第16話 回忌
クルーズ船襲撃事件から数日後
学園では、二学期終了の終業式の日
「結局、城ヶ崎のやつ最後まで連続して休んでんな?」
「珍しいよね、何も連絡もないなんて」
「···何か知らねぇの?」
顔を横に向けて、舞夜に質問する江間
「私たちも知りません...」
「···そっか、なんかわりぃな」
「いえ、お気になさらずに」
終業式が終わり、千聖家にて、リビングで休む数人。
「うーん、静かですね」
「まぁ、あんなことがあったんだ、未だ受け入れられないんだろうな」
「ここにいない人達はみんな部屋に閉じこもってますからねぇ」
「それだけ、千聖がいかに皆の心の拠り所だと、思い知らされるよ」
「これから、どうなるんでしょうね私たち」
「···運命の赴くままに身を委ねるか。またはこれから先に起こるありとあらゆる事象を予想し、自ら行動するか。」
「···哲学的はこと言わないでくださいよ」
「アハハ、冗談さ。未来に起こることなんて、誰にもわからない」
「そう···ですよね、」
「···このまま、こんな暗い感じになってていいのかな?」
「それは、どういう意味だい?真希」
「いやぁ、千聖がいなくなって悲しいのはわかるんだけど、ちょっと引きずりすぎって言うかなんて言うか」
真希の軽はずみの発言に美希以外は驚きを隠せず、美希は怒りが顕になった。
「真希、それは言っちゃダメ!」
「え、!?」
「真希も私も千聖との関係が薄いからそう思えるし発言もできるの!けど、皆違う!私たち二人よりも長く関係を持っているの!傷心になるなんて当たり前だから、そんな軽はずみに物事言っちゃダメ」
「···ごめん」
「···いや、この場に舞夜がいたら、切腹ものだっただろうが、ここでは目を瞑って聞かなかったことにしよう」
「ありがとうございます!!」
閑話休題
凪紗のスマホに1件の着信が鳴る
「···はい、もしもし、はい、えぇ問題ありませんが、どうしたのですか?···わかりました。それでは直ぐに向かいます」
そのまま電話を切ると
「何事ですかぁ?」
「皆、ここにいない人たちを集めてくれるかい?」
「あ、うんわかった」
各部屋にいる人達を呼んでリビングに集結させる。
「皆、今から学園に行くから用意してくれ、少し経てばここに迎えが来るからね。」
「突然何なのよ」
「さぁ、わからない。だが、理事長直々だからね、真相は行ってみないと断定できないな」
各々準備を始めて、迎えの車に全員乗る
学園に着き、理事長室にて、
「突然すまないね、君たちが傷心中なのは知っているんだが、どうしても集めて欲しいと頼まれたものだからね」
「?ということは理事長も私たちをここに呼んだ要件はわかっていないということですか?」
「えぇ、君たちに話があるのは妹の方でね」
理事長の後ろにあるプロジェクターから映像が映し出される。そこには無国家組織OIS特殊司令官の一之瀬小鳥が立っていた
「···久しぶりとでも言っておこう、あの事件から約1週間ほどしか経っていないがな、···さて、本題に入るが、城ヶ崎千聖がまだ生きていることが確認された。」
「!!!」
教官の放った言葉に理事長も含め皆が驚く。
「あの海に落っこちてまさか生きているとはな」
「しかし、まだ確定は出来ない。ここからオペレーターに説明をしてもらう」
「はい、ではご説明します。まずこちらの映像をご覧ください。」
映像が切り替わり、オッドアイ能力者が椅子に拘束された映像になった。
「こちらは、オッドアイ能力者がその生命を絶たれた時の映像になります」
その映像を見ていると被検体の身体から眩い光が刺し出し、その光とともに広大な爆発を起こし、映像はそこで途絶えた
「オッドアイ能力者は映像の通り、命が尽きる時、爆発を起こすようになっています。それはもちろんみなさんも千聖さんも例外ではありません。そして、何が問題かと言いますと、千聖さんはこれが起きていません、あの高エネルギー砲が映像と同じものなら、死亡したと断言できますが、鑑識の結果同じ現象では無いことが判明されています。続いてこちらもご覧下さい。」
