が貫き爆発も起きた。
「!まさか、テロリスト!!」
「いえ、そんなはずは」
「!いや、あれって」
黒煙から出てきた公安の対テロ組織軍団
「···いやぁー連中の使ってたやつでも使えるものへ使えるなぁ、どこにいるか丸見えだ、2階の東側の通路にターゲットはいる。さっさと捕まえるぞ!!」
武器を構えて侵攻する。
「どうやら、標的は変わらず如月さんのようですね」
「···だったら、てめぇらは手ぇ出すな。俺が全部殺ってやる!」
「無茶でしょ!数が尋常じゃない。返り討ちにされるだけですよ!」
「アイツらの目的は俺、ここにいる一般人並びにお前ら部外者は関係ない。犠牲が俺だけなら注意させるのは俺だけでいい、そしたら、活路見いだせんだろ。なぁ黒咲流の使い手さんよぉ」
「!···なるほど、わかりました」
「だが、武器が欲しい、槍って精製できるか?」
「出来ますよ」
槍を精製して、焔に渡すと2階からフェンスを飛び越えて軍団の目の前に立ちはだかった。
「ほう、お前から来るとはな、好都合だとっ捕まえろ」
銃を構えて、距離を詰める軍団。それに対する焔の持っていた黒槍が
「紅咲流 槍術 紅蓮硬化 馬喰」
勢いよく降った黒槍が赤くなり炎を纏った。
「な、なんだ!?どうなってんだ!?」
「こいつ、いつの間に覚醒してやがったんだ!?」
「子供らの仇取らせて貰うぞ!!」
槍の矛先を軍団に向けると軍団は恐怖に引いていた。
「引くな相手は1人なんだぞ、数でおせ!この際傷がついても構わん!」
一斉に銃口を焔に向け、射撃する軍団。それらを
「紅咲流 槍術 狼炎嶽層 荒雅躬」
飛んでくる銃弾を一振でまとめて焼き尽くす。
「ち、これでもダメか」
軍団があとずっさって後退すると、後ろから
「黒咲流 剣術 哭零慙死 刺繍」
後退する軍団の最後列を鮮やかに仕留める舞夜。
「一気に部が悪くなったなぁ、殺人者共!」
「殺されたくなければ、大人しく引きなさい」
焔と舞夜、2人に囲まれた軍団だが
「ッ、ハッハッハ、能力者つってもたったの2人で俺らを押さえ込んだでも思ってんのか!」
「あ、何言って」
焔が疑問に思っていると、舞夜の後ろから殴りつけてくる、軍団の仲間。殺気に気づき、身構えたが、ぶっ飛ばされ背中から壁に衝突した。
「ち、援軍かよ、クソが!!」
再度槍を構える焔だが、
「おっとぉ、こいつがどうなってもいいのかな?」
援軍から見しらぬ子供が人質として、囚われていた。
「お前は子供には甘いからなぁ、こうなったら何も出来ないだろう、さぁお前が来ればこの子供は解放してやる。もし来ないなら、この子供もお前のところにいた子供らみたいにしてやるよ!!」
その最後の一言で焔の中から絶望が走り出す。
「は、お、お前らが殺したのか!?アイツらを」
「そうだよ、その顔だよ!!おれら
はその絶望を煽りたくてお前の身の回りの人間殺してんだよ!!」
「···ふ、ふざけるなぁ!!!」
怒りが頂点に達し、身体全体から凄まじいほどの炎が周辺を燃やす。
「さあ、仕事の時間だぜえ!」
軍団が怒り狂った焔に向けて銃口を向けて射撃する瞬間。この間に衝撃が走る。
「心配になって来てみれば、やはり何かしらの問題は起こるものだな。」
どこからか、千聖が現れて眼光を飛ばす
「ち、真打の登場かよ、こんだけの人員いてもこいつが居たら全滅不可避じゃん」
身構えて、戦闘体勢に入る千聖だが、後ろから獄炎が千聖ごと襲いかかってきた
「紅咲流 槍術 自縛獄炎波」
焔の目が綺麗な赤色から黒色に変わっていた。
「!!まずいな、暴走していて、み栄がない。このままだと建物もここにいる人たちも焼けてしまう」
壁に吹き飛ばされた舞夜のところに心配して集まって。
「今、治すからじっとしてて!」
