第31話 恋愛小説のように/1
天崎悠は
しかし、藤田佳乃は「キョウくん」こと本宮勝己にベタ惚れなので、恋愛対象外。
水原綾子は「コロさん」こと天崎悠が、なれなれしいぐらい自信に満ちた俺様な言動や態度で、本宮勝己や自分に接してくるところが、どうも気にくわないようだ。
藤田佳乃に対して、天崎悠の態度はどこか親しい後輩や妹的な雰囲気になりがちなのは、天真爛漫な藤田佳乃の人徳だと、泉美玲には思える。
いつも人前で、ごきげんな態度でいる笑顔の人のそばにいると、とても和んだ気持ちになる。
詩人サークルの「部長」で「キョウくん」と藤田佳乃から呼ばれている本宮勝己や、店長の村上さんは、とても落ち着いていて、おとなしい印象の人たちだと美玲は感じる。
泉美玲は藤田佳乃に、のんきな母親の理香に似た雰囲気も感じていた。
カフェ「ラパン・アジル」の店主の村上さんが落ち着いた雰囲気なのは、年齢や長く接客業をしてきて他人に気づかいができるからだと、美玲は考えて納得できるけれど、本宮勝己の持つ落ち着いた雰囲気の理由がよくわからない。
美玲は恋愛対象外の異性としてだが、本宮勝己に興味を持った。
村上さんにも若い頃があって、美玲が想像するよりも友情と恋愛にとても深刻に悩んでいた時期がある。
美玲がそれを知るのは、小説の下書きのようなものを書いた創作ノートを村上さんに読んでもらったあとで、まだ村上さんの過去について把握していない。
美玲は歳上の恋人だった同性愛者、正確には父親に暴行を受けてしまい、男性に対して強い嫌悪感を抱いていた渡辺瑞希以外と親しく接していなかった。
当時、美玲自身が、かわいそうな「瑞希さん」に惚れきっていたので、彼女以外の他人には興味がなかった。
美玲は中学から高校で、教師や同級生たちに避けられているものと思い込んでいる。
以前、制服姿で母親と一緒に俳句教室に参加した時に、凛とした顔立ちや華奢な体つきもふくめて美少女として、すでに美玲は目立っていたのだが、美玲本人はその自覚がない。
高校では、女子生徒たちはそれぞれ仲良しグループに分かれている。自分たちでなんとなく階級分けをしていて、自分の立場が悪くならない仲間とつきあうようにしている。
美玲は仲良しグループに入っていない。成績優秀で、口数も少なく、自分から目立とうとする
一目置かれ、女子生徒たちからひそかに羨望されている。別格扱いされている。
男性生徒が美玲に微笑されて話しかけられるようなことがあったとすれば、
「優等生」と美玲は生徒たちから呼ばれていて、生徒会長の山崎志織と同じぐらいの人気がある。
そんな美玲が、メイド喫茶さながらの服装でウエイトレスをしていることを知っている男性教師のなかには、カフェ「ラパン・アジル」に同僚の女性教師を誘ってわざわざ訪れる人までいる。
男性教師が一人で、美玲のアルバイト先にプライベートでちょっかいを出しに行ったと生徒たちや親たちの噂になれば、どんな目に合うかわかったものではない。
美玲以外にも学校へ申請を出して、アルバイトをしている生徒たちがいる。美玲の通う高校では、教師が定期的に見廻りすることになっている。
そんな美玲に、詩人サークルのメンバーで若き建築家の天崎悠は素っ気ない態度で接している。
高校の男性教師たちの、どこか媚びたような態度とはちがう。
本宮勝己も美玲に対して、媚びた態度で接したりしない。天崎悠ほど素っ気ない態度ではなく、また狼狽えたりもしない。
村上さん、天崎悠、本宮勝己。この三人の男性たちは、美玲の考えている大人の男性のイメージとは、かなりずれていた。
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
第1回カクヨム短歌・俳句コンテストの結果発表の日にこれを書いています。結果は、創作論を書いているのに、落選しました。
(ー_ー;)めげてないもん
というわけで反省?して、この作品の改善から始めてみます。
・長すぎて読みにくい
・教養部分だけで別作品にまとめたほうが良かったのでは?
・教養部分は、俳句の初心者にはわかりにくい
・というか、小説をちゃんと書かないなら読まないわ!
などの御意見、激励を参考にさせていただきます。
星★をつけていただけると、作者のモチベーションが上がります。
あと前回はネコについて書いてみたのですが、ネコと暮らしている人で、作者がネコと暮らしていない人のわりにちゃんと書けてると思ってくれた人がおられましたら星★や応援をお願いします。
(途中、更新されてなかったのは旅行してまして……さぼっていたわけではない……はず)
めげずにいろいろがんばります!ww
(* ´ ▽ ` *)ノ
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