★第58話 Beyond the time (メビウスの宇宙を越えて)
本宮勝己が、恋人に選んだ佳乃を自宅へ招き、自分の恋心や孤児であることを告白した。
藤田佳乃は、勝己の一人暮らしの部屋を訪れた時、すでに恋人として関係を結ぶことになる覚悟を持っていた。
自分の身の上の秘密や思いを、佳乃にだけ打ち明けてくれた。
そう思った瞬間、やっぱりこの人を好きになって良かったと佳乃は思った。
どうすれば勝己の恋を、佳乃が心から受け入れたいと思っているかを伝えられるかを考えた。
佳乃は父親の職業や家庭について勝己に話す前に、セックスしてしまったことだけは、気がかりだった。
今まで、佳乃と交際した人たちは、佳乃の父親の職業を知ると、佳乃との交際に対して、逃げ出すように敬遠した。
「あのね、キョウくんは自分のことを全部、打ち明けてくれた。だから、私もちゃんと話しておきたいことがあるの」
腕枕をしながら、勝己は佳乃の家庭の事情を聞き終えると、佳乃の予想とはちがい、佳乃の髪を撫で「ありがとう。話してくれて、うれしいよ」と笑顔で言った。
「あの……キョウくん、本当にあたしでいいの?」
「
「……うん」
「あと、今までつきあってきた人と僕はちがうから」
「うん……そうだよね!」
「そんな心配はいらないから」
仰向けでベッドで横たわる佳乃が、赤く恥ずかしさに火照った顔を両手で隠している。
勝己は佳乃の股の間に、顔を埋めている。勝己の視線はいま、佳乃の股間に集中している。
(佳乃ちゃん……下の毛が生えてないんだ。そういう手入れをしてるのかな)
「やっぱり、ちょっと明るくしてキョウくんに見られるなんて、恥ずかしいから……もぅ、ん!」
思わず、佳乃が脚を閉じ合わせようとする。しかし、勝己は息がかかるほど顔を近づけ、内腿を押さえて許さない。
「花みたいで、佳乃ちゃんのここは、きれいだよ」
「えっ、お花……ほんとうに?」
今まで言われたことのない事を佳乃は言われて、さらに息が当たるのがくすぐったさに似た快感があるので、ピクッと内腿がふるえてしまう。
「うん、きれいだよ、全部」
そう言うと勝己が、そっと佳乃の無毛の恥丘を指先でなぞる。
早くもなかに
佳乃の蜜の粘り気は低くて、さらさらと水のようだが、指先ですくって擦ったりすると、少し粘り気が出てくる。
ほんのりと、野草のような香りがする蜜。
「えっ、き、キョウくんっ、なめちゃ……んあっ……んっ……はぅぅっ」
佳乃の声が甘くうわずる。
不意に勝己に口をあてられ、柔らかな舌先で、舐め上げるように激しく愛撫されている。
(キョウくんに、恥ずかしいところ舐められちゃってるっ、こんなこと、されたことないのにっ)
ぴちゃぴちゃという水音が佳乃には卑猥に思えるのに、両手で顔を隠したまま、勝己の舌先のリズムに興奮してくる。
敏感な小粒を弾かれると何度も声を上げて、腰がゆれてしまう。
佳乃が息を乱して、目を閉じ、思わず顔を隠すのを止めている。
ただ眉をしかめたまま、あえぎながら、シーツをくしゃくしゃにするぐらいつかんでしまう。快感の波に身をまかせて、身をのけ反らす。
まだ佳乃は、吐息の乱れが落ち着いていない。勝己に頬を撫でられて、ぼんやりとした何も考えないまま、チュッと軽く唇を重ねられる。
唇をふれ合わせるだけのキスではなく、佳乃は勝己の口内に舌先をさし入れる。
こういう濃密な甘いキスもあると教えてあげたい。
勝己の舌先をとらえて、佳乃はねっとりと絡ませるようにする。
すると、目を閉じている勝己は舌先を佳乃を求めるように、だんだん大胆に絡ませてくる。
「……ふはっ……はぁ、はぁ……キョウくん……んんんっ……」
かぶさるように抱きつき濃密なキスをする勝己の唇や肌のぬくもりも、体の重さも、息づかいも、佳乃には愛しくてたまらない。
部屋の照明は、二人の表情が見えるギリギリの明るさに調整されている。
(もっと早く、キョウくんと出会って仲良しになりたかった。キョウくん、あたしが今までしちゃった人たちのこと、すっかり忘れちゃうぐらい、一緒に、気持ちよくなろうね)
勝己の息づかいが荒くなる。
ぶるっと佳乃の夢中で抱きしめる腕のなかで、勝己の全身がふるえる。
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