第18話

「柴田くん、真矢ちゃんとなんで付き合うの?理由は?」


「え、なに」


昼休み、真矢とどこかへ行っていたが稲賀さんが俺のとこへ。そして、威圧的。

真矢はどこへ?

恐ろしいから、側にいた男子は散った。


「答えて」


「好きだから?」


「本当に?真矢ちゃんはその意味わかってる?柴田くん、真矢ちゃんのこと知らないのに」


「どういう意味?」


「なにも知らないのに付き合うの?」


「え?」


「明美ちゃーん。先生から解放されたー」


真矢は元気良く教室に帰ってきた。


「真矢ちゃん、また屋上行こう」


俺から遠ざけたいのか?

放課後、また補習だからやっと一緒にいられる。


「稲賀さん、相当真矢のこと好きだよね。なんか怒ってるし」


「そうかな?」


「そうだよ。今日店番は?」


「ないよ?」


「じゃあうちおいでよ」


「いーの?」


「うるさい親父がいるけどね」


「辰巳積極的すぎだしー」

「花田さん、男子には気をつけて!」


「うるさいし」


さて、終わったし…俺んちへ。


「誰、そのちんちくりん」


「こんにちは、花田です」


あーうざい。父親らしさのかけらもないし、なにその言い方。


「彼女だし」


「え、まじで?超~うけるし」


「辰巳のお兄ちゃん?なの?」


「いや、うるさい親父だよ」


「え!すごい若いですね!」


「そりゃどーも。で、なに?うちに何の用なわけー?」


「真矢は蛇とかたくさんいても平気?」


「ペットだっけ?大丈夫だよ?」


「おーい!まじか!お前名前なんなの?」


「真矢ですけど?」


「おっしゃ、真矢。お前こっちこいよ!珍しいもん見してやるぜ!」


「お前言うなよ」


「辰巳、お前早く照明」


くそー。だから嫌だったんだ。絡みたくなかったけど、うちに来たらこれは必ずやる。一度終わればもうないし、あとは遊びに来やすくなるかな。


「わー!なにこれ!店?」


「驚いたか?店だよ、お嬢さん」


ちんちくりん言ったくせに。


「へぇ、見たことないやつだ。これは毒ありそー」


「あるある!でも、最高なフォルムだろ?珍しいだろ?」


しゃべりまくりだし。勝手にどんどん紹介していく。


「ここは仕事部屋!基地のようだろー?」


「おー、時計いっぱい!」


「時差があるからなー?でー俺のデスクここで、こっちは俺の親父」


「ん?お嬢ちゃんは誰かな?」


「こいつ、辰巳の彼女だし」


「ほー。辰巳はもてるなぁ」


マイペースなおじいちゃん。延々としゃべる父。


「ねぇ、もう説明いいから。真矢行こう」


「辰巳、お前慌てるなよーなんだよやきもちとかー?うけるしー?」


「違うから。真矢こっち」


部屋から連れ出す。


「いやぁ、辰巳の家すごいでかいね」


「そうでもないよ」


リビングを通らないと、俺の部屋のある二階には行けない。めんどくせー。


「あら、辰巳?おかえり…あら?どなたかしら?」


「彼女だよ。こっちはおばあちゃん」


「えー!そうなの?お母さんかと思ったー!あ、花田です」


「あらまぁ、かわいい」


「で、あっちにいるのが妹の尚巳なおみ


「えーなにー?」


小学生のくせに、なんなんだその態度は。入ってきたらすぐ挨拶しろ!


「ほら、辰巳の彼女ですって!」


「えー?お兄ちゃんがー?うそー!ありえなーい!」


「それどういう意味だよ」


「妹さんかわいいね」


「きゃー!嬉しい!私ね、モデル事務所にスカウトされたんだよ?かわいいから?やだーどーしよー」


勝手に真矢の手を取る。まじやめろ。


「うるさいから無視していいよ?」


手を無理やりはずす。


「え、でも」


「部屋行こう」


よし、これで後は普通に遊びに来てもらってもうるさくされないな。

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