第10話 再想

翌日の朝みんながリビングに降りてきて

千聖の変わった姿に驚きを隠せない

「え、えっとぉ千聖くんなんでそうなったの!?」

千聖の口にタオルが巻かれそれを食わえているため喋ることが出来ず目隠しをしているため何も見えていない状態の千聖はスマホ出して慣れた手つきで打っていく。栞のスマホに通知が入った

アプリを起動して、内容を見ると

『フランの側近の人にいわれた、声も目を見たくないということで、こうなった。』

「千聖くんそれうっすら見えてるの?」

栞の質問に対してスマホで言葉を送る

『いや、残念ながら何も見えん感覚で全てやっている』

「すご!ちなみに聞くけど、いつまでその状態が続くの?」

再び打っていき

『さぁ~な、側近の方が機嫌を治すまでか、フランがイセリア王国に帰国するまでかだな』

続々とリビングに人が集まると、舞夜とフランと愛美が同事に

「ちさ、どういう状況!!」

「千聖様どういう状況なのですか!!」

「千聖先輩なんでそんな状況に!!」

「仲良いんですね、羨ましい」

恵那がそういうと

『全くだ、...心配はいらない普段の私生活には問題はない。だから取ろうとするな』

「ちょ、ちょっと3人とも千聖くんが困ってるから大丈夫って言ってるからや、やめてあげよ、ね」

栞が質問したいつまでの質問を3人ともした。栞が結局代弁して、その場は収まったが、3人とも不服だった。しばらくしてシアがリビングに顔を出した瞬間3人がシアに対して怒りを露わにしてシアに問いただすと。

「フランが国に帰るってことになるんだったらあの男を解放してあげるから、さっさと帰りましょ、フラン」

そうして、フランはと言うと目隠しと口封じされてソファな座っていた千聖に抱きつき

「か・え・ら・な・い!!!私はちさの嫁になるから帰らない!」

フランの爆弾発言にシアを含めみんなが驚く。

「それでも帰らないといけないのなら

イセリアにちさも連れて帰る!!」

「だ、ダメです。フランさん。千聖様は私の婚約者です。渡せません」

「ちょっ、それを言うなら千聖先輩は私の彼氏なんですからね」

口を封じた状態でも、唸って何かを伝えたい千聖は栞に代弁を頼むためにスマホで送る。そして栞が代弁する

「えっとぉ、今は家族も同然だから嫁とか婚約者とか彼氏以上の関係性を持ってるって千聖君が...」

それを聞いた3人が顔を赤らめる

「もう、千聖様ったら喰えないこと言いますね。」

「また丸く収められた」

そして、シアの表情が暗くなり

「なんで、そこまでその男に加担する訳私の見ていなかった時間にフランに一体何があったのよ」

「正直に話すと、私の身体にあった能力者の呪いをちさは消してくれた。呪いが消えたから私の中の蟠り無くなったの。もう昔とは違うもう誰かの言いなりにもなりたくない私は私の行き方をするの。だからシアの言う事は聞けない」

フランの言葉に深くため息を付く

「じや、こうしましょう!!」

その時シアの目が輝きを放ち、障壁を展開した。

「昨日話したけど。私の障壁を破ったものはいないの。だからもし、その男がこの障壁を破けるなら、フランはここにいていいわ、けど逆に破れなければ大人しく私と一緒に帰国する、それでどう」

「うんわかった。ちさお願い」

「えっとぉ、別にそれは構わないが、この拘束を解かせてくれないかって言ってる。」

「え、まぁ、いいわ、それぐらい外していいわよ」

その言葉のあと口封じのタオルを取り目隠しを外した千聖は

「ふう、フランの想いも込めて、その賭け全身全霊を持って御相手しよう」

「えぇ、そうじゃなきゃ私もかけに出た意味が無いもの全力で来て」

シアの前に千聖が立ち、右手の周りに白い輝きが円を描く、バックステップで距離を取りそして、

「白咲流 拳闘術 太極拳 鎚覇躁霹掌」

縁を描いた輝きを握ったあと輝きがさらに増し、距離を詰め、障壁にグーパンを入れるとパリンパリンと割れるように破れた。シアは驚いて尻もちをつき、

ぶつかった時の障壁で部屋に衝撃が走る

「ほ、本当に破るなんて...わかったわ私が折れるあのフランがここまで肩入れすんだもの、バカバカしく思ってきたわ」

「!じゃ!」

「えぇ、契約期間まで...あぁ、忘れてたわ」

そういうシアが1枚の書類を出して

「これは、フランの世話係の契約書だけど、もう必要ないからここで破くわ。」

そう言ってビリビリに破いた。

「はい、これで最初の契約以上ここにいても、その男が捕まることはないわ...これでいいでしょう」

フランは嬉しそうに

「うん」

と答えて、この話は終わった。

「ただし、国に帰らない代わりに私もここに住む以上私のお願いを聞いてもらうわいいわね?...まぁ、お願いというのは、自室の部屋はいいのだけれど、お風呂の浴槽の狭さ、あれはどうにかならないわけ狭いと落ち着かないのだけれど」

家の事なので、千聖以外は何も言えず

沈黙していると

「浴槽を広くしようと計画はしているからもうしばらく待ってくれ」

「待ちきれないわ、すぐやって」

即答だった。

「...栞、お昼はまかせていいか?」

「あ、うんいいよ」

「悪いな、真白、栞の手伝いをしてあげてくれ」

「はい、わかりました」

「今から取り掛からないと、今晩に間に合いそうにないから、しばらく風呂場を塞ぐから何かあったら連絡してくれ、あとは家を頼んだ。じゃ作業に入る」

そうして、千聖は風呂場で作業を始めて夜まで出てこなかった。

お昼は栞が料理をして、真白が手伝いに入った。

「ありがとね、助かったよ真白ちゃん」

「あ、いえ、千聖お兄さんに言われたから手伝っただけで、私は何も」

「それでも助かったよ私1人じゃ出来なかったからさ。」

「あ、はいそれは、良かったです」

折れた真白はどこか恥ずかしそうだった

そして、みんなで栞の作ったご飯を食べて、午後はみんな自由時間になった。

みんなは自室に行くことなくリビングでのびのび生活している。

「ん~、割と皆さん千聖さんが居ないと静かなんですね。」

そう恵那が話を切り込むと。

「そりゃ、千聖先輩を狙っている私達はアピールするのに必死なので必然的に騒がしくなりますよ。」

「そのアピール対決私も参戦していいですかね?」

恵那が小悪魔のようにそう言うと

「ダメ」

「ダメです」

「だめに決まってます」

いつもの3人がまたハモった。

「ほんと、3人は息会うようになったよね」

「これこそ、千聖様に対する愛が出ているという証拠にもなりますから」

照れた後に他顔になって

「まぁ、こんなことを言っても千聖様は気づいてくれませんがね」

「それ、悲しいヤツ(´-ω-`;)」

みんながそれぞれ落ち込んでいると真白が、

「あ、あの、聞きたいことがあるですがいいですか」

「ふふそんなに恐縮しなくても大丈夫だよ。それで何かな」

「えっと、昨日のオッドアイ能力者の話で、千聖お兄さんだけ能力の話していないと思っていたので、それが気になって」

「あぁ、千聖様はご自身の話をあまりしませんからね。気になっても仕方がありません。私からで良ければお話しますがどうしますか?」

皆は口を揃えて、

「聞きたい」

と答えた。

「それでは、私の知っている限りのことを喋ります。千聖様の能力に関しては未知数なことがあって詳しくは千聖様本人もわかっておりません」

「それ、致命的じゃないかしら」

「そう仰られても、現実なのですよ。これまで確認されたのは、身体能力強化、

聴覚保護、能力者探知の3つは判明されていますが、他にもっと多数の能力があると見解されています。」

「身体能力強化は体育祭とかで見たので分かりますけど、他のふたつの詳細はなんなんですか?」

「聴覚保護に関しては、人の数千倍半径5キロ程までありとあらゆる音を聞き分けることが出来ます。なので以前屋上で話していたこと、実は教室にいた千聖様に聞かれていました。」

「へ!まじですか!!!」

「えぇ、はい。問いただしたところ能力を使ったと...能力者探知に関しましては、能力が1度覚醒したものに対して、どこにいるかがわかる能力です。あまり使ったことはありませんが、もしも私たちがどこかに出かけて、テロリストに襲われても、能力者探知で直ぐに千聖様は駆けつけて貰えますが、まず出かける時は千聖様も同伴ですから滅多に使いません。」

「へぇーなるほど、オッドアイ能力者って謎なことのほうが多いんですね」

「ええ、そうですね自分でもわからないことがありますから」

「え、えっと舞夜の黒い剣がちさが持った時白くなるのはなんで?」

「あぁ、あれですが、綺麗ですよね千聖様が持ったあとの剣は...色が変わるのは流派に関係があります。私が黒咲流、千聖様は白咲流の使い手です。私の剣が黒いのは黒咲流の使い手だからです。黒咲流の対となる白咲流の使い手の千聖様が私の剣を持った時。剣は変化し、白く輝く剣へと姿を変えます。それが真相です。他に聞きたいことはありますか?」

「じゃ、じゃあ、能力者の覚醒ってどんなことを機に覚醒するのかな?」

「う~ん、覚醒に関しては人それぞれなので、上手く言えませんが、私の場合絶望により覚醒しました。その後にすぐに暴走しましたけど」

「私の場合は母親の死体を見た時に発動しました。」

「私は初ライブの時に気づきました」

「えっとぉ、どうだったかしら、確かフランを守ろうとしてたら勝手に発動したわね」

「じゃ覚醒はみんなバラバラなんだ」

「そうなりますね。聞く限り感情的になった時に覚醒することの方が多いようですね」

「...感情的」

「1度覚醒すれば任意で発動可能になりますからあまり焦らずゆっくり覚醒の時を待ってください」

「うん、そうするよ焦ってもしょうがないだろうから」

そうして、夜まで女子達による団欒が夜まで続き、お風呂場にずっと作業していた千聖が何事もなかったように、リビングに戻ってきた。

「浴槽のリフォームが終わったからみんなで入ってきてくれ。その間夕飯を作るが、何かリクエストあるか?」

みんなが夕飯のリクエストを考えていると

「なら、おこがましいのはわかっているけど、アクアパッツァ作ってくれないかしら、昨日は食べられなかったから」

「あぁ、わかった、そのリクエストに答えよう。」

「じゃぁ、さっさとみんなではいっちゃいましょう。」

そう言ってみんなで風呂場に向かうと

「え、なんか脱衣場広くなった?」

「そうみたいですね、着替えやすいように、棚もいくつかありますし、浴槽の方は?」

橘が浴槽に繋がるドアを開けるとそこに

は・・・天井高さ4m、浴槽の広さが今までの比にならないくらい広くなっており部屋の両サイドにはシャワーを八代設置してあった。

「圧巻ฅ(º ロ º ฅ)」

「広くなりすぎじゃないですか!?」

「え、そうかしら、まだ狭いくらいなんだけど」

「価値観の差が激しい_:(´ω`」 ∠):_」

「見ていないで、早く脱ぎましょ」

そうしてみんな脱ぎはじめ、次々に浴槽に浸かって行く。

「ふぅ、こんなゆったりとしたお風呂まるで銭湯みたいですよね。おちついますぅ。」

「アハハ、のぼせないようにね」

そして、みんなの生身の身体をみて

愛美の視線が恵那の胸に行った

「どうしたんですか?愛美さんそんな羨ましそうにみて?」

「い、いえ、わかってましたけど直接見るにはやっぱりでかいなぁと思っただけです。」

「えへへありがとうございます。大きくしようと思って大きくなったわけじゃないですけどね!」

「その言い方は..腹が立ちますね」

「大きいと言ったら、シアさんも大きいですよねェ?」

「私もなりたくてこうなった訳じゃないわよ」

「それでもシアは大きくなりすぎ」

「そういうフランが未成熟すぎるのよ」

「でも、その代わりフランちゃんって肌白し綺麗だよね。」

「そりゃ、ずっと部屋に閉じこまれてたもの陽の光なんてそうそう浴びていないわ。その白さは羨ましいとは思うわよ」

「褒められてる気がしない。私じゃちさの気を引けない。」

「あぁ、それは出来ないと思いますよ

千聖様性欲ございませんから」

「確かに千聖、女子の身体見ても表情変えない(´-ω-`)」

「え、でも以前目を逸らしていたじゃない?」

「それは、優しさですよ。シアさんのように身体を見られたくない人もいますから千聖様の配慮です」

「それでも、なんで千聖先輩は表情1つ変えないですか?昨日舞夜先輩の裸見ても変わらなかったじゃないですか?」

「...千聖様は執事の仕事をやる関係上女性のお世話をするとなって、幼い頃から訓練されて、性欲を失いました。なので、胸の大きさとか大半の男性が持つような欲を千聖様は持っていません。それに、千聖様は誰に対しても一定の距離を取りますから、千聖様から私たちを襲うことはないのですよねぇ、願望を言うなら襲って欲しいところなのですが、絶対と言っていいほど迫ってきません」

「確かに、千聖先輩って私たちの話がちょうど終わったところで話しかけて来ますよね。てとこはあれ、偶然じゃないんですか」

「はい、見図って必要なことだけ質問します」

「ねぇ、なんであいつは私の障壁を敗れるくらいあんなに強いわけ?」

「あぁ、それ私も思いました。テロリスト達を鮮やかに殲滅してますよねぇ。」

「あれでも、チカラ抑えています。」

「え、全身全霊って言葉はなんだったのよ」

「あれは言葉文句かと、本気と思わせるための。もし言葉どおりやっていたらここら一体吹き飛んでしまいます。」

「やっぱり千聖くんって何かと気を使ってくれてるよね」

「えぇ、私たちに危害がないように守っていらっしゃいます。」

「...はい、気になったことを1つ(-ω-)

体育祭の時に倒れた千聖を男子みんなで起こそうとしても持ち上がらなかったのはなんで?(๑• . •๑)?」

「それは、千聖様日頃から全身に重りを付けているんです。それも120kg程の重りを」

「120!!!」

「一般男性2人分じゃないですか!?」

「はい、なので、総出でも持ち上がらないことの方が多いです。私も力はありませんので、ですか重りを外せば、確か40kgないはずです。」

「ガリガリ過ぎないかしら」

「仕方がありません、呪いのせいで食事できませんから。」

「....ねぇ、つ、つまりだよその重りをつけつつ体育祭の競技でMVP取れたってこと!?」

「はい、千聖様常に身体能力強化を発動させていますから平然としていますが重りをつけた当初は、歩くことをままならないくらいでした」

「???こう聞くと千聖先輩って何者なんですか?」

「...それは、時を待ってください。いつか千聖様から素性を話す時が来ますから....と、そろそろ上がった方がいいかもしれませんね、真白さんがのぼせそうなので、」

真白の顔が火照った感じになっていた

「!だ、大丈夫です、まだ平気です」

「痩せ我慢は良くないわよ、そうね上がりましょう。どうせあの男はもう準備できていそうだから」

「あ、少しお待ちください。この家に住む以上、千聖様をあの男とかいい、言い方はよしてください」

いつも通りの口調と笑顔だが笑っていなかった。シアは申し訳なさそうに

「...そう、よねわかったわ。千聖。そう呼べばいいのでしょう」

「それと、貴方からも名を名乗って置いてください。そうしないと、千聖様気を使う一方なので」

「...わかったわ言っておく」

そうして浴室を出て脱衣場で着替えを始めた。

「なんか、シア丸くなった?」

「ここに来て色々あったから心境が変わったんじゃないかな。...私達もそろそろ上がろう」

皆を着替えをして、再びリビングに戻ると、机とテーブルに既に料理が並んでいた。

「浴槽の温度はどうだった?」

「うーん、ちょっと熱かったかな、そのせいなのか真白ちゃんのぼせちゃってたし」

「やはりか、温度の調整まで手をつけれなかったからもしかしたらと思っていたが。悪い、明日までに調節して適切な温度にしておく」

「うん、でもあまり無茶しないようにね。それと、お風呂場に入るドアと別にあったドアは何?」

「あぁ、あれはサウナに繋がってる、まだつかえないがな」

「(サウナがあるお家てすごいなぁ)」

千聖の発言に呆気に取られる栞であった。

そうして、みんなで千聖の作ったアクアパッツァを食べて、食器洗いをしていると、

「ねぇ、千聖ちょっとお願いいいかしら?」

少し恥ずかしそうにそう言ってきた

「あの、昨日、舞夜にやってたやつやって欲しいのだけど?」

「?マッサージのことか?」

「えぇ、それよ、それともやってくれないのかしら?」

「いや、問題ない、準備するから待っていろ。」

そして昨日同様簡易ベッドを取り出し

「先に言っておくが、服は脱がなくていいからな。」

と振り向いた時服を脱ごうとするシアがいた

「え!でも昨日は脱いでいたじゃない」

「あれは舞夜に限ってのことだ。ほらここにうつ伏せになってくれ」

そうして、シアの肩背中足裏太ももとマッサージをしていき、10分後アラームがなり

「はい、今日はここまでだ」

「え、待って千聖のマッサージは気持ちいいんだものもっとやって欲しいわ」

「悪いがこれ以上はできない、これからやることが多いんだ。その代わりと言ってはなんだが。風呂上がりに毎日10分間だけマッサージをしよう、それで許して欲しい」

「・・・まぁ、わかったわそれで手を打ちましょう。」

「...ほんと、気持ちよさそうでしたね」

愛美がそういうとぼっとシアの顔が赤くなった。

「な!そんなわけないでしょ!」

「いえ、幸せそうでしたよ。ちょっと寝落ち仕掛けたでしょ。」

「えぇ、したわよ、悪い」

「すぐ素直になりますね。面白くないです。」

「このおんなぁ面白がってんじゃないわよ。」

「アハハ」

と、閑話休題

「ところで、あと1週間程で夏休みが終わる訳だが、皆課題はあらかた終わっているのだろうな?」

その千聖の言葉にみんなピク付く

「千聖様は何を仰っているのですが課題なんてあるわけないではありませんか」

そう言いつつ冷や汗をかいている舞夜

「お前がそういうことを言う時は、やってないな」

「う、はい、何一つ」

「千聖先輩、私もです」

「同じくฅ(º ロ º ฅ)」

舞夜、愛美、眠華は何一つ手をつけていなく

「数学をちょっとやったくらい」

フランはそう言い

「私は半分くらいかな」

「そう言った千聖さんは?」

「既に終わってる」

そう言った千聖に対して這いつくばって千聖の服に飛びかかり

「写させてฅ(º ロ º ฅ)」

「自分でやれ」

眠華の言葉に即答で返した

「その代わり教えてやるから、ちゃんと終わらせるぞ」

「ァィ(。・д・)ゞ」

「真白ちゃんはどう、ある程度終わってる?」

「えっと、あと夏休みの日記だけです」

真白の残ってる課題に対して、みんな揃って

「あぁ、それはシャーないのが残ってる」

そうして、みんなの近況報告会は幕を閉じ、翌日は課題をやる勉強会をやることになった。


翌日、リビングでみんなが頭を悩ませている中。

「いやぁ、高校生って感じですねぇ皆さん」

「今までアイドルやって人には言われたくないですね」

「たけど、二学期から2人も通うんだよね。学園に」

「えぇ、編入手続きは済ませているから二学期から通うわ、オッドアイ能力者を快く受け入れてくれるところなんて、あの学園くらいでしょ」

「そうだな、他だとテロリストの襲撃で廃校になる学校が大半だからな学園は廃校覚悟で俺たちを受け入れているだ。だから、その時がきた時は何とかしないとな。」

その時一瞬の暗い雰囲気がリビングに流れたが、あの後は何事もなく1週間がすぎた。

学校、教室にて

「ルーシア・ローレンよ、これからよろしくお願いするわ」

シアの自己紹介で始まった二学期。並びに愛美のクラスではアイドルを休止した恵那が自己紹介していた。

戻って千聖のクラスは

「江間...お前課題終わったんだろな」

「おう!何とか間に合ったぜ」

「なら、良かった」

「聞きたいこと聞いていいか?」

「別に構わないが」

「お前の席ちゃんと用意されてるし、あと制服に戻ってんのな」

「あぁ、そうかフランに執事をやめて欲しいと言われたので、今まで通りの学園生活にもどった。それだけだ、学園側にもこのことは伝えておいたんだ。」

「なるほどな、さっきのルーシアさんに関してもお前関係性持ってるだろ」

「ルーシアに関しては、フランの幼なじみと言うやつだそうだ。」

「つまり、間接的に関係性持ってるんじゃねぇか」

そう江間と話していると

「千聖さ~ん、休み時間なので来ちゃいました。」

千聖の後ろから首に腕を巻いてきた恵那

「どうだ、クラスはやって行けそうか?」

「それが、聞いてくださいよ。愛美さんと同じクラスに転入できたんです。割と奇跡ですよ奇跡。」

「そうか、それは良かったな」

「はい、嬉しいです。でも、本当だったら千聖さんのクラスが良かったです」

頬膨らませて不服そうに行ってきた

「仕方がないだろう、そう言った手続きをしたんだ、クラスで頑張りなさい」

冷静かつ沈着に会話するそれを見ていた江間

「え、!アイドル活動休止した八千代恵那か、あんた!!」

「はい、そうですよ」

「マジでかよ、って横で稔海が天に召されてる」

「...感激...」

稔海の魂が抜けていって直立不動になった

「おーい、稔海。正気に戻れぇ、目の前に推しがいるからって、一遍の悔いなしみたいなってんじゃねぇぞ。」

「あ、そろそろ授業始まっちゃうから行きますよ」

廊下でクラスにいた恵那に対して呼びにきた。

「はぁーい、じゃあ千聖さんまたあとで来ますね」

そう言って教室を後にして行った。

「夏休み中に何があった?」

「行ったライブで襲われてたから助けただけだ」

「え、そんなことになってたの!?」

襲われたと言うことを聞いて魂が戻った稔海

「あぁ、あの悲鳴でわかったが気づかなかったら最悪のことになっていた。」

「つまり、命の恩人って訳だ千聖は....ちょっと羨ましいな推しと一緒だなんて」

「助けた拍子に懐かれてしまったからなあまり離れてくれないのがたまにネックではある」

「ほんと、城ヶ崎って無意識に色んな人から好意持たれるよな。俺ら男子から見たら羨ましい限りだけどな」

「当たり前のことをしたまでなんだがな」

「それがすげぇんだよ」

千聖は江間の言葉に頭を悩ますのであった。その日の授業が全て終わり帰宅の準備をしていると、教室に見知らぬ女子生徒が入ってきた

「君が、城ヶ崎千聖くんだね」

千聖の机に腰をかけた女子生徒

「確かにそうだか、生徒会長さんが何の用だ?」

「君には是非生徒会に私直々に生徒会副会長に推薦しようと思っているのだが、どうだろう?私の隣に立ってゆく気はないかい。」

「俺は会長の隣に立てるほどの器じゃないから他を当たってくれ」

カバンを持ってみんなと帰宅する千聖

そして、1人会長こと一之瀬凪紗だけが教室に取り残させた。しかし凪紗は

「さあ~て、面白くなってきた。

どうしたら、彼は私の隣に立ってくれるだろうか。フフ」

不敵な笑みを浮かべていた

用事もあり、帰りが遅くなって、千聖と恵那の2人で帰路を歩いていると、前から猛スピードで高級車が突進してきた。

千聖が恵那を抱えてギリギリで避け、通り過ぎた車は急停車した。そして、運転者出てくると

「えなあァァァ、やっと見つけたぞ!!!やり直す!!やり直すんだ!!俺と一緒になぁ、」

怒号をあげる元恵那のマネージャー。それを見て恵那は再び恐怖に染まった

「恵那、俺の後ろにまわれ」

そう言って千聖は恵那を守るように仲介に入った。

「あの人、捕まったはずなのになんで!?」

「上手く抜け出せたのだろうな。まあ、また、引き戻すだけだが」

「ごちゃごちゃうるさい!!さっさと恵那を、よこせ!!」

「よこせと言われて、どうぞとでも言うと思っているのか?」

冷静にそう言い返すと、元マネージャーの怒りはあっという間に限界になって、車に戻りエンジンをかけて、発進してきた。

「もう!こうなったら!!何がなんでも奪ってやるぅ!」

千聖はその場から動くことなく、突進してきた車のボンネットを片手で掴み持ち上げた。ボンネットは凹、タイヤは空回りしている。

「千聖さん、すご!」

平然と落ちあげている千聖は、そのまま上空に投げ飛ばした。

そして、恵那を能力で家まで送り瞬間移動で警察所前に来ていた

「あぁー今日も終わりだ。ココ最近警備とか、捜査で大変だった~」

以前に勘違いで千聖を逮捕した新人警官が所から出てきたが、目の前に千聖が立つと驚いていた。

「お!ってあんたかよ。前回はまじで申し訳ございませんでした。あの後所長にも怒られて大変な目に会いました。ほんとに申し訳ございませんでした」

深く謝罪する新人

「いや、間違いは誰でもある事だ。それより中に漣は居るか?」

「えぇ、いますけど何かあったんですか」

「所を抜け出したやつが誘拐未遂しようとしていたものだから。連れてきた」

「連れて来たってどこに?」

新人がそういうと、空から先程投げ飛ばした車が降ってきて。それを千聖は片手で受け止めたが、衝撃で車は大破して、跡形がないほどとなった。気絶したマネージャーは運転席から落ちた。それを見た新人は

「あ、あ、ま、まじかよ」

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