第12話
「明美ちゃん、放課後居残りになった」
真矢ちゃんは他の人より遅れて帰ってきた。
でも、さっきの人たちみたいにグダグダ言ってない。
「そうなんだ、でもしょうがないね」
「うん、反省する」
さすが真矢ちゃん。偉すぎる。
…その後柴田は遅れて入ってきた。そして、真矢ちゃんのことを柴田が見てる気がする。罪悪感?
「真矢ちゃん、綾くんは最近元気?」
「え?お兄ちゃん?普通かな」
「学校忙しいのかな?」
「わかんない。遊んでるかも!だってバントデビューできてないしね」
綾くん情報、少なすぎ。私が直接会えたらいいけど、そういうときに練習とか言う。
私も塾の時間も長くなったし。綾くん元気なの?
「そうなんだね。…綾くんは卒業だし、授業も減ってるのかな?」
「知らないよ?」
真矢ちゃんは仲良いのか悪いのかわからない。
「そっか」
「でもお兄ちゃん、もうあんまり勉強してないかも。大学行かないしね」
「綾くん、音楽で頑張るんだもんね。すごいと思う」
「そうかな?お兄ちゃん楽したいんじゃないのかな」
真矢ちゃんは綾くんの歌声すら知らないんだね。私はちゃんと聞いたもん。
もう授業のチャイムが鳴った。昼休み終了。
席に戻る途中、柴田に見られた気がした。
この人なんなの?真矢ちゃんを見すぎだから。
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