★side fiction/森山猫劇場 第49話
あのね、聡くん、私、いろいろ知ってるんだよ。
聡くんが初めて女の人を好きになったのは、私じゃなくてお母様だったことも。
その気持ちが忘れられないまま、19歳になっちゃったこと。
私のことを、すごく仲良しの幼なじみとか、親戚の子みたいにしか思ってなかった聡くん。
七歳の時、聡くんが遠いところに連れていかれちゃう夢をみたの。
連れて行かれたら、自分のお名前も、大好きなお母様のことも、きれいだった花火のことも、全部、忘れちゃうところ。
私は許せなかった。
私のことを、聡くんが忘れちゃうなんて。
だから、聡くんがずっと私のことを忘れないようにしてって、願ってしまったの。
聡くんが忘れないかわりに、私が全部忘れちゃうけど、それでもいいって。
だから、契約したの。
私をかわりに連れていって。聡くんを連れていかないでって。
聡くんはもうすぐ遠い国に聡くんのお父様とお母様と行ってしまうけど、大丈夫、また帰って来たら私たちに会いに来てくれるって、あの日、朝からお部屋にずっといて泣いていたら、お母様は私の頭を撫でてくれて、聡くんも手を握って。
聡くんのほうが私よりも大きな声を出して、行きたくないって泣き出しちゃったから、私はお母様のまねをして、聡くんの頭を撫でたりして。
あの……聡くんがキスしてくれなかったときに、いくじなしなんて言ったりして、ごめんなさい。
いくじなしなのは、私のほうだったんです。私はもうすぐ連れて行かれちゃうのがわかってたのに、キスしてくれるのを、待っていることしかできなかった。
聡くんはちゃんと約束を守って、会いに来てくれたのに。
聡くん、もし31日になって、また私が七歳の頃にもどってしまっても、今みたいに優しくして甘えさせてくれる日をくれますか?
んっ、ふっ……ちゅっ……んんんっ……ふあっ……はぁ、はぁ、はぁ……う……は、はずかし……んっ、ちゅっ……んんっ。
いっぱいキスしちゃって、二人で水遊びした時みたいに裸になってこんな恥ずかしいことしてる。
お母様は今夜はお仕事で明日の朝まで、お帰りになられないって。
えっ、知らなかったんですか?
もう、お母様ったら。
聡くんは、お母様がいつお戻りになるか気にしながら、私とこうしていたわけですね。
ねぇ、聡くん、もう一ついいこと教えてあげましょうか?
いいことは、いいことですよ~。
聡くん、お母様は今日は誰とお仕事に行かれたと思いますか?
柴崎教授とお仕事のあとは、お二人でディナーの予定らしいです。
お母様はお仕事があまりお好きではないのですが、お二人だと気分も少しちがって、なんだか遊びに行く子供みたいに、にこにこしてました。
えっ、お母様に、お友達ができたってことじゃないのですか?
聡くんは、なんでにやけているんですか?
あんっ、耳、くすぐったいですからぁ……んあっ!
まあ、お母様らしいと言えばらしいような……そんな気がしただけです。
驚かないのかって、お母様はお気に入りの人にはとても甘いところがありますよね。
ん~、聡くんもお母様のお気に入りだったんですよね?
あっ、ごめんなさい。
あの、聡くん……お母様と柴崎教授以外の人と、その……あっ、なんでもないです。
あっ、んあっ、先っぽをさわりながら、言いかけたことを聞くなんて、ずるいです。
あっ、あんっ、赤ちゃんみたいに吸ったり舐めたりしちゃ……あぅっ……へ、へんな声でちゃいますから……んっ、ああっ!
はぁ、はぁ、もう……お母様と柴崎教授以外に、こういうことした人はいるんですか?
なるほど……お母様と柴崎教授だけなんですね。
あの、聡くん、どうしたらいいかわからないんです。
あぅっ……ん……ダメですぅ、また先っぽをそんなにされたら……んっ……あぅっ……へんな感じになって……ふあぁっ。
えっ、聡くんの顔がすごく恥ずかしくて見れないですから。
ひゃっ、背中をつつって指で撫でられたら。
はいつくばって、クッション枕に顔をつけてたら、私の恥ずかしがる顔が見れないって……えっ、恥ずかしがってるほうが、なんか興奮するって……もう、聡くんったら。
あの……これでいいですか。
恥ずかしすぎるなら、目をぎゅって、閉じてればいいよって言われても。
腕で胸を隠しちゃダメって、腕をどけたら、また舐めたりするつもりなんでしょう?
んはっ……あぁん……聡くんが胸以外のところをあっちこっち撫でて……くすぐったいけど、ちょっとちがう……んっ……ああっ……ちゅっ……んんっ……んっ……ふぁ……はぁ、はぁ……キスしながら、ふとももとか、脇腹とか撫でられたら、ちゃんとキス続けられないですから。
聡くん、ぎゅってして下さい。
私の心臓がすごくドキドキしているのわかりますか?
私も、聡くんの心臓がドキドキしてるのがわかります。
はあ~っ、すごく落ち着きます。
聡くん、動いちゃダメですよ。
ぺろっ、ちゅっ……ぺろっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。
男の子も、本当にここ、気持ちいいんですね。
あっ、なんか、コリコリしてきました。ちゅっ、ぺろっぺろっぺろっ、ちゅーっ。
そんなに息がはぁはぁなっちゃうぐらい気持ちよかったですか?
あっ、ちょっと、いきなり抱きつたらびっくりしちゃいます……んあっ、だから、耳は……んっ!
もぅ、ふーっ、てしちゃ、くすぐった……いっ、あっ、耳まで真っ赤って、聡くんもですよ。
聡くん……はむっ……ぺろっ……ふーっ。ふふっ、びくって、聡くんも耳が気持ちいいんですね。
もっと、ぎゅって抱きついていいですよ。
聡くんの指って、私の指みたいにひょろっとしてなくて……もう少しさわってもいい?
私の指って、木の枝先みたいにポキッって細くて折れちゃいそうで頼りない感じでしょう、小指とか特に。
えっ、ちょっと、指を舐めちゃうの?
あっ、手のひら舐められると、ちょっと気持ちいいかも。
聡くんも手を出してみて。
ぺろぺろっぺろっぺろっ。
ふふっ。二人で犬になったみたいな感じです。ちょっと、頭をなでなでして下さい。
首とか鎖骨のあたりも気持ちいいんですね。言わなくてもわかるんですよ。息がちょっと、荒くなりますから。
あんっ、私はいいですから、ちょっと、あんっ、あっ、脇の下を舐めたら……ひゃん!
あっ、聡くん、足の小指をしゃぷっちゃダメ、えっ、指の間とか、舐められたことないから、あああっ……はぁんっ!
足の小指の爪が、ちっちゃくてかわいい?
そう……聡くん、他に私のかわいいところはどこですか?
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