第14話

「おはよー!明美ちゃん!」


「真矢ちゃん!?」


うざそう。だから、手を離した。


「今さっきまで柴田くんといた?」


「うん、一緒に来た」


「なんで?」


「なんでかな?」


稲賀さんは俺をじろじろ見る。怖いから、自分の席へ。この人が先生に言ったのかもしれないけど…犯人探しなんて嫌いだしもういいや。


「おはよー辰巳。親に叱られたし。山田のやろう!」


「俺もだし。電話するなって話だ」


「で、さっきまで花田委員長といたよな?」


「まぁ、一緒に来たし」


「付き合ってる?」


「なんか微妙。わかってるかな?」


「辰巳、…告ったのか?」


「え、うん」


「…すごいな。頑張れ?」


微妙に応援された。

数学の授業では、班で話し合いがある。それは稲賀さんと一緒。まじ気まずい。でも、俺なにもしてないし。堂々としてればいい。


「この法則は?」

「うーん、この解き方で…」


ほぼ金井が説明してるところ…


「こっちがいいと思う」


「そうだね、稲賀さん。さすが~」


金井の説明の最後のいいとこどりな稲賀さん。そして俺を見てる?さすがと言えってか?

面倒な授業終了後には、補習だ。なんで一週間もさせるか?


「補習とかやってられねー。塾遅れる」


「塾あると大変だな」


金井は塾大好き人間だと思うが。


「今日の補習、山田先生じゃない先生らしいよ?」


「人任せだな」


噂とおり、違う女の先生だった。山田は帰ったのかよ。


「はい、補習はじめます。今日は、1人ずつ英文を読んでもらいましょう。板書いらない補習しますよ。はい、柴田くんから」


楽勝だし!さっさと終わらせて真矢と帰りたいなー


「うわ、辰巳さすが」

「柴田くんかっこいい!」


「…まぁ、柴田くん英語得意なのね。素晴らしい」


先生に素直に褒められた。


「え、はい」


なんだか照れるな。


「次は花田さん」


「はい」


普通に話すかのような、そんな話し方。いつもと変わらない。


「花田さん、留学でもしてた?」


「え、帰国子女ですけど」


「まじ?すげー」

「やるぅー!」


さすが真矢だ!素早く補習も終わった。


「真矢、家行ってもいい?」


「店番だよー」


「いいよ、店にいてもいい?」


「いいけど?」


やったー!

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