今度映し出されたのは、この世界の地図だった。
「ここより、遥か最南端に数時間前千聖さんの無線機から、短く微弱ながら反応がありました。」
「てことは?場所がわかっているのなら助けに行けるってことですか?」
「いや、よく見てくれ、反応があるのは何もない海。しかも距離があり過ぎる。」
「その通りだ、だが、問題はこれだけでは無い。ガレム王国は城ヶ崎千聖を指名手配犯と指定した。」
「は!!え、ちょ、なんで!」
「どうやら政府は一連の犯行は千聖がやったことと言いたいらしい、食い止めてはいるが民衆の目にかかるのにそう時間はかからない、それと、救助に行くにも難しい状況になっている。国が千聖を探すのに、離陸も出航も未だ許可が出ていない。この許可が出ない限り救助は無理だ。」
「どうにかならないですか?」
教官は申し訳なさそうに首を横に振り
「組織ではこれ以上踏み込むことはガレム王国に反することになる。そうなれば個人の問題では無くなって来る。本当に申し訳ない」
「······」
しばらくの沈黙が続いたが、
「では、私の船を出しましょう、ツテを使って船は出させますので、」
「!何を言っている!」
「おやおや、何をそんなに焦っているのですか?」
「そんなことをしたら、どうなるか兄さんはわかっているはずだろう!?」
「別に構いませんよ、それに恋する乙女達にこんな事で希望を捨てて欲しくは無いですし、学園からも数少ない優秀な教師を蔑ろにしたくはありませんから。助け舟を出すだけですよ。」
「本当にやるんだな···」
「えぇ、覚悟の上ですよ」
「···わかった、その船には私たちも同乗しよう。君たちだけに背負わせることは出来ないからな」
「では、30分後に港に手配しておきます。それまでに再度支度の準備を進めてください」
「ありがとうございます。理事長先生」
「いえ、適切な対応をしたまでです。必ず、千聖くんを連れて帰ってきて下さい」
「承知致しました。では、私たちはこれで失礼致します。」
皆が理事長室から退室した後
プロジェクターも消え、日光指す部屋で
「さて、取り掛かると致しますか」
机にある受話器を取り、どこかに電話を繋げた。
1度家に帰宅し、荷物をまとめて家を出た一行は、ガレム王国の港に送られた。
「大きい~!」
「理事長が所有する。プライベートの船だからね」
「え、じゃ、ひとりでこれに乗ってたってこと?」
「休みの日はほとんど海に出ていたよ。小さい時は私もよく連れて行ってもらっていたからね」
「まぁ、狭いとか小さいよりはマシね。まだ中を見てはいないけれど。さぁ、さっさと入りましょう、さすがに寒いわ」
「ですね、」
一同はスロープを上り船内に入る。
各部屋に荷物を起き、会議室にて、これからのことの会議を始めた
「では、まず、初めにこの船で、目的地付近に行くのには最低でも2日の時間を要します。」
「!そんなにかかるの!?」
「それでも早いくらいだよ、南に行くに連れ海の流れは強くなるからね」
「その通りです、たとえ着いたのしても海流によっては受信した場所より遠くなっている可能性もございます」
「そうなると、探索は難しいですか?」
「はい、国が黙っていないと思います。長いは危険ですので、最低でも1週間の捜索になります」
「て、ことは約3日のうちに探さないと···」
「移動も込で考えるとそうなるな。だが、千聖が持ってきた書類の中に奴らが目的としていたもの、古代の聖槍の文献が見つかっている」
「?それとなんの関係が?」
「その古代の聖槍が南の何処かの無人の島に封印されていると書かれていた」
「つまり、その無人の島にたどり着いている可能性もなきしもあらず?ってこと?」
「そうだ、その島は特定のオッドアイ能力者しか立ち入ることが出来ないとされている。この事が正しければ地図に載っていないのも頷ける。無線機も水に入っただけで壊れるような安物ではない。」
「ですが、それだと、受信したのが一瞬なのが気になります。」
「おそらく、何らかの通信妨害を受けたんだろうな、まぁそれに関して本人に確かめるほかない」
「···とりあえず、方針はわかったわ。だけど、その書類。他には何が書いてあったのかしら?」
「···まだ調査中だ、古代の文字が多用されていて、ほとんど書類がわかっていない。唯一わかったのは古代の聖槍のことのみだ」
「アタッシュケース2個分の書類が入っていて1個しかわかっていないのね」
「面目ない、早急に解読を進めるつもりだ」
「そう、ならいいわ。」
「目的地付近までは、各自自由に生活を送ってもらって構わない。何かあれば使用人がいるからそっちに頼ってくれ、では解散」
会議室から各々行動に移る。と言ってもやることないから眠華の提案で船の探索をすることになった。
「あんなにキラキラした眠華ちゃん見るの久しぶりかも···」
「そうなんですか?」
「いつも寝てるからそんな印象ないんですが」
「でも、本人は楽しそうよ」
「物珍しいところとかものだと、好奇心が旺盛になるから」
「···とは言ったものの、この船娯楽施設のようなものは備わっていないのだがな」
「よく、娯楽なしでよく船旅できてたわね」
「理事長は海風を感じるのが好きでね。走行中は甲板でずっと風を感じていたよ」
「つまんない人ね」
「シアはハッキリ行ってくるね、本当のことだが」
そうして、眠華の気が済むまで、船内を探索した一行だった。
時間が過ぎて夜。月と星あかりに照らされた甲板に寒空の下。フランは夜風を当たりに甲板に出た。すると、
「この季節の海はかなり冷えるぞ、···そこで何をしている」
後ろを振り向くと教官が立っていた。
「え、えっとぉ、ね、眠れないから夜風を当たりに」
「···そうか、」
「そ、そういう貴方は?」
「···フラン・ベーネがここに足を運んぶ姿が見えたから後を追いかけた。話したい事がいくつかあるからな」
「?」
「立ち話もなんだから、丁度そこにベンチがある。座って話そうじゃないか」
甲板に備えつけられているベンチに互いに座り、
「フラン・ベーネ、君は何故あの学園に編入した?」
「ち、ちさに謝りにたくて、ちさの傷は私が原因だから、それと、世間帯が知りたかった」
「箱入り娘の特徴的感性だな。では、千聖に執事をやらせていたのに、何時ぞやかそれが無くなったのは?」
「そ、それは最初から執事はしなくても良かったはずなのに、上手く伝わってなかった。」
「···そうか、君には呪いがあったと聞く、詳細は分かるか?」
「・・・人の名前を呼ぶか、書くと息が苦しくなってた。」
「名前に連動して発動するタイプの呪いか、なるほどそれが千聖によって無くなったと。」
「…………」
「?何を赤らめている?」
「あ!いやなんでもないです、」
フランの脳裏に千聖とキスしたことがよぎり恥ずかしくなった。
「まぁ、仲が良くて安心するよ」
「?どういうこと?」
「千聖の性格上、他の人と上手くやって行けるのか、多少の不安があってね」
「なんか、わかる気がする、」
「そうだろうな、」
「だが、その心配もなさそうだ、君たちを見ていてそう確信が持てる。よし、最後の質問いこう、···君は能力者として、既に覚醒はしているはず、だが、詳細な情報が他と比べると少ない。自分の能力について、知っていることまたはどういった状況で発動したか、わかるか?」
「・・・その前に他の人達はどのくらい知ってるか教えて欲しい」
「···いいだろう。
白鳥 真白
能力者探知と遮断。だがどうしてか覚醒までは至っていない。
橘 眠華
能力は身体能力強化
千聖が普段使っているものと一緒だ、しかし、睡眠障害の呪いで封印状態になっている。
岬 栞
能力 蘇生と再生
対象 いやオッドアイ能力者に限り、傷を瞬時に回復できる、千聖の片腕が元に戻ったのはこの能力による力、だがこの能力を普通の一般人に使った際には、対象の身体が耐えられず、イーター種と化す危険性がある。
黒咲 舞夜
能力 剣生成
身体のどこからでも、剣を精製できる。
剣だけでなく斧や槍も精製可能。
まぁ、あいつは頑なに剣しか使わないんだがな。
ルーシア・ローレン
彼女に関しては君の方が詳しいだろう
能力 障壁
ありとあらゆるものを防ぐ事が可能で銃弾の威力でも割れないが、許容範囲外は割られる。
姫宮 愛美
能力 過去視聴
万物の過去が見えそれを映像化させる事が出来るが乱用は難しく、脳に負担がかかる、扱いの難しい能力だ。
八千代 恵那
能力 洗脳
歌声により、聞いた相手を洗脳状態にかけ、言うことを聞かせる。ただし、この能力はオッドアイ能力者には効果が薄く、一般人にしか効果を発揮しない。
一之瀬 凪紗
君も知っての通り、私の甥っ子にあたる
能力は物体移動。人の大きさのものまでなら自在に空中を移動させられる、ただし、それ以上だと。動きを止めるほどにしかならない。
十佐姉妹の姉
十佐 真希
能力 銃生成
舞夜と同じだが、覚醒したてで訓練もしていないから、1つの銃しか精製出来ない。正直組織に欲しい人材だ。
そして、妹の
十佐 美希
能力は重力操作
対象の周りに重力をかけたり、逆になくしたりする能力。テロリスト集団の動きを簡単に止めることができるためサポートに向いている。
最後に1人いるが、まだ千聖も私たちも接触していないから説明はしないでおこう。このくらいだな、だが君だけがわかっていないんだ。どうだなにか引っかかることはないか?」
「・・・能力が覚醒したのは、幼い時、第一王女によって傷つけられたちさを見た時に覚醒した。私の目は何もかも壊す破壊の双眼。···けど、発動する条件は私にもわからない。」
「···そうか、我々はそれがわかればいい。そう気を落とすな」
「・・・(なんか、ちさみたいな言い方)」
「まぁ、君と話せて良かった。あまり長く外に居ない方がいい、風邪を引かれては皆が心配してしまうからな、私は失礼するが、君もゆっくり休みなさい」
甲板から船内に入っていった教官。
それを見送ったあと夜空を見上げて
「待っててちさ、みんなで必ず助けるから」
場所が変わって周りにはたくさんの花が咲き誇る、楽園のような場所。大きな木の下で、横になっている1人の男と膝枕している美女。
「···」
目が覚めて、ゆっくり目を開ける男
「あ、チサ!起きた!!」
「···君は、まさか、ソディアス?」
「うん、そうだよ。チサをずっと見守ってきた。ソディーだよ」
嬉しそうな表情をするソディー
「ここにいるという事は、俺は絶たれたわけか」
「ううん、それが違うんだよ、ここにはチサの魂しかない、本来なら肉体もこっちに来るはずなのに、どうしてなのか私には分からないよ」
「···どうやら、まだ、猶予があるみたいだな。ならソディアス、お前もこっちに来るか?」
「いいの?···だけどチサの方に行く方法が無いんだよ?」
「なぁに、方法あるさ。ソディアスを自由にする方法がな」
「本当?」
「あぁ、だが、その時が来るのは待っててくれるか、大丈夫そう長くない、直ぐにその時が来るから」
「!うん!!わかった!!待ってる!!」
泣き顔を後に楽園から千聖は光の粒子となり消えた。そして再び場所が変わり、ここは周りが海に囲われた無人の島。
海特有の音に晒され、千聖は目を覚ます
「···本当に···生きているのか。···ッチ!身体が···思うように動かないか。」
寝そべったまま身体をよぉやっと動かす千聖。連絡を取るために無線機を使おうとするが爆発してダメになった。
「水に浸かるだけで壊れる代物ではないはずなんだがな」
壊れた無線機を見ている千聖に近寄ってくる複数の足音がだんだん大きくなってきた。その足音の正体は複数の動物達のものだった。
「···これは、そうそうに終わったか?」
その中には、リーダー的存在の隻眼の狼がおり、他にはリスや猿、白馬が居た。そして千聖は察した、自分は喰われるのでは無いかと。だが、隻眼の狼は威嚇のように、鳴き。首を振って着いてこいと言いたげに奥の方に行った。
「(ついてこいという感じだろうか、身体動かんのだが)」
立ち膝の状態から頑張って脚を立とうとするが、
「!」
痛みで立つことができず、四つん這いになった。痛みに悶え苦しんでいると、
白馬が千聖に近づいて、顔で千聖のお腹を支えて滑り落ちるように白馬の背中に乗せた。
「(もう少し、繊細に乗せて欲しいというのは贅沢な命令か、それに動物にこんな事言っても通じないだろうな、ここは大人しくしていよう。)」
白馬に乗せられ、脱力状態で森の中を歩く動物達、脚を止めたのは槍が刺さった石碑の前だった。
動物達は、白馬に乗った千聖を協力して下ろして、意識が朦朧としている千聖を槍の前まで運んだ。
「···まさか、これを抜けと?」
隻眼の狼はこくんと頷いた。
「···まぁ、いいだろう。危険性がある行いだが、抜いてみるか、」
槍の鞘に手をかけて、引っこ抜くと簡単に抜けて、眩い閃光とともに槍は剣の形へと変化した。
「槍が剣に変化した!?まさか、これは初代オッドアイ能力者デューク・ルミナスが所持していた古代の聖槍ガラティーンか!!何故こんなものがこんな孤島の島にある?」
不思議と考えていると、限界を迎えた千聖は、その場に倒れて気絶した。
そこから、長い時間が過ぎた。
次に目を覚ました時、木の下で横になっている千聖の手元に動物たちがこの無人島で育ったであろうリンゴを持ってきたが、
「···いや、これはお前たちが食べるものだ俺はいただけない」
そういった千聖の言葉を理解したのか動物はリンゴをどこかに持って行った。
「(・・・身体が戻りつつあるか、これなら多少の無理は動けそうだ。)」
そう思っておもむろに立ち上がると隻眼の狼が石碑の方に首を振った。
「石碑の中に階段?」
槍を抜いた石碑の中に先が見えないほどの深い階段が下りていた。
「ここに入っていけと言う事か?」
狼は縦に頷いた。
「はぁ、起きてからというもの不思議な事ばかり起きるな。」
と、発言しつつも階段を下り地下に入っていった。一向に下りていく階段は明かりが一切なく、足元さえ見えないほどだった。しかし、千聖の持っていた剣から道標かの如く、階段を照らした。
「まるで、この剣に導かれているかのようだ、一体この先に何があると言うんだ?」
光の道行を追って、広いところに出た。ここは薄暗く微かにしか、物体の形を捉えることが出来ないほどだったが、
「どうやら、ここは書庫の様だな。しかも表紙もほとんどが古文書と言われるものばかり、ここは相当昔からある場所みたいだな」
書庫を眺めて先に進んでいくと、異質で巨大な扉があった。
その前に立つと剣が自ら動き、扉の溝に入り込んだ、そうすると扉砂埃を立てながらゆっくり開いていき、
「ナカニハイレ...エラバレシモノヨ」
どぶとい声のもと、中に入ると今までとは違う不思議な空間に導かれた。
「ココハ...シレンノマ...シレンノナイヨウハ...ワレヲタオスコトナリ...ナンジ、カクゴハアルカ」
「...やはり、起きてから不思議なことばかり起こるな、これが夢ならば納得がつくのだが、そうでも無さそうだ。」
覚悟が決まった千聖は、
「行くぞソディアス、お前の望み今ここで、叶えよう...」
千聖の身を包むように閃光が走り
「FEEL IV V Limit OVER」
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