気弱な悪魔と少女たちが奏でる、切ない愛の物語

人間対悪魔、昔から闘うことが多いですが、最近は悪魔が必ずしも悪ではない、といった物語が増えていて、悪魔にも人と同じような心があったりします。
この作品も、そんな一つかと。

魔界から追われた主人公の悪魔は、彼を狙っていた少女と一緒に、この世界へ転送されてきて、そこで薄幸の少女と出逢います。
最初は気弱で人間に対して不信感をもっていた主人公は、二人ですごすなにげない日常の中で、いつしか少女に心を許し、お互いがなくてはならない存在になります。

もう一人の魔界から来た少女も、目立たないけれど夢に燃える少年と出逢って一緒にいるうちに、自分の中にある熱いものに気づきます。

彼らがこれからどうなっていくのか、目が離せません。

過去にあった悲しい事実や厳しい運命、それに登場人物の想いが丁寧に描かれていて、それでも悲しいだけじゃなくて明るい、とても綺麗な世界観をもった作品です。
これからまだまだ続いていって、読み手の涙腺を緩くしてくれると思います。

是非、おススメしたい一作です。

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