第22話

「あー!おにーちゃん!」


「げ、尚巳?なにしてんだよ」


ピアスで驚いてたところ、バカな妹に見つかってしまった。


「わぁー彼女と帰るんだね!こんにちはー真矢ちゃん」


「あ、名前覚えてくれたんだね。ありがとう」


「もっちろん!お兄ちゃんの彼女なんていたことないんだからすーぐ覚えたよ!」


余計なこと言いやがる。尚巳は俺と一つしか年齢変わんないのに、なんでこんな幼稚なんだ。


「なんでこの時間にいるんだよ」


「のんちゃんとこ行ってー帰るとこ」


「あっそ」


「モデルの話とかしたよ。おにーちゃんも好きな仕事したらいいのにー!うちの仕事はおじーちゃんになってからしたら?」


「は?前から言われてただろ?俺が跡取りだって」


「でもおにーちゃん頭いいからなんでもできるのに」


「簡単に言うな」


「辰巳、そろそろ帰るね?」


「真矢ちゃんごめんね!あ、そーだ!お父さんにさぁ、弟欲しいって言おうよ。そーすればおにーちゃんじゃなくていいからね」


「ばっか!何考えてんだよ!無理!」


「無理なの?」


「まじでお前の頭の中小学生レベル」


「だって小学生だもーん」


「はぁ…」


真矢いなくなってる。

バカな妹がバカな話なんかしたから、どん引きされたって!


「おにーちゃん、聞いてるの?」


「デートの邪魔すんな!」


学校では余計な話できねーんだよ!

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