第7話 ハッハッハ!我の偉大さがわかったか

「危ない!」

ブレスを封じられた――厳密には爽やかな風のブレスを放つようになったのだが――ドラゴンは、高く舞い上がると、急降下してきた!間一髪のところで攻撃をかわすありすたち。

「おのれ人間どもめ……!」

苛立ちをあらわにするドラゴン。

「ドラゴンさん、落ち着いてください!」

うさぎは必死にドラゴンに話しかけるが、聞く耳を持たない。


♪詐欺を働く 人間どもよ

クァ クァ クァ クァ

カエルになっちまえ!♪


ドラゴンの魔法の詠唱。魔力の光がドラゴンの周囲に集まり、うさぎに向かって放たれた。光がうさぎを包み込むと、次の瞬間、うさぎの姿がカエルに変わっていた!――カエルだけに――

「ケロケロケロ」

「うさぎ?!」

驚くメンバーたち。カエルになったうさぎはケロケロと鳴きながら辺りを飛び跳ねている。

「ハッハッハ!バカめ!」

ドラゴンの高笑いが岩山にこだまする。

「これはヤバイかもー?」

チェシャも危機感を感じているようだ。そうこうするうちに、ドラゴンの次の詠唱がはじまった。

「魔法で対抗するよ!」

ひなたも詠唱して魔法防御の結界を張る。

「ケロケロケロ」

しかし、ドラゴンの魔法の行く先はチェシャだった。チェシャも一瞬でカエルに変えられてしまった。ドラゴンの詠唱は続く。一人また一人とカエルに変えられていくメンバーたちとテコ。最後に残ったのは、ありすだった。

「降参!降参!あなたの勝ちよ!」

「ハッハッハ!我の偉大さがわかったか」

「はい。身に染みて」

ドラゴンはありすたちに勝ったことで、だいぶ機嫌が良くなっていた。

「ところでドラゴンさん。わたしたちが差し上げたもの、きちんと見てくれませんか?本当にこの世界にはない、とても珍しいものなんですよ」

「なんだと?」

そう言うとドラゴンは、ありすたちにもらったピックの山に目を向けた。

「ほほう。なるほど。たしかにこんな材質のものは見たことがない。珍しいもののようだな」

「そうなんですよ。魔法をかけたのは、より良い状態でお渡ししたかったからで、決してドