第42話 摺上原の戦い
奥州連合軍は摺上原に布陣し羽津勢を待ち受けることにした。
親衛隊長の六郷虎恭が
「連合軍は摺上原に集まっているそうです、誘いにのりますか?」
「摺上原か、まあよかろう、進路を摺上原に向けろ」
「はは」
摺上原の戦いと言えば伊達政宗が奥州の覇者になった戦いだったよね、それでは私も奥州の覇者を目指して連合軍を打ち破るとしますか。
「鶴翼だ」
「数で負けていますが」
「遊兵をつくりたくはない」
「なるほど、畏まりました」
「さて、勝負だ」
戦の立ち上がりはゆっくりした者だったので火縄を一斉射し、状況を動かします。
敵が慌てて前進を始めました、接敵するまでに三射ほ撃ち敵と接敵です、接敵当初は互角に戦えていましたが、数の差に負けてじりじりと押されていきます。
「殿、乗り崩しはしないのですか?」
「敵も鶴翼で散っているからな、乗り崩しをしても包囲殲滅されるぞ」
「どうしますか?」
「うむ、じりじりと後退をせよ」
「は」
倍の兵力は流石に厳しいな、まあ、負ける気はしないが。
「どこまで後退するのですか?」
「敵がまとまるまでだ」
「なるほど、後退しているのは敵とまとめるためなのですね」
「そういうことだ、む、好機だ全軍一斉射だ! 全軍一気に突撃をするぞ、突撃だ、乗り崩しをせよ」
我々を追いかけて鶴翼が崩れ、集合しているだけの状態に導いたことによって、乗り崩しが刺さりやすくなっていました。
「敵の大将首を狙え、雑魚は放っておけ!」
我々の乗り崩しによって、敵は一気に混乱状態におちいった、その隙を逃さずに敵陣に突っ込みます。
「殿前に出すぎです」
「何度も言うが、それならそなたらが私の前を走れ」
「やむを得んか、親衛隊殿の前にいけ!」
乗り崩しで敵を崩していくのを見ていくと態勢を立て直している部隊がいくつか見えました。
「乗り崩し終わりだ、一旦引き陣を立て直すぞ」
「このまま崩さないのですか?」
「すでに態勢を立て直している部隊がある、乗り崩しで疲れ切った部隊で当たりたくない」
「分かりました、全軍引け!」
そのころ伊達成宗の陣
「あのまま攻めぬか」
「流石は常勝無敗ですね」
「あの乘り崩しの死傷者は三万程かそれより討たれた将の数が問題です」
「儂一人で十七万を操れないぞ」
「どうしますか?」
「戦うしかあるまい」
「しかし将だけを綺麗に狙ってきますね」
「八徳だろうな」
「厄介な相手です」
「うむ」
「上手く立て直したのは伊達成宗か」
「十七万はまだ残っております」
「数は問題ではないな」
「そうですな将をかなりの数討ち取っておりますので楽に戦えるかと」
「今日はこれまでだ、夜襲は無いと思うが警戒をして明日にそなえよ」
「はは」
翌日になり再び鶴翼の陣にして敵と向かい合います、敵も鶴翼の陣出来ているため昨日と始めは昨日と同じ展開でしたが、悲しいかな将が足りていない為隙だらけになっています。
「秀元を突撃させよ」
「はは」
「景兼を一旦下げて突撃してきた敵を包囲せよ」
「は」
「将がいないから敵が脆いな」
「殿の采配によるのでは?」
「昨日は苦戦していただろう?」
「あれは苦戦というのでしょうか」
「私からすると苦戦だ、そこだ、孝吉に突撃させろ」
「何をしてもすぐに潰されるな」
「先の先をとられていますね」
「これでは勝ち目がない」
「はい」
「降伏だ」
「領地半減くらいさせられそうですが」
「領地半減なら構わん」
「分かりました、行ってまいります」
「殿、伊達家から降伏の使者が参りました」
「意外と早いな」
「勝てないと悟ったのでしょう」
「まあいい、会おう」
「伊達家の小梁川宗常と申します」
「羽津忠孝だ」
「これ以上の戦いは不可能と思い降伏を受け入れていただきたく願います」
「よかろう伊達については七割の領地を認めよう」
「ありがたく」
「同時に降伏する国人達も同じ領地を認める、降伏をしない者は踏みつぶしてくれよう」
「畏まりました」
これにて奥州征服終了になりますが蝦夷地が残っているので行きたいですがこれから冬になるので雪が解けてから蝦夷地制圧に行きたいと思います、越中勢も解散させ、本隊は江戸に戻ってから解散させました。
江戸に戻ってから再び執務と桜を愛でる日々に戻りました。
「次はどうするのだ?」
「雪が解けたら蝦夷地を制圧します」
「原住民もか?」
「むろんです、その後は蝦夷地の北にある樺太という島を制圧し千島列島と呼ばれる島々を制して春の戦は終わりですね」
「春ということは秋も戦をするのだな?」
「秋は四国と中国に攻め込むことにする」
「もうすぐ天下が定まるか、そろそろ朝廷とも話しておく必要はあるのでは?」
「途中で津によって飛鳥井を呼び出しますよ」
「ふむ、考えているならいいだろう」
「忠盛」
「は」
「奥州と羽州から石川城まで出て竜飛崎まで繋がる馬車軌道を作るにはどれくらいの時間が掛かる」
「竜飛崎は港としては向きませぬ青森辺りを利用してはいかがでしょう」
「ふむ、ではそれでいこう、どれくらい時間が掛かる?」
「何分冬場は動けませんからね二年は見ていただきたいと思います」
「まあ自然には勝てんか」
正月を迎え十四歳になりました、桜は三つ下なので十一歳です、ちなみに私の側室にさせようと石黒智安が入れてる娘の十四歳になります。
これはそろそろ色々なことに覚悟を決めるべき時が迫っているとみるべきですね。
ちなみに桜の前に女性を抱くことについて聞いてみると、自分の為に我慢させてしまって申し訳ない、と謝られてしまった。つくづく未来人の知識と違うものだなと思いました。
その日の夜に石黒の娘千を呼び無茶苦茶にしてやった、童貞でこんなに我慢できるか! と叫びたくなるぐらいに無茶無茶にした、反省はしてない。
この日から女中であった千は正式に側室の地位を得た、石黒智安がほくそ笑んでいるのが目に見えてイラっとする。
「そろそろ雪解けだ、北方制圧に向かう」
「しかし道中はまだ雪も残っておりますし、雪が消えた場所もぬかるんでおりますぞ」
「何を公家のようなことを、第一誰が陸からいくといった?」
「海からいくのか」
「蠣崎を倒すにはどのみち海を越えねばなりませんからね」
「ガレオン船一隻で乗せれる兵は三百といったところだぞ、すくないのではないか?」
「二十隻使います」
「だからあんなにガレオン船が停泊しているのか」
「親衛隊と鉄砲隊、後は足軽隊を連れて行きます」
「八徳はつれていかんのか」
「八徳も入れると兵糧や飼葉が足りなくなりますので、今後の海外出兵の演習も視野に入れております」
「まあそこまで考えているならいいが、海と陸は大分違うと聞く気を付けることだな」
っと言われたのを思い出しつつ船につかまりつつキラキラとしたものを吐くのが止まりません。
「常勝不敗の殿も船にはかなわないようですな」
「うるさい、話しかけるな、また出る」
「大きい船は揺れがちいさいはずなんですがね」
この失礼極まりないのが私の旗艦の艦長を務めるのが奉公衆の一人で古井吉宗、歯に衣着せぬ物言いが気に入り艦長に抜擢した。
「少し慣れて来たな、食事を」
「吐かないで下さいよ」
「無理やりにでも詰め込む」
「お見事な決心で」
「今どの辺だ」
「三陸沖を抜けたところですね」
「やはり船は早いな陸路ならまだ宇都宮にも到着していないだろう」
「船が早いというよりはガレオン船とフリゲート艦がはやいのですよ、しかし旗艦の名前が桜号とはよくお付けなさいましたな、これでは我らも下手に傷つけることができませんよ」
「やりすぎかの?」
「この前石黒殿が千号はまだかのとぼやいておりました」
それから二日ほど経って蠣崎家の徳山館が見えてきた。
「のう吉宗」
「はは」
「ガレオン戦の砲撃届くのではないか」
「もう少し近づけば届くかもしれません」
「しかしこれ以上近づけば流石に蠣崎の水軍が黙ってはいないとは思いますが」
「宇須岸の河野か、あれくらいは我がフリゲート艦でなんとかなろう、このまま前進して徳山館を廃墟へと変えてやれ」
流石は戦闘艦陸で使ったのとは比べもにならない数をすさまじい威力で吹き飛ばしていっている。
もういいかなって思って止めようとしたころには徳山館は無くなっていました。
蝦夷地支配の拠点に使おうと思っていましたが、部下が張り切り過ぎて更地になっていました、ウェブ小説だとこんな感じのタイトルかね。
「やりすぎ」
「某も途中で止めようとしたのですが部下たちが余りに生き生きとしていましたので止めるにとめれず」
「何でそんなことになっているのだ?」
「殿の責任もございます」
「ほう、行ってみよ」
「この船は殿の旗艦です、故に殿のいる場所に基本的にいます、つまり訓練だけは人一倍しているのですが、実戦経験がなかったので、止まらなかったのです」
「まあよい、たまには私も旗艦を使うとしよう」
「幸いにも茂別館は残っておりますので、そこで指揮をとられてはどうかと」
「こっからは陸軍の仕事だがそなた等にも働いてもらうアイヌの居留地近くに停泊しアイヌに当てぬように砲撃をせよ」
「砲艦外交というやつですな」
「うむ、それと同時に我らは陸を進む」
「まだまだ雪が残っているようですが、雪中行軍の演習だと思えばいいだけだ」
「大介と虎恭を呼べ」
『お呼びと聞きまして参りました』
「うむ、よく覚えておけ、この軍は親衛隊と鉄砲足軽以外は普通の足軽しかいない」
「それは存じておりますが」
「分かっていない!」
「なにがでしょうか?」
「軍の指揮を取れるのが私を含めて三人しかいないということだ」
「確かに言われれば」
「味方を楯にしても構わん、その方らは必ず無傷で今回の遠征を終わらなければならないのだ」
「畏まりました」
蝦夷地征服を短期間でやるつもりですが、上手くいくのでしょうか、多分うまく行きます。
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