第7話「覚悟のミランダ」

「アリス……」

ソラがうつむきながら言う。

「僕は、人を殺したくない。怖いんだ。」

ミランダがアジトから走り出て来た。


「ソラ、あなたが出来ないなら、私が殺るわ!デリーズ、お前が私の家族、一族を無差別に殺したんだから!私にはもう、失う物なんて何もない。帰る場所さえも!」


「うああーー!」


ミランダは、隠し持っていたナイフを構えて、叫び声をあげながら、決死の覚悟でデリーズに向かって行った。

「ミランダ!」

デリーズは、にやりと笑いを浮かべ、弾丸をミランダに向かって二発撃った。


バシュン!バシュッ!


彼女の右側の髪が撃ち抜かれ、光にあたって、はらはらと煌めきながら舞い散った。

「片方では、格好が付かないだろう?俺は、女に優しいんだ」


バシュ、バシュン!


ミランダの綺麗な肩までの金髪は、デリーズの弾丸に撃ちぬかれ、短髪の姿になってしまった。

ミランダは、涙を溢れさせ真っ青になり、ガタガタと震えている。


「あんたねえ!女の子に何すんの!?髪は、女の命なんだから!」


アリスがいつもの姿なら、顔を真っ赤にして、怒号を響かせて怒っているだろう。

ソラは未だ、うなだれてぶるぶると震えている。


その姿をみて、アリスの怒りが頂点に達した。


「馬鹿ソラ!あれを見てもまだ……!」


言いかけた時、ソラは静かに口を開いた。


「アリス、僕のサポートをしてくれ。」

「え!?」


顔を再びあげたソラは、憤怒ふんぬの色に染まっていた。


「ソラ?」


アリスは背筋がゾクリとした。のんき者で優しいソラ。こんなソラをアリスは知らない。

「アリス、サポートを!」

ソラが強い口調で言った。


『は、はいっ!』

アリスはビクッと肩を震わすと、ソラにガンマンの記憶と能力を送った。

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