第9話 自信

ここはとある事務所

「ちょっと社長、なんですかあの黒服の男は!」

八千代恵那の男性マネージャーが事務所の社長に問いただしていた。

「どうやら、犯罪予告が届いたとなって個人で契約したと、本人からは聞いている」

「なぜ、そのことを教えてくれなかったのですか!!」

「彼女自身が勝手に行ったことだ君が知らないのは当然だろ。とりあえず、彼は何も無ければ危害は加えないと昨日説明を受けたよ。それに、1番の売れっ子だ。問題を起こして、活動を辞めるなんて言われたら本末転倒。最悪倒産なんてことを有り得る。君は大人しく仕事を取ってくることだな。」

「(社長だからって、好き勝手言いやがって。こんな弱小事務所さっさと終わればいいんだ。)...わかりました。では失礼します。」

廊下を早足でその顔は怒りの表情が出ていた。

ライブ会場。控え室にて、

「おはようございます」

八千代恵那がグラサンスーツ姿の千聖に挨拶をした。

「おはようございます。昨日も言いましたが、過度な会話はお控えを、私はただ貴方をお守りするだけなのですから」

堅苦しい言葉に呆れたように

「えぇ~、そんな固い言葉で喋らないでくださいよ、それにここは控え室なので大丈夫ですよ。」

「万が一のことを考えてです。問題になっては、貴方の活動に支障を生みますから」

「ムウう、わかりました。とりあえず今日もよろしくお願いします!!」

今日は、会議室で打ち合わせをした。この時、男性マネージャーはどこか険悪だった。その後に会場でライブを行なった。前回のライブ同様、大勢の人で会場が埋め尽くされている。恵那の歌声が会場を包み込み。無事にライブが終了した。ステージ裏にて

「いやぁ、今回もいい感じだったよ恵那。」

さっきまでとは裏腹にニコニコの作り笑顔をしていた。そして、恵那の肩を強く握って、耳元に小声で

「勝手なことしやがって、後で控え室に来い。来なかったらある事ないことネットにぶちまけて、てめえの人生へし折ってやる!!」

そう脅迫した。

恵那は言われた通り控え室に向かった。

「よぉし、ちゃんと来たな。とりあえずここに座れ。早く!!」

回転椅子に座らされ。後ろ越しに、

「お前を拾って人気アイドルにしたのは俺なんだ、お前は俺の指示通り動けばいいのに、勝手な契約しやがって、犯罪予告だぁ、そんなちっぽけなことで要らんやつ連れてくんなよ!!」

恵那の髪を引っ張って、机に顔面を押しつぶす。

「お前は最終的には、俺のつてで出会った男たちの面倒になるんだ、哀れな自身は捨てて、さっさと男たちの道具になっちまえ。そうすればこんな苦痛はしなくていいだぞ、お前の背負ってるストレスも無くなる。理にかなってるじゃないか。そして、お前がそうなったら。事務所は崩壊、あのクズ社長もお陀仏。これで俺の復讐も叶うってわけだ。だからよぉ、恩返しだと思って俺の夢も叶えてくれや、俺がお前の夢を叶えたようによお!!...何か喋れや、それとも痛くて喋れないか、ハッハッハ!!」

押しつぶすされた状態で

「マネージャーの行為には感謝しているけど、それとこれとは別の話です。

私は誰かのものになる気も道具になる気を無い。私は私です。だから、貴方のその夢は捨てて!!」

「...あぁ!!最初は身体目当てで声をかけたって言うのに、性格がこれじゃ、いい成果は残せそうにないな!もういい、ここでお前が消えればいいんだ。そうすれば、事務所だけは崩壊させられる。だから、俺のための死んでくれ、えなぁァ!」