栞が能力を使って傷ついた身体を直していく。
「しっかし、暴走するとあそこまでなるわけ、もう地獄の行きよこの暑さは」
「本当に冬ですかって、言いたくなりますね」
「それだけ、彼女は憤怒しているということだ、止める手段はあるのか?千聖」
燃え盛る獄炎の中、千聖は至って冷静だった。
「あまり、このやり方は好ましくないのだが、暴走まで行ってしまっては仕方がない。焔!覚悟を決めろ!!」
千聖が踏み込むと、暴走した焔は燃え盛る槍を投げてきた。それを千聖は極小モーションで避け、焔の懐に入る。そして、焔の口を口で塞いだ(キス)。
「!!!」
そこ一瞬焔の目が正常に戻る。口を戻すと顔を真っ赤にして、慌てた様子で、
「おま!ちょ、、なにして!!!!」
「もどっ、たか、」
また、限界を迎え気絶寸前で立つのもままならなくなる千聖。
「おい!こんな時にへばんじゃねぇ」
崩れる千聖を抱え支える焔。それに対して、
「よし!今だ!撃て!!」
軍団が2人に対して、銃弾の雨を撃つ。
しかし、全ての銃弾は2人を貫くことは無かった。
「ほんと、危なっかしいことしかしないわね...」
能力を発動させ、障壁で銃弾を止めるシア。
「それはブーメランが刺さってしまうよシア、タイミングが悪ければシアも含めて貫かれていたよ」
「平気よ、結果的に止めたからいいじゃない」
「それも鞘中なや理ある。それでは、お返しと行こうか、死の返礼と共にな!」
凪紗の目が光輝きかな、障壁に遮られた銃弾の矛先が軍団に向く、凪紗の腕を一振すると銃弾が全て、軍団全員を貫いき死亡させた。
「凪紗、えぐいことするわね」
「頭に血が上り過ぎたようだ···それより千聖が心配だね...言わなきゃ行けないことがあるんじゃないかい?」
凪紗の、言葉にゆっくり立ち上がって
「······まずは、突然すまなかった。あれしか、方法がないんだ。わかって欲しい」
喋る声がツギハギで千聖が苦しいのが伝わってくる。
「···やってしまったからには、責任は取る。しかし、如月はまだ悩んでいるというのなら無理強いはしない。だが、覚悟が決まった時、俺のそばでその力を貸してほしい。」
千聖の真っ直ぐな視線が焔に突き刺さる
「···だぁぁ!お前のせいで!!悩んでたのがバカバカしく思ってきた!あぁ、もういいや、ちゃんと責任取れ、バカ」
「ふ、···」
少し口角が上がった千聖は身体が重いのか、片膝をつく、
「おい!大丈夫かよ!!」
「···すこし、気が緩んだだけだ。」
心配するみんなの後に
「まもなく警察が来る、俺は情報提供者として、署にいくから、みんなは気をつけてゆっくり帰ってこい」
「あぁ、わかった」
千聖の言葉通りに警察がきて、調査して詳しく話を聞くために千聖を署に連行させ、乙女たちはもうしばらく買い物を続けて帰宅した
千聖家にて、
「···はぁ、また飛んだハプニングだったよ、もん勘弁して、」
「まぁまぁ、皆無事だったのだし、なんら問題はないさ」
「とりあえず、買ってきたものしまいましょう」
「あ!おかえり!!みんな無事だった」
「え、なんで知ってるんですか?」
「ニュースでやってたから、それに千聖がものすごい形相で消えていったからなにかあったんだろうなぁーて」
「あぁ、そうですか、」
「千聖は帰ってきているかい?」
「いいや、まだだよ」
「警察の事情調査ですから相当時間かかりますよ、首を長くして待ちましょう」
「という訳で、まぁ、大変なことはありましたが、これで正式に焔さんが暮らすようになった訳ですし、なにか、パァーっとやりますか?」
「いいと思うぞ、親睦を深めるにはもってこいだと私は思う」
「パァーっとやるとしてもなにか考えあんのかよ」
「え、そんなものないですよ、今考えましたし」
「あぁ...意味わかんねぇ」
