第2話

それからの毎日は、大変だった。

自分より高貴な血筋の転生幼女。なんとか家に遊びにいくと言う約束を取り入れ、娘の言動に悩んでいた親に近づき相談にのりながら、親友というポジョンをゲットし、二人で勉強をするという約束で週に2度会うようにした。

そして今日は勉強会の日だ。

「リリィちゃん!」

「こんにちお姉ちゃん」

「こんにちわ、リリィちゃん。はいこれお菓子だよ」

「ありがとう」

「じゃあ行こうか?」

「うん」

二人は手を繋いで歩き出した。まず向かう場所は図書室である。

図書室に着くと本棚に向かい合うように座る。

「リリィちゃん、字読めるようになったんだね」

「うん、お母さんと一緒に練習したよ」

「お母さんに日本のことはナイショにできてるかな?」 

「大丈夫!そのことをいったら夢から覚めなくなっちゃうんでしょ」

「そうだね、二人の約束ね」

あの日から、そう言って彼女が前世のことを話さないようにしている。

彼女が周りから変な目で見られないように…「ねぇ、お姉ちゃん」

「ん?どうしたの?」

「お姉ちゃんはお仕事何をしていたの?」

「そっかぁー私は看護師さん、大きな病院で働いていたよ」「へぇーそうなんだ」

(あれっ!?なんか反応薄くないか?)

「リリィちゃんは何になりたかったの?」

「えっとね、私はお嫁さんだよ」

「おおぉ!!」

思わず声が出てしまった。

「お姉ちゃんはどんな人と結婚したの」「えっ、結婚してないよ」

推し活に夢中な、独身まっしぐらでしたから(苦笑)

「ふぅーん」何か言いたげな表情をしている。

「仕事でいっぱいいっぱいで何もなかったよ」

「そうなんだ、でも大人って大変なんでしょう」

「そうだね、いろいろあるけど楽しいことの方が多いよ」

「いいなぁー」

「あっ、もうこんな時間だ、今日はここまでだね」               

勉強という名目のおしゃべりの時間はおしまい

「うん」

帰り道、いつものように手を繋ぎ歩く二人

「また来週遊ぼうね」

「うん、バイバーイ」

笑顔で手を振り別れていく。

彼女の笑顔を見ながら転生幼女の保護者(自称)になった私は転生幼女のために頑張ろうと改めて誓った。

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転生幼女はお転婆(脇役転生令嬢は見守ります) @seiryuu5963

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