と、その時、どこからか、グラサン黒スーツの千聖が、マネージャーを蹴り飛ばした。壁に叩かれたマネージャーは直ぐに起き上がらなかった。

「八千代、こっちに!」

直ぐに恵那を抱き抱え、警戒をあげる。

「ハッハハ!こんなことしていいのか犯罪者として訴えてやる。今なら許してやるぞ、恵那が俺の言いなりになるって言うんだったらなぁ!!」

起き上がることは無いが意識はすぐ戻り、脅迫した。

「人というのはどこまでも欲に忠実というわけか...そんな奴に依頼主は渡さん...それに罪を囚われるのはお前の方だ。」

千聖は手に持ったボイスレコーダーを流した。そこには、先程の会話が全て録音されていた。そしてマネージャーは鼻笑いして

「は!そんなもの出したところで、言い訳はどうにでもなる。どうせ編集したんだろ。俺はちゃんとここの鍵をかけたからな」

「...もし、この部屋に最初からいたとしたら?そして、加えて言うのなら動画も撮っているんだが?」

今度はため息のように息を吐き

「はぁ、そんなことが出来るわけないだろ。ボディガードがイキってんじゃねえ」

引く気のない男性にグラサンを外し、両目を開眼する。

「お、お前まさか、オッドアイ能力者!んな馬鹿な。能力者だとしてもそんなことできるわけが無い」

男は恐怖で染まった。

「いい加減にしろ、証拠は充分に集まっている、言い逃れもできないだろう。証明人もいるのでな。」

そうして、千聖がスマホを取り出しそこには事務所の社長と電話が繋がれていた

「君には残念だ。優秀なマネージャーだと思っていたが、どうやら筋違いだったようだ。失望したよ。君はクビだ。」

社長の言葉に目をマン丸くして。

「はぁ!俺がどれだけ事務所に貢献したと思ってるんですか?今の事務所があるのは俺の功績のおかげでしょうが、それなのに、そんな簡単に優秀な俺がクビだふざけんな!!元はと言えば、何もしてないあんたがいつまでも社長の座にたってんのが許せないだよ。目障りなんだよ!!なのに!なのにイィ!!!」

目の前で怒り狂う男を見て冷静に

「本性を出したな」

「白咲流 拳闘術 束秡 止水相哉硝」

一瞬で、マネージャーを身体を細い糸のようなもので巻き付け拘束した。その後警察が来て、連行して言った。救急車も呼び、傷ついた恵那を運んで行った。


病院の病室にて

「いやぁー何も大事なくて良かったです。千聖さんが助けてくれたあとのことの記憶ないですけどね」

病室の服装でベットの上で笑顔でそう言った。

「今日は申し訳なかった。証拠を集めるとはいえ、怪我をさせる始末なってしまって申し訳ない」

千聖は深く礼をして、謝った。

「いいんです。いいんです。助けてもらったことには変わりないですからそれにこのくらいの怪我で収まってくれて良かったくらいですから、千聖さんがそこまで負う必要ないですよ。」

顔を上げて

「...そこまで言うのだったいいのだが、これで問題は解決出来だろうから、契約解消になるのだが?どうする?」

「え、犯罪予告の方は?」

首を傾げる恵那。

「それなら手を打ってある、危害が来ることはないから安心してくれていい」

恵那は

「なんというか、何から何まですみません。」

「...いいや、俺は契約内容をこなしただけだ、特別なことはしていない。...あまりこう言った話を持ちかけたくないが、これからどうする気だ?」

恵那は少し考えて

「ん~?このままアイドルを続けてもいいんですけど、夢にも見なかったアイドルの仕事があまりにも大変で疲れが溜まっちゃってるのでしばらく活動休止しようかと思ってます。まぁ、まだ社長には言ってないですけど。でも、正直社長に直談判する勇気ないんですよねぇ?」

千聖に媚びるように目をうるわして見つめてくる。

「わかった、直ぐに退院できるだろうから。社長のところに同行しよう。」

「はぁ~、千聖さんがいてくれると心強いです。ありがとうございます。」

病院を退院して、事務所の社長室に向かう。そして、事の一体を説明して

「そうか、わかった。仕方がないな。恵那君は意図して巻き込まれたのだからな、しっかり休みなさい。だが、これからはどうするんだい?」

社長の質問に対して

「通って来なかった学校にしばらく通おうかと思います、学校生活してみたかったので」

「うん、何時でも戻ってきていいからね。しかし、条件を提示しよう。...城ヶ崎君。君に八千代恵那の全てを任せたい。」

「それは、どう言った意味でしょうか?」

「恵那はアイドルになりたくてなったやけじゃない。あのマネージャーにスカウトされ、強制的になったんだ。なったらなったで、人気が出すぎてしまったがね。だがそれも無くなったし恵那は1回自由を知った方がいいと思うだ。ただ問題があるのは、衣食住できるところがないということ、活動休止中はこっちで部屋を貸すことができない。だから、君のところで生活させてあげられないかい?という意味だがどうだろう?」

千聖は少し迷ったあと

「構いませんが、こちらからも書類を1つ。こちらに印鑑を」

いつもの家族になる書類を渡した。

「わかった」

社長は印鑑を押して千聖に返した。

「それでは、活動再開まで、恵那の事はお任せ下さい。」

深くお辞儀をした後事務所を後にした。

「ん~はぁー」

身体を伸ばして脱力した恵那

「いやぁ、言ってみれば何とかなりました。しばらくお世話になります。千聖さん」

「あぁ、こちらこそよろしく頼む。」

「...あ!あの人にも報告しないと!」

「あの人?」

「私の曲を作ってくれてた人です。直接あったことはないんですけど、休止になったこと報告しないと行けないと思って...新曲の歌声がすごいんですよとにかく綺麗で密かに好きになってる自分もいます。電話番号今まで知らなかったんですけど、メールでやり取りしてたら教えてくれたので、今かけちゃいます。」

恵那はスマホを取り出して、電話をかける。すると千聖の着信音がなった。

直ぐに出る訳ではなく。2人の間に不思議な感覚が流れた。そっと千聖が電話に応じると、

「もしもし?」

恵那のスマホからも同じ言葉が聞こえた

「え?もしかしてJT様だったんですか!?」

「気づいてしまったか、あぁそうだ。俺が君に楽曲提供していたJTだ。」

その時恵那の表情が格段に輝き始めた。

「感激です!!去年から楽曲提供してもらって、音源もらった時の歌声が綺麗で、曲や歌から、絶対紳士な方だと思ってましたがまさかライブにも来ていたなんて、唯一私の洗脳の能力にかからない人だったからもしかしたらって思ってボディガードの契約しましたけど、その人があのJT様で、私の目の前にいるなんて、尊死しそうです!!」

千聖はちょっと引き気味に、

「そう感動するのはいいが死なれては困るな」

「えへへ、嬉しくてつい、とりあえずこれからお世話になります!」

そうして、帰路に付い千聖家リビングにて、

「まじで、目の前に超人気国民的美少女アイドルがいるどうして...ですか??」

突然の来客に戸惑う一同

「私アイドル活動休止が決定したんです。で、その間千聖さんのところでお世話になることになりました。そういう皆さんは、千聖さんとはどう言った関係なんですか???」

「家族だ。と言っても血の繋がりはないがな。」

「ほお、つまり私も今日からここの家族になると、そういうことならこれからよろしくお願いします!」

紹介が終わり、千聖が話を切り出す

「一段落着いた所でみんなに話しておきたいことがある。オッドアイ能力の事だ」

みんなが発言にキョトンとすると、

「舞夜」

「はい、わかりました」

そういうと、手から黒剣をだした舞夜

「私の能力は剣生成、身体のどこでも出せる能力です。他には千聖様遺伝させていただいた。身体能力強化があります。と言っても千聖様の劣化版ですが、このようにこの家に住む皆さんは何かしらの能力を持っています。ですが、覚醒まで至ってない人もいるし、能力の詳細がわからない人もいます。自分でわかっている人は今ここで言ってくれると助かります。」

皆がお互いに目を合わせていると

「じゃ、私言っちゃいます」

恵那が手をあけた。

「私の能力は歌声による洗脳です。洗脳に掛かった人は、ある程度の命令は聞いてくれるようになっちゃいます。ただ、何故か千聖さんには効果ないというかまず洗脳自体にかかってない?」

恵那が考えていると

「それに関しては後で説明しよう、かからないのは、わけがある。」

「は~いわかりました。」

そして、

「ねぇ、それって私も言った方がいいのかしら」

シアがリビングに現れ話に加わった。

「フランに帰る気がないのなら、私が見ていないといけないのその間ここに住み着くつまり、私もあなた達の家族って訳でしょ?」

「まぁ、そうなるが。」

シアは手を前にだし翡翠色をした層をだした。

「なら、私の能力は障壁、任意で発動できて消すことも出来るわ拡大縮小移動もなんのその。1度もこの障壁が破られたことは無いわね。私からは以上よ」

千聖は手を顎にかけ考えていた。

「あとは、こちらで判明しているのは、橘と姫宮の2人。フランと栞と真白に関してはまだ判明していない。」

そして、千聖はさらに語り出した

「姫宮に関しては、母親の死体を見た時、何か見えなかったか?」

「あ、えっと断片的ですけど、殺される直前の光景が見えました。」

「...千聖私は(๑• . •๑)?」

「橘の場合、体育祭のリレーで1度俺が発動させてしまった。身体能力強化それが橘の能力だが、睡眠障害がオッドアイ能力者の呪いだとしたら、それが覚醒の妨げいる。」

「?」

「これも話しておこう、オッドアイ能力者の一部には能力と逆に呪いがある場合がある。フランは人の名前がいえなかったし書けなかった。俺の場合は食事を摂取したら、能力が暴走を起こす。そして、もうひとつ特定の条件下で名前を言ったらその名前を言った際に対象者が能力の暴走を起こす。それが体育祭の時橘に起きた事象だ。」

「その条件かって?」

「...対象者が名前で呼んで欲しいと頼んだ後そう呼べば呪いは発動しないが、言ってこなかった場合は発動する。」

「あぁ、つまりその呪い意外と気を使うんだね。」

「まぁな。話は以上だ、夕飯にしよう昨日は煮込みハンバーグ作れなかったからな、待たせて悪いな真白今日はちゃんとリクエストに答える。」

「あ、はいお願いします」

真白は照れた感じてそう答えた。

そして、

「あ、私はいいわ、今日も出前頼んだから、あんたの料理したものなんて口にしたくない」

シアがバサッとそんな発言をする

「それは構わないが、出前だと、しかも今日もと言ったな。」

千聖の表情が少し険悪になった

「それが何か問題がある?別にいいでしょ頼んだって減るもんじゃないし」

他人事のようにそう言った。

「まずいな」

千聖が再び考えているとインターホンがなった。配達員が、

「あの、おと...お届けにまいり..ました」

その配達員の口調は怯えているようだった。

「舞夜、剣よこせ」

冷静に舞夜に手を差し出して、舞夜は黒剣を渡す。限界扉の前に歩く度に黒剣がパラパラと塗装の剥がれるようになり白い輝きが段々と広がっていく、ガチャンと開けると、配達員が飛び出してきて、咄嗟に千聖は避けると、銃を持ったテロリストが発砲してきた。その銃弾は千聖の顔面に放たれ、直前のところで真っ二つに切った。その時完全に黒剣は白剣と姿が変わった。そして、テロリストの手を剣の鞘で弾いて、みぞおち部分に蹴りで吹っ飛ばした。外に出ると、サブマシンガンを構えたテロリストが2人いた。

千聖が、剣を構えていると

「白咲流 剣術」

技を出そうとした時だった。夕焼けの明るさに黒い花びらが千聖の前を通った

「黒咲流 剣術 黒双 夜の帷」

2つの黒剣を持った舞夜がどこからか現れ、2人のテロリストを斬った。

「舞夜、(ここまで成長しているとは思っいたが以上な成果だな)」

千聖は驚いていた。

「あのぉー、そのぉー、だ、大丈夫ですかおふたりとも」

玄関先まで、心配して恵那が顔を出して来た。

「あぁ、大丈夫だ危ないからリビングで待っていろ」

この後、配達員に適切な対処をしてリビングに戻った。

「さあーて、私の頼んだアクアパッツァは問題はないわよね。...って、全部こぼれちゃってるじゃない、これは店側に連絡して取り替えて貰わないと行けないわね」

落ち込んだ後にスマホを取り出し操作して時だった。舞夜がシアに対して、足蹴りをした。その衝撃で吹っ飛んだ

その光景を見たみんなは呆気に取られている。

「ちょっと突然こんなことするなんて何考えてるのよ!」

咄嗟にシアの能力で衝撃を抑えた

舞夜はと言うと、髪が逆だち始め、両目が再び輝きだした。そして

「いい加減にしろ!!貴方のちっぽけな行動ひとつで周りの人達が巻き込まれることは考えないのか!危うく千聖様が貫かれる寸前だった。...人のましてや最愛の人の死を貴方は責任を持つことができるのか!!」

舞夜黒い輝きが増していく

「そ、それは...」

「金輪際、この家にオッドアイ能力者以外の一般人を呼ぶな!」

その時だった舞夜を中心にリビングが黒い花に染まった。

「(...これは!黒咲流の奥術!まずいなこのままだと...)」

舞夜の背後に八本の黒剣が現れ、両手に2本剣を持った。

左手を振り上げ、シアに振りかかろうとした時、千聖が強引に振り向かせ、口で舞夜の口を塞いだ。(みながみている前でキスをした)リビングに広かった黒い花たちが白に変わり散っていく。逆だった髪が降りると正気になった舞夜が

「皆様のいる前でこんな情熱的な接吻をするなんて、...千聖様大胆」

口を離してあと、感動で手で口を抑えた

「お前のあそこまでの暴走はこうでもしないと収まらなかっただろ?」

「はい、正直抱きつかれても収まらなかったかと、...嬉しいです。千聖様」

舞夜はこれまでないくらいの幸せな笑顔をした。その後の舞夜は嬉しさのあまり笑顔が収まらず、ソファで大人しく座っていた。キッチンで調理していると

「?千聖くん肩のところ服破けてる」

栞が千聖の来ている服の左肩が破れていることに気づいた

「ん?あ、さっき銃弾を斬った時にかすったのか。せっかく皆が選んで買った服なのに。まぁ、このくらいなら縫ってどうにかなるだろうから平気だ」

「....だったら縫うの私にやらせて、ちょっとでも千聖くんの負担無くしたいからさ」

「...ん~、まぁ、そういうことなら頼もうとしよう。時間が出来たらこの服を任せる」

「うん、任せて渡してくれればすぐ縫っちゃうから」

「あぁ、さて、そろそろ完成だな。栞皿を出してくれ」

「うん」

棚から何枚もの皿をだして、盛り付けていく、机とテーブルに人数分置いていって、シアの前にも置かれた

「え、いいの私の分まで?」

「いいんだよ、それにさっきの出前結局食べてないんだし何かしら口にしないと体調崩しちゃうから。」

「...だけど、これあの男が作ったやつなのよね、変なもの入ってるじゃないのかしら?」

シアは露骨に険悪な表情で料理をみる

「そんなことない!ちさはそんなことしない!」

「ぬぅー、フランがそんな感情的になるなんて、わかったわよ食べればいいでしょ」

そう言ったシアはナイフで切ったあとフォークで刺して口に運んだ。

「(な、なにこれ、一流のシェフよりもいいじゃない)ォ....まぁまぁね」

結局シアは完食した。

食後、千聖が破けた服を着替えて皆がお風呂に入ってる間のキッチンで栞と皿洗いをしていると

「お気に召したみたいで良かったね」

「...ん~いや、まだだ。胃袋を掴んだところで根本の関係は変わらない。友好的な関係を持ちたいところだが、どうしたものか」

「アハハ、相変わらずだね。でも直ぐに友好的にならなくていいじゃないかな。相手もそうそうに心開いてくれるって感じじゃないし、好機を待つしかないと私は思うな。焦ったら逆効果だろうし」

「そうもそうだな。なかなか困ったものだ」

そしてお風呂上がりに出てきた舞夜が

「あのぉー、千聖様、私からのお願い聞いて貰えますか?」

「....一段落ついているし問題はないがどうした?」

「久々にあれをして欲しいのです」

「あぁ、あれか。まぁいいだろう舞夜には色々と苦労かけているからな準備するから少し待ってくれ。」

テレビ横の小窓扉を開けそこから出したのは移動可能な簡易ベットだった。

「じゃここに寝てくれ。...って

服を脱ぐ必要性は無いと思うのだが」

振り向くと、着ていた和服を脱いで裸になった舞夜が立っていた

「良いではないですか、これくらい、私は千聖様に地肌をこれでもかとじっくり触って欲しいのです」

少しは恥ずかしがっているのか身体を隠しつつ表情はのぼせたようになっていた

「はぁ、そう言ったセリフ言う時間があるなら、さっさとベットに寝てくれ」

見ていられず頭を抑えた千聖

「毎日のように女性の裸を見ていたのに、恥ずかしがっているのですか」

「特に何も感情はない」

「そうですか、ならいいです、それでは...気持ちよくしてくださいね、千聖様」

ベットにうつ伏せに寝た舞夜の背中にタオルをかけて、千聖はマッサージを始めた。最初は気持ちよく寝ていた舞夜だが、時間が経つにつれ、舞夜は色気た表情で声を出すのを我慢していたが、最終的には色気た声が出ていた。

深く呼吸を繰り返す舞夜

「えへへ、最高ですぅ、千聖様ァ」

「うわぁ、見ているこっちが変な気分になりますねこれは」

愛美が我慢できなくなってそう口を動かした。

「はぁ、こういったことになるからあまりやりたくないのだけどな」

「えぇ~、でもとても気持ちよさそうでしたよ。今度私もやってください。」

「それは本気で言っているのか?恵那?」

「え、はい本気ですまじほんです」

「ん、んー、じゃ時間がある時にな」

その後も、フランと愛美からも迫られた

それを見ていたシアもどこかもどかしかった。

それから恵那が

「そういえば、さっき私の能力に千聖さんがかからないのはどうしてなのか教えてくれないんですか?」

「...その話か、オッドアイ能力者には能力の差があって、自分よりも相手の能力の差が大きいとかからない事がある。つまり恵那の洗脳にはまだ成長の課程があるということになる、おそらくここにいる全員を洗脳することはできないだろう。と言っても一般人達は見事にハマっていたからその能力は強力なものだ」

「ほうほう、とりまわかりました。ではもう疲労がすごいのでもう寝ますねおやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」

みんなが寝ようと自室に戻ろうとした時

千聖のスマホに着信音が届いた

「どうした?江間何かあったか?」

電話相手は江間だった

「城ヶ崎お前夏休みの課題終わってるか、終わってるんだったら教えてくれ、ついでに真夏も分も」

「悪い、忙して時間が取れそうにないから他を当たってくれ。」

「えぇ~、まじか、シャーねぇなわりぃそれだけなんだわ忙しい時に悪いなじゃ」

そう言って電話を切られた。

「ふぅ」

千聖がため息を着くと

「今の電話まさか女じゃないわよね」

「!、フランの側近の方何か用か?」

シアはこんな話を切り出した

「フランを早く帰国させるためにフランから身を引いてくれないかしら、貴方邪魔なのよ」

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