第6話

冬休みになり、俺はまたボランティアに参加することに。夏休み明けも、ボランティアはたまにしてたけど、泊まりがけのはあまりない。

冬は寒いから、ログハウス。去年は受験だから行かなかったけど、今年は平気。真矢は参加するのか?しないのか?聞けないまま、当日になった。


「辰巳くん、来てくれてありがとう。助かる」


またスタッフ一緒か。


「あ、あの…花田、真矢は?」


「ごめんね~僕ちゃーん。くじらでしたぁー」


どこからともなく現れた男。

三つ編みの、そう、こいつが真矢の父だよ。


「久しぶりだなー?お前男らしくなってきたんじゃないのかー?なのに不満な顔したな?お前、真矢と学校一緒なんだろ?」


「クラス一緒だけど…」


全然話してないけど。


「そーなの?ふーん?」


「で、真矢は?」


「店番させてるよ?」


店…なんか前くじらが言ってた。アジア雑貨とかなんとか。


「お前真矢としゃべりたいなら店行けよ。暇だしさ」


「は?」


「名刺に地図書いてあるし、な?」


謎の名刺を渡された。


「辰巳くん、ここはいいから行っておいでよ?」


「え?」


なんでボランティア来てるのに、スタッフにこんなこと言われてるんだ?


「ほらーさっさと行けよな?真矢に会いたいんだろ?」


なんで?俺が?


「お土産にこれやるよ。真矢ちゃんのお菓子。返しといて」


は?なにこれ。

わからないけど、ビニールの袋を渡された。

仕方なく、それを持って名刺の地図を頼りに店に向かうことにした。

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