第6話「対峙」

ソラは砂交じりの生暖かい風に吹かれながら、砂賊団賊長、デリーズと対峙していた。

双方睨みあい、十分あまりは経つ。それでも、未だ相手の出方を伺い動かない。

シルバー・ハートから、アリスの声が聞こえる。


『大丈夫よ。ソラ!アタシが導くから思う存分、戦って』


暑さと精神的な緊張とで、ソラは汗を流しながら頷く。


オアシスの方に住む。蛇にコウモリの羽が生えた獣。

ナーガスバードがその甲高い鳴き声を上げた時、双方は一斉に相手を睨みながら、横に走り出した。

デリーズが次々と撃つ弾丸をソラはよけ、建物のかげに身を隠す。


だが、流れ弾に当った子分達は、バタバタと倒れて行く。


「くっ、子分がいても、お構いなしに撃ってきやがって……!」


ソラは、チッと舌打ちをすると嫌悪感を抱き、眉間にしわを寄せた。


『ソラ、早く応戦しないと。あの子まで、危なくなるわよ!』

アリスがソラを急かす。


「分かってるよ!」


ソラは、その瞬間に物陰から走り出した。

好都合とばかりにソラに近づきながら連続で、弾丸を撃ちだすテリーズ。


ソラは、素早い動きで弾をよけ、デリーズを撃つ。弾がデリーズの肩をかする。

血が滲むが、物ともせずデリーズは、執拗しつようにソラの心臓や後頭部を狙ってくる。


しかし、ソラはその優しい性格が災いして、急所を外して攻撃しており。

決定打に欠けていた。情を持つ者と非情な者、決定的な弱点で追い詰められていく。


例え、アリスの“ガンマンの記憶”とソラの身体能力があっても。このままでは、ソラは殺されてしまうだろう。

アリスは、覚悟をしてキッとソラを睨むと、こう叱りつけた。


『しっかりしなさい!ここで、あいつを仕留めなきゃ。ミランダだって、町の人達だって殺されてしまうわよ!』


🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛

あと、3話で完結です。

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