第8話「ソラ対デリーズ最後の戦い」

ソラに記憶と能力が伝わる。身体から、揺らめくオーラのようなものが立ち上る。


「よし、今度こそ。ミランダの一族を殺した。あいつを僕が仕留める!」


「いくぞ!アリス」


『了解!』


ソラとアリスはシンクロし始め、彼の身体が淡く光り始める。

卑劣なデリーズに対して、ソラの反撃が始まろうとしていた。

デリーズはそれを見てにやりと笑い。

「おっと、こちらには小娘が……」


次の瞬間には既にソラは、ミランダを守るように立ちふさがっており、

瞬間、疾風のごとく動き、デリーズは腹に一撃入れられた。


「おっ、ぐう!!」


デリーズの腹にソラのこぶしがめり込み、吐しゃ物を吐いた。

「うっ……!」

デリーズは、よろけながら二、三歩後ずさりする。

息を整えると腹を押さえて睨み、怒り心頭で顔を真っ赤にし、こう言った。


「ちくしょう……忌々いまいましいその目、体術まで年々、ゼルマンに似て来やがって!あの野郎を消せたと思ったら、今度は息子が俺の邪魔をするか!」


「お前が殺したのか?父さんを、父さんは盗賊に絡まれて殺されたって。アリスが」


ソラは拳を握って、わなわなと震えた。

「そうだ!奴は、俺の計画をことごとく狂わせた!貴様も、親父の所に送ってやらぁ――っ!!」

ソラは、飛びのきデリーズに銃弾を次々に撃った。


銃声が辺りに鳴り響く。デリーズは、走って避けるが避けきれず、右肩を負傷する。

デリーズもソラを撃つ、撃つ、撃つ!


ソラも駆けながら避け、応戦するが。左ももを撃たれた。

双方、撃ち合う。ソラがデリーズを追い詰め始める。


冷や汗を流して、焦りの色を見せるデリーズ。

そのうちデリーズの銃から、マイキーの声が聴こえてきた。

『デリーズ賊長!わしの体内には“フェアリー・ハート”が入ってやす!どうぞ、ご命令を。ソラを仕留めやしょう!!』


その言葉を聞いたデリーズは、にやりと不気味に笑った。


「そうか……フェアリー・ハートは、貴様が持っていたんだな?」


『えっ、賊長……?』


危険を察知したマイキーが、元に戻ろうとする。

戻りかけたマイキーの胸にナイフを突き立て、デリーズは一気に切り裂いた。

「!」

マイキーは真っ青になってだらんと、両腕をたらして、力なく膝をつく。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次回は、最終話になります。よろしくお願いいたします。

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