「そのうち理解できるようになるさ、ところで焔がここに住むこととなると書類はどうするんだい」
「···それに関しましては、恐らく千聖様が警察に書類の提出を一緒にするはずなので、役所に行く必要は無いかと思います」
「なら、あとは大丈夫そうだね...」
警察署にて、事情調査のために情報提供者として、署に出向いた千聖は起こった出来事を鮮明にかつ丁寧に伝えた
「···う~ん、国が相手となると、自分らは動けないっすね。」
「無理に動いて欲しい理由では無い。それに刃向かって欲しいわけでもないんだ」
「そうっすよね、しかし、何故国の軍が1人の女性を狙うのかがわからないっす」
「それに関しては、憶測でしかないがどうやら去年から行動に出ていることを考えると、政府が手を出しているわけじゃない、それだったら、直ぐに強硬手段に出て捉えるはず。だが実際はそうじゃないということは政府は関与していない。」
「じゃ、軍自らってことっすか?」
「いや、軍は誰かに引き渡すような発言をしていた。つまり支持した人間がいる。それができるのは限られる。例えば政府に所属している大臣の息子とかな」
「え、それが本当だったら政府でも知ってる人限られますよね」
「あぁ、軍という大勢を動かして起きながら、メディアには国の軍が犯行に及んでいるとは言われていないことを考えると相当な権力が働いている」
2人が悩んで会話していると、
「あのぉ、その件ちょっと引っかかることが出てきました」
「お、説明するっす」
「はい!どうやら、身柄確保の計画は去年から実行されていたんですが、最初は軍が動いていた訳ではなく。ここら辺の地域の不良グループが肩代わりしていたらしいです」
「それに、関しては本人からも言われたから事実で間違いない」
「なんで、最初だけ軍は動かなかったんでしょうか?」
「それは、ターゲットを甘く見ていたんだろう。能力者として当時覚醒していなくても紅咲流の使い手だ。一般人が複数人相手でも軽く吹き飛ばすことは簡単だろう。」
「だから、軍自ら動いた訳っすか」
「あぁそう考えるのが妥当だ」
「連中、テロリスト集団が使っていた武装を使っていたッス、まさか、流出していたとは驚きっす」
「権力のちからだろうな、今までのテロリストの武装は警察署長が保管している。息を吹きかければ簡単に手に入る。それだけ本気なんだろう。」
「こう聞くと、上も変わんないっすね」
「...人は変化に恐れるものだ。関係が崩れる=派閥を産む。言いたいことは均衡 をどれほど保つかだ、だがそれを利用するのが頂点に立つ権力者だ。歯向かえば制裁を従えば絶望を与える。それが人間社会に置ける上下関係の理だ」
「うー、現実って理不尽すよね、特に千聖さんみたいにオッドアイ能力者の皆さんはもっと酷いでしょうに」
「俺は無国籍だからそういった経験は無いが、他は酷いだろうな、差別や軽蔑
はたまた他人の欲求のために蹴落とされる日々、権力の中では最底辺に位置するものだ。」
「けど、狙われてる人は抵抗してるんですよね」
「信念が硬い人なんだ、だから刃向かえる。だが、今この状況では逆効果なんだがな。とりあえずしばらくは様子見だ。何かあったら伝えるし、そっちもできることはやっていてくれ」
「了解っす」
そうして、署を後にして。夕暮れの経つ中帰路を歩く千聖。しかし、身体に異変が起きる。
「!!!...ここでか!?」
息切れを起こしつつ、胸を抑える。
「進行が早くなっている。またダメになってしまうのか...」
苦しくなりつつ重い足をゆっくり踏み締めて家に帰った。
そして、次回待望の話と絶望へ招く終焉
乞うご期待
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