転生幼女はお転婆(脇役転生令嬢は見守ります)
@seiryuu5963
第1話
それは偶然だった。
同じお茶会に誘われた子どもが放った一言が私の耳に届いた。
「私コーラが欲しかったな」
(こおら?紅茶の種類か何かかしら)
不思議とその単語が気になった。
(あの子どもは確か)
子どもの顔をこっそり覗き見ると、かわいいくりっとした二重の目にサラサラの金髪、それを2つに結んでいるピンクのリボンがまた似合っている。
「かわいい」
(あっ)思わず声が出てしまった。
「なになに」
そんな、私の独り言に食い付いたのは幼馴染の‘’メイ‘’、家同士が仲が良くかれこれ10年以上の付き合いになる。(ちなみにメイはスタイル抜群で黒髪のきれいな美少女である。)
「あー、あの子ね。最近噂のリリィ嬢」
「うわさ?」
メイが私の耳に口をよせコソコソと話すには、
「ちょっと前まではわがままだったのなのに、病気にかかってから、変な子にチェンジしたらしい」
「変?」
「変な事を喋ったり、変な事をしたり、よく知らないけど」
「ふーん」
「でも良いところのお嬢様だから誰も言えないけど」
「そうなんだ」
(じゃあ、私と違う立場の人か〜)
気にはなるが、私みたいに下位貴族には縁がないな
と、その時は思っていた。
(あれ)
トイレに行く途中見つけてしまった。
窓に身を乗り出して、何かを見ていたリリィ嬢がいた。
そばに行くと「よし」との掛け声とともに窓から飛び降りようとしていた。
「ちょっ」
慌てて止めようとドレスを引っ張った。
そしてその勢いで二人とも廊下端に
転がった。
「どうしてそんなことをしたんですか
!」
思わず怒鳴ってしまったが、仕方がない。 (ここは2階、落ちたら大怪我をしてしまう!)
「だれもいないから大丈夫だと思ったのに」
リリィ嬢は私の怒りはなんのその、ケロッと言った。
「なかなか夢から覚めないから、空を飛んだら覚めるかなと思ったのに」
その言葉に、メイの変わってると言う話を思い出した。
「夢?」
「そうなの、だってお姫様になってきれいな服を着れたのは楽しいけど…」
「テレビもスマホも無いし、ケーキも大好きなコーラも!みっちゃんもいないし」
「飽きたの!!」
(あれ、てれび…すまほ…私知っている)
見たことも聞いたこともないのに、知っている気がしている。
そして気がついた、日本という国に住んでいたことを
ーー
「…………」
「…………」
話を聞いていくとこの子も同じ転生者みたいだが、私は40歳までの記憶がある。でもこの子は小学生(1年生?)くらいまでの記憶で転生している。
でも自分が転生者ということがわかっていない!彼女はここは夢の中と信じている。
守らないと、その瞬間一人の脇役令嬢が転生幼女令嬢の保護者(自称)となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます