もはや勉強会になっていない、、


俺たちは買い物を終え、家に着いた。

帰ってきて直ぐに俺は昼飯の準備を始めた。


ミートソースにジェノベーゼ、カルボナーラ。

パスタだけだとな、と買っておいたトマトとモッツァレラでカプレーゼもぱぱっと作る。


完成した物を机に運ぶ。

バジルやトマトの香りが広がり、食欲がそそられる。

その香りは、ゆうなとひなのにも届いていたようで2人は勉強を切りあげこちらへ寄ってきた。


「わぁ!美味しそう!ありがとうねひかり!」


眩しい。ただただ、可愛くて光り輝いてるように見える。

直視できるか怪しいほどに。

某ドラ○ンクエストに出てくるア○ーナかな?

と、まぁ世代では無い話をしてしまったが、そんなことよりも今はゆうなの可愛さについて語りたい。


「何してるの、早くそれ置いてよ」


ゆうなの笑顔を堪能する隙もなく、ひなのがツッコんできた。

俺はしょぼくれながら料理を全て運び席に着いた。


改めて見ると我ながら贅沢なものだ。


豪華な食事に大事な家族と恋人が一緒に食事をするというのだから。


「「「いただきます!」」」


俺達は手を合わせ食事を始めた。

各々が違う種類のパスタを手に取り口に運ぶ。

全員違うものを食べたはずなのに出てきた感想はただ1つ。


「「「うまい!」」」


煉○さんかな?

最近アニメとかにハマりだしたからそーいうネタを使いたいのだろう。

自分のことながら少し困惑している。



俺達はしばらく黙って飯を食べていた。

と言うのも、喋りながら飯を食べてたら勉強再開するのに2時間ぐらいかかってしまう。

それぐらい会話が盛り上がっていたのだ。


「このまま喋り続けてたら補習落ちるぞ」


その言葉で2人は肩をビクッと震わせ無言になった。

と、言う感じだ。


でも、ずっと黙ってるのもあれだと思った俺はひなのに質問をなげかけた。


「今年は長岡花火とか見に行くん?」


俺はいつもひなの2人で長岡花火とひゃんで花火という二つの花火を見に行くのだ。

しかし、今年はゆうながいるのだ。


ここでさりげなく誘えれば、いいのだろうと思ったのだが。


「3人で行こうよ」


ここで珍しく空気の読めるひなのの空気の読めない発言が飛び出した。

いつもならひなのは

「私、今年は友達と見に行こって誘われたから」

などと、俺たちを2人にしてくれるはずなのに!


ただ、ここで俺がひなのを拒絶したら色々とやばい状況になってしまう。


ここで俺に残された道はいいねそれという以外ないのである。


「3人で行っていいの?私邪魔にならない?」


「あぁ、全然大丈夫だよ」

ここはとりあえず、笑顔で乗り過ごして後で体調不良などを装ってひなのには悪いが休んでもらう!



そして、日が暮れた。

俺達は昼飯を取ったあと各自勉強を続け、分からない所を俺が教えながら課題などをしていた。


途中、ひなのが勉強飽きたなどと喚いたが俺が奴の口にホワイトチョコを突っ込み黙らした。


『ひなのの弱点①

ホワイトチョコには目がない』


そうして、今俺達は晩飯を食うために近くの焼肉屋を訪れていた。


「今日はありがとうねひかり」


眩しい。今焼肉で炎がたってるいるが、それに勝る圧倒的眩しさ。


永遠に眺めていたい。


だからそれは有限なもの。そもそもこの世に無限などないのだ。


だからこそ、俺は逃すことはなかった。

俺はスマホを掲げ、シャッターを長押しし、約50枚の家宝を手に入れた。


ただ、その代償にゆうなが恥ずかしいと頬を赤く膨らましてしまった。


しかし、これも俺は撮影。


正直幸せであった。

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