第11話 大切
翌日、登校途中廊下にて歩いていると
「千聖くん昨日帰り際、会長に言い寄られてたよね?」
「あぁ、生徒会に入って欲しいと言われたが断った」
会話していて、流れで教室に入るとクラスがざわついていた。
そう、千聖の席に会長こと一之瀬凪紗が座っていた
「やぁ、待っていたよ」
「何をしに此処へ?」
「昨日の再挑戦さ、あれだけでは動けていないよ」
「俺の答えは変わらないぞ、それに何故俺なんだ」
「...あ~、安直な回答なのだが、...体育祭で君に心打たれた」
凪紗は恥ずかしそうにしつつ笑って返した。そしてみんなは
「・・・は?」
と口を揃えて言った。
「そんな顔しなくてもいいだろう、私だって、恋する乙女さそれとも何かな会長が恋しては行けないのかな!?」
会長が怒りを露わにしていると窓際できいていた江間が
「いや、会長そこじゃなくて好きになった理由がテンプレ中のテンプレすぎて戸惑ってんだよ、会長が誰好きになろうが、そこに関しては誰も文句言わねぇよ」
皆を代表して言ってやった
「君は良い奴だな。去年やらかした君」
会長の言葉が江間の精神を突き刺した
「どんな覚え方したんだよ。あと掘り返してくんじゃねぇ」
「ふん、まぁ、そんなことはともかく。どうだろう、私の気持ちを打ち明けたんだ。少しはその気になってくれたかな?」
「いやないな」
千聖は質問に対して即答で返した。
「それに、放課後は忙しい、家でやることが多いのでな。生徒会の仕事に時間を割いては居られない。だから他を当たってくれ」
「フゥン…そこまで言われたら今はこのくらいにしておこう」
そう言って教室を後にした。
その後は普段どおりの日常で進んで
昼休み、またしても教室に凪紗が来た
千聖に言いよった
「やぁやぁやぁ、君はお昼は食べないのかい」
「食事が出来ないから食べない、そんなことを聞きに来ただけか?」
「まぁそうだね、生徒会に入れって今言っても帰ってくる返答は変わらないだろうから。なら君と親睦を深めようかなと思ってきたのさそれともダメだったかい」
「...いや、別に好きにしていい」
「ふふ、君ならそう言ってくれると思ったよ。ところでなぜ君は女子生徒2人を膝の上に乗せているんだい。そういう趣味かい?」
そう、今まで通り眠華が膝の上に座っていたが、そこにフランまで加わったつまり、千聖の両膝にブランと眠華が座ってお昼を食べている。
「これは、日課だ。ルーティーンと言った方がいいか」
「ほぉ、なるほど、君たちには何やら特別な関係性がありそうだね...ふむ」
凪紗が悩んでいるともう1人男子生徒が教室に入ってきて。
「おやおや、これはこれは、底辺の会話はウザったらしいですねぇ」
メガネかけた、モブみたいな男子生徒が
そう吹っ掛けてきた。
「お前、1年の時から学年1位のG組の初谷じゃねえか」
「君に名前を言われるなんて、反吐が出ますねぇ、」
「...こいつ...腹立つ」
「それで、君がなんの用かな?」
「フッフッフ、僕はそいつが生徒会に推薦されるのが気に食わないのだ。体育祭でチヤホヤされたからと言って、神聖な生徒会に安安と入るなど、言語道断だろ。だから、僕も生徒会副会長に立候補して、君の立場を無くしてやる!!」
「長々と説明ご苦労さま。だが、副会長の座は彼と決まっている。君の出る幕引きはない。それに君は学年1位を取るだけでその他はからっきしじゃないか、そんな君が私の隣に立つ資格は到底ないな」
凪紗のその言葉が、初谷の怒り買った
「そんなことは無いだろ!僕よりも順位の低い君が誇ったようなことを言うじゃない。」
初谷の言葉も凪紗の怒りを買った
「ほお、ならこうしようか、来月の中間テスト。君が私たち2人の順位より高かった場合。千聖は生徒会に入らないし私は会長の座を降りて、君に譲ろう。だが逆に君が私たちを上回ることが出来なかったら、その時は覚悟して欲しい」
「い、良いでしょう、どうせお2人がこの僕に勝つなんてできないでしょうから」
そう言ってクラスを出ていった
「さぁ~て、これで言い逃れできないよ千聖」
「勝手なことを言ったのは会長の方だろ、俺は何は加担しないぞ」
「そんな寂しいこと言わなくてもいいだろう。頼むよ人助けだと思ってさ」
「助けた後に面倒なことになるのだったらごめんだな」
「...どうしたら君は私の隣にたってくれるんだい?」
「会長のことを教えてくれれば副会長になるのを除いて先程の賭けは飲もう、」
「わかった。ではそれで交渉成立といこう」
そうして、昼休みが終わり午後の授業のあとの放課後直ぐに帰宅した一同は
「本当に良かったのかしら、あんな賭けをして?」
「別に、面倒なことに巻き込まれるのは慣れている。問題なのは生徒会に入ること事態だ」
「でも、ちゃんと副会長にはならずに賭けをやるって言ったんだよね?」
「あぁ、だが会長が素直に言うことを聴くとは思えなくてな」
「あの会長様、大胆なお方でしたからね口約束しただけで、動じるようには見えません」
「それにあの男はなんなのよ」
「あぁ、あの人は1年生の時から学年1位の人。タダ順位が1位ってだけで、素行が悪いって話を聞いたことあるよ」
「フゥン…そんな人に勝てるわけ千聖もあの会長も」
「現状は難しいだろうな、1ヶ月の猶予があるがその間に何か考えて行くしかないな」
「そう、頑張んなさいよ」
「シアに言われるまでもないさ」
そうして、何も無く時が過ぎテスト1週間前のこと。千聖が凪紗に生徒会室に呼ばれていた。
「それで、話とは?」
「その前に、テスト勉強は順調かな」
「まぁまぁだ、そちらは」
「私もだよ学園のテストは一筋縄では行かないのでね。所で、君には見て欲しいものがある。」
そう言った凪紗の目は光輝き、手を掲げると棚にあったファイルが手元に来た
「これが、私の能力。ものを寄せ付けたり逆に遠ざけたりすることができる能力さ」
「やはり、オッドアイ能力者だったか」
「気づいていたのか?」
「俺の能力が反応を示したからな。会長が言いよってきた時に気づいていた。」
「そうか、ここに君を呼んだのは前に君が話した、私のことを教えたまでだ。ところで話が変わるのだが、少々仕事が溜まっていてな。資料作成手伝ってはくれないかい」
両手を合わしてお願いしてきた。
「他の人はどうした?」
「あぁ、皆は先に返した。君と2人きりになりたいのでね。」
「なら、帰っていいか」
「あぁ、待ってくれ君に慈悲はないのか少しくらい手伝ってくれてもいいじゃないか」
そうして、会長と2人で会話もなくパソコンで資料作成を始めた。そして、千聖は触っていたパソコンに違和感を感じていた。そうして、数時間後。
「いやぁ、助かった明日の朝までの提出だったのでねやはり私の見込んだ通り君は優秀な生徒だよ。」
作業が終わった2人は帰路につくため廊下をあるっていた。
「見捨てるもの罪悪感を生むだけだったからな。それで少し手を貸しただけの事だ。」
「やはり君は謙虚だな」
生徒昇降口に来た辺りで栞と眠華血相を変えて
「千聖くん、ハアハアはあ」
「大変なことが起きたฅ(º ロ º ฅ)」
「一体何があった。」
「それが、不意に不良達と手を組んだテロリスト達が襲ってきて、フランちゃんと愛美ちゃんとシアさんを人質としてさらわれちゃった」
栞の説明を聞いた千聖は何も言わずに靴を履き替え夕焼けに照らされる外に出た、外には人集りができており、千聖が近づくと
「あ!千聖様、申し訳ござ、ひゃ!!」
声が裏返った舞夜
「(ち、千聖様が本気でお怒りになされていらっしゃる)あわわわわ」
「舞夜」
「はっはい!」
「助けに行くぞ、助けに行けばあの3人も許してくれるだろう。場所もわかったしさっさと行くぞ」
「は、はいお供します」
縮こまった舞夜は申し訳なそうだった。
校門を出ようとすると
「待ってくれ、私も同行させて欲しい千聖を彼女達から遠ざけてしまったのは私の責任だ。頼む」
「そういうことなら、一部始終見てた俺も行くぜ、見張りも必要だろ・・あとこいつも主犯格だから連れてくぜ、こいつのせいで連れ去られたわけだしな」
そう言って腕で首を巻かれた隣のクラスの学園唯一の不良
「いいだろう、付いてくるなら好きにしろ。だが、俺たちの邪魔だけはするな!」
千聖の見開いた眼光が同行する3人に恐怖を与えた。
一方、隣町の廃校では
「ほら、大人しくしてろ」
3人が不良達に投げ飛ばされた
「(痛いわねぇ!ここはわたしがどうにかするしかないのだけれど。ここにいるこいつらを障壁で吹き飛ばしてもいいのだけれど、問題はあの武装したやつね
吹き飛ばしても気絶までは持っていけそうになさそう。フランは能力不明だから危ないし、愛美はこういった場所では不向きな能力してる、万事休すねこれは
助けを待つしかないわよねぇ」
と、シアが捕まりつつそう思っていた。
場面は戻り千聖達は
「(千聖様、ものすごくお怒りです。いつもよりも脚がお早い)」
千聖を先導に後ろから4人が追いかける
「この道だと、まさか廃校になったところに囚われているのか?」
「げ、マジかよ。どうなんだ、剛至」
「あ、あそこはテロリストによって廃校になった場所で今では不良もテロリストも根城にしている場所ってことしか知らねぇ」
「え、不良とテロリスト達が手を組んでのかよ」
「いや、というより不良達が命乞いしたことによりテロリストのパシリになった」
「なんだそりゃ、そんなところに今から向かうわけか」
「まぁ、そうだがよ、そんな危ないところに行くのに会長はともかく、なんでそこの女がついて行かなきゃ行けないんだ」
この時の言葉が恐怖で染まっていた舞夜の感情を怒りの物えと変えた。
「それはどういう意味でしょうか、私がか弱く見えていると?」
「あぁ、そうだよ。女があんな所に踏み込んじゃいけねぇ」
「その優しさは感謝致します。ですが平気です。むしろご自身の心配をなされてください」
「無駄口を叩くのはそこまでにしろ、着いたぞ」
「うわぁ、めっちゃ警備厳戒態勢じゃん。さすがにこれは骨が折れそう」
「どうする気だ千聖何か策はある..のか?」
凪紗は驚いていた、千聖の目が怒り狂っていることに
「舞夜、久々にあれ、やるか?」
「よ、よろしいのですか!!!」
舞夜の表情は喜びでキラキラしていた。
「あぁ、この大軍だ、一般人もいるようだが、共犯である限り死は問わない」
「了解いたしました」
「俺が舞夜に合わせよう。好きにやれ」
「はい、では参ります。」
舞夜は集団の上空に飛んだ、千聖は集団に突っ込んでいく。集団が気づく中
「黒咲流」
「白咲流」
「剣術 虚虎装 桜花十字紋」
集団の外を円を書くように取り囲み
十字のように切り裂いた全員が上空に飛び、落下した。
「舞夜は中の殲滅殺しても構わない
俺は助けに行く、江間達は監視と警察読んでくれ」
「おう、わかった任せろ」
そうして、舞夜廃校内に入っていた。
千聖とは言うと
「白咲流 抜刀術 孤月 止水扇華」
廃校全体を以前のように切っていき中の武装を全て解除戸惑ったテロリスト達に
「黒咲流 剣術 黒斬 刻悦斬翔」
背後から切り裂いた。
一方捕らえられている3人はと言うと
「あの、なんでテロリストと共存しているんですか」
愛美が臆することなく不良達に聞いた
「あぁ?んなもん関係ねぇだろてめぇらは、これから死ぬんだからよ」
「でもよぉ、死ぬ前にやる事やっとこうぜ、2人は身体物足りねえけど、1人は充分な感じだろ」
「そうだなぁ、それともこいつだけ取引やめた方が俺らのためだな」
そう言ってシアに手を挙げた時だった
捕らえられている3人の教室の窓から千聖が入ってきた。その拍子に1人の不良が吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。
「な、お前、、なんだよ」
「なんだはてめぇだ」
その一言に怖気付いた不良はこう聞いてきた。
「お前はこいつらの一体なんなんだ」
「(白咲流 拳闘術 月影 彗脚花葬)
俺たちは共に苦楽を共にする、大切な
『家族』だ」
翻弄するように教室内のありとあらゆる壁を駆け回り、空中で足蹴りを噛まして気絶させた。そして、腕を縦横に振ると
3人の拘束が解けた。
そして、、座っていたフランが立ち上がり
「チサ!!!」
抱きついてきた
「すまない、また怖い思いをさせてしまった」
「千聖様、こちらは終わりました」
「それじゃ、あとは警察に任せて、俺ら帰ろう。待たせて悪かった」
そうして、みんなで先に帰ったあといつも通りの生活を送り翌日凪紗がみんなに対して頭を下げていた
「昨日はすまなかった。君たちを危険な目にあわせてしまって」
「別にいいわよ、結果的に怪我無しでみんな生還した訳だから」
「それに会長に非がある訳でもないですし、頭上げてください」
「んー、だが、しかしなぁ」
凪紗が恐縮していると
「2人の言う通りだ、会長に一切の責任はない、今回は俺の落ち度だ。だから気に病まないでほしい」
「...千聖、ふふ、やはり私は君の普段の顔を見ると落ち着くなぁ、昨日放課後の君は怖かったがね」
「それに関してはすまない、怒りが頂点まで達していたものだから」
「羨ましいよ、君達のその関係が私もその輪の中に入れて欲しいところだ」
「...入りたければ、入ればいいじゃない。身を引くのは臆病もののやり方よもっと自分に甘えても良くないかしら」
「そう言って貰えるのは山々だが、っとそろそろ授業が始まってしまうな、また後で会おう」
そうして、凪紗は自分のクラスに戻って行った。
そして、数時間後昼休み職員室にて
千聖が
「美春先生」
「お、どうした千聖?」
「昼休憩中申し訳ございません。少しご相談が、」
「だったら談話室、行くぞ」
「それならパソコンも持って行って貰えますか」
「それはいいけど何すんだ?」
「それを今から説明します」
2人は談話室に移動して話を進める
「で、相談って」
「先生が今使っているパソコンは学園のですか?」
「あぁ、そうだけど?」
「少々拝見してもよろしいでしょうか?」
「ん、まぁ、ファイルとか開かなければ見ていいぞ」
「ありがとうございます。では拝借します」
そうして美春先生に渡されたパソコンを操作すると、千聖は険悪な表情になった
「先生もうひとつ。他の先生方も同じ学園のパソコンですか?」
「あぁ、原則として、教師はみんな同じパソコンだな」
「なるほど、まずいなぁ」
「おいおい何があった」
「先生、臨時の職員会議って開けますか」
「私じゃ出来ねぇ。教頭に言わねぇと、だが、その前に何があるのか説明しろ」
「...学園全てのパソコンがハッキングされている」
「!...わかった駆け寄って来るから待ってろ」
そう言った先生は談話室を直ぐに出ていき報告しに行った。その日の放課後。
会議室にて、
「これで今日集まれる人数は揃いましたね。では千聖君、何があったのか教えて下さい。」
「はい、昨日生徒会の手伝いをして欲しいと言われ、会長に書類作成を頼まれたのですが、その時使用していたパソコンが永久的にハッキング状態になっていました。なので、もしかしたらと思って、担任の美春先生のパソコンも確認したところ、同じハッキングがされていたので、このような職員会議を開いて頂きました」
「だが、それの何が問題なんだ?」
「問題は複数あります。学園の機密情報の漏洩。全生徒の個人情報の漏洩など、社会的問題もありますが、ハッキングしている相手がもし学園の生徒だった場合。テストの内容の漏洩なども上がります。」
「それは、本当ですか!?」
千聖の言葉に慌てふためく先生たち
「確証はございません何せ、ハッキング元が見つかっておらず。証拠も不十分です。ですが、これ以上ハッキングされないために、専用のパッチを作りました。ですが、少々問題があります。...この中で、来週に迫った中間テストの問題を作った。または作ってる人は挙手をお願いします。」
座ってる先生形のおよそ三分の一が手を挙げた。
「もし、テストの内容を作ってる最中の人は直ぐに作成をお願いします。テスト寸前まで、作っていないとなると相手にバレる可能性がある。テストを作ってない先生に関しては、全てこのパッチが偽のテストを作るようプログラムされています。こうすれば、炙り出せます。いいでしょうか、理事長先生」
「えぇ、構いませんよ。こちらのこれからの作業に害はないのでしょう?」
「えぇ、進路の活動に問題もありません」
「なら、了承します。そういうことですので先生方、よろしくお願いしますね」
緊急の職員会議は終わり、日の暮れる頃
教室に戻った千聖は
「姫宮!恵那!」
「千聖先輩?」
「千聖さん?」
「どうしたんですか、廊下走って」
「お前たち2人の力が必要だ。俺についてきてはくれないか!」
「千聖先輩のお力になれるのなら」
「私も同行します」
そうして、3人で千聖の教室にいくと
「まだ居たか、江間」
「おお、城ヶ崎今テスト勉強中だ」
稔海と勉強中の江間がいた
「突然ですまないが、江間の社長に電話繋がるか?時を争う事態が起きた」
「親父に?今から?」
「あぁ、頼む」
「おう、わかった....あ、親父、突然なんだけど会社に今から出向いていいか?
...うん..うん、あいよ。...いいってさ」
「じゃあ、すぐ向かうぞ」
「よっしぁ、稔海!またあしたな」
「うん、またあした」
カバンを持って江間の会社に向かう。
社長室
「突然の押しかけと時間を作って頂きありがとうございます。」
「...君は命の恩人だからね、このくらい致命傷にもならないさ、それで要件は」
「はい御社の営業部のパソコンを調べさせて頂きたいです」
「いいだろう、好きに見なさい」
社長室を後にし、営業部のオフィスに出向いて
「すみません、少々拝見してもよろしいでしょうか?」
「えぇ、いいですけど?」
「ありがとうございます」
直ぐに席をついて、パソコンをいじり始める
「やはり、ここもか!」
千聖は悔しい表情を浮かべて
「どういうことですか?」
「最近いや、数年前から営業部で出した提案書と似た商品が、他の会社から出されたことはありますか?」
「えぇ、何故かわかってたように先手を取られることはありました。」
「決定的だな。?...課長のパソコンを調べさせて頂きたいのですが、よろしいでしょう社長」
「あぁ、構わないよ」
「感謝致します」
先を移動して、今度は課長のパソコンを調べあげる。すると
「なるほどな。...今課長はどこに?」
「それなら、先程帰宅しましたよ」
社員のその言葉を聞いた瞬間、瞬間移動出消え数秒後、課長らしき人物が社員の前に叩きつけられた。
「さて、お前が内通者だな?」
千聖の言葉に社内含め社長も驚いた
「な、なんの事だ、私は何もやっていない」
「ち、やはり黙秘か。...姫宮、恵那。ここで2人の出番だ。姫宮は目でこいつの過去を見ろ。恵那は洗脳。できるな?」
「はい!」
「りょ了解です」
2人の目が光り輝き、愛美は課長の過去を見て、恵那は洗脳させた。そして
「あれ?なんで私のスマホに今見た過去の映像が??」
「予想通りだ。姫宮、お前の能力とそのスマホは共鳴している。能力で見た過去の光景がスマホに映像化される。連れて来て正解だった。」
「え!、えっとありがとうございます」
「じゃ、姫宮そのスマホ貸してくれ」
「あ、はい」
課長の拘束を解いても、ピクリとも動かず。課長のパソコンで、営業部全てのパソコンに映像を流した。みんなが注目して見た映像は、深夜、誰もいないオフィスに課長がデータを閲覧していた。
「これが、真相か、さて詳細を話せ」
「...俺は最初から裏切っていた。社内の情報を別の会社に送るためにな、資金を余分に送っていた」
スラスラと話していく課長。ちなみに洗脳のせい。
「証言は取れたな、あとは任せてもよろしいでしょうか?」
「ええ、毎度千聖くんには助けてもらってばかりですね」
「いえ、こちらも内通者を探していたので、お互い様です。では、」
そうして、3人はオフィスを後にした。
帰りの帰路でのこと。辺りは日が落ち切っていた。
「悪いな、遅くまで巻き込んで」
「いえ!む、むしろお力になれて良かったです。」
「私もです。ライブ以外で能力使ったことないので新鮮でした。」
「そう言って貰えると助かる。今後こういったこともあるだろうから、その時は頼む」
「はい!」
「ハーイ」
帰宅すると、みんながテスト勉強をしており。千聖達の帰宅を待っていた。そこから夕飯、風呂就寝となって。そんな日々が続き。中間テスト当日
「千聖、先月の賭け今なら降りても支障はないぞ」
「何を言ってる会長が弱腰でどうするつもりだ。それに1度発言したことを無下に俺はしない。言ったからには全力を尽くすまでだ。だから、会長も意地を結果で見せてくれ」
凪紗の前に拳を出してそういった
「君がその情熱的な目、やはり私の好みにあっている。いいだろう私の全力をこのテストに込めよう。」
廊下であった2人は拳を交わし自分達のクラスに戻る。初谷はと言うと。
「(フッフッフ、学園のパソコンをハッキングして、テストの内容は丸わかり、今回も学年1位になって、この僕が会長になって、この学園を支配するんだ。そうすれば、この悲劇も終わる)」
テスト用紙が渡され、開始の合図で生徒たち全員がペンを走らせていく。
そして、問題をみた初谷は震えていた
そうして、全4日のテスト期間が終わり休日を挟んだ。翌日のこと学園ではテスト終了後各クラスに学年全生徒分の順位が並べる風習がある。そのためAからG組の廊下の壁に全生徒分の順位が張り出されていた。千聖たちのA組の前には今まで見たことの無いくらいの人集りができていた。張り出された順位は1位が城ヶ崎千聖の名前の下に数字で千点と書かれており、2位が一之瀬凪紗の名前の下に数字で九百六十八点と書いてあった。
その結果をみた、初谷は
「これは何かの間違いだァ!!何故ここに僕の名前がないんだ!!それになんで僕が1位じゃないんだ」
「お前が点数低かったってことだろ。そんな怒声あげんなよ。皆迷惑だろ」
近くにいた江間がそう発言すると、近くにいた千聖に指を刺して
「お前、カンニングしただろ!!そうじゃなきゃ、各教科満点なんて取れるはずがない」
「それはお前だ。学園のパソコンにハッキングをして、テスト内容を閲覧し、暗記したのだろう?」
「はぁ、何を証拠に言ってる??」
「証拠は既にあるだろう?」
そう言って千聖は順位表に指を刺した
「はぁ、バカの考えはどういうことだが理解ができないなぁ」
「...なら、カンニングするようなやつに簡単に教えてやろう。...今まで学年1位の肩書きを背負ったやつが、今回の中間テストは最下位に落ちている。元の素行の悪さもあり。信用性はない、そして、学園側でパソコンにハッキングされているのが確認された。もちろんテスト内容を閲覧する時の場所もわかっている。その場所がお前の家だ。・・・お前は自室から学園のパソコンに侵入しテストの閲覧または流出を繰り返していた。学年1位はやりすぎだったな。大人しく生徒指導を受けろ」
その発言を受けて、初谷は腰が抜けたようにその場に座り込んだ、その後に生徒指導の先生が来て、生徒指導室に連れ込まれた。昼休み教室に凪紗がきて
「ありがとう千聖。君がまさか勉強もできる人だとは、やればできると言うやつかな」
「いいや、俺は会長の意地に乗っかったまであって今回限りの行いだ。俺は余り目立ちたくはないのでね」
「そうか、ではやはり私の隣にはたってくれないのだな」
凪紗は酷く落ち込んでいた
「その事なんだが、やはり俺のプライドが許してはくれないようで、会長が困っているのなら、前でも後ろでも俺は会長の傍に立とうと思っている」
「それは告白のつもりかい?」
にこやかに笑う
「いや、あいにくそう言ったことには疎いから期待しないで頂きたい。俺は言いたいのは、会長の望みに答えるということだ」
「フフ、そうか男に二言はないだろうね」
「あぁ、言っからには誠心誠意を込めるさ」
「では、宜しくて頼むよ。生徒会副会長くん」
こうして、千聖は生徒会に入ることになった。これからも忙しくなる毎日に学園では、何やらおぞましいことが起きることになるのだった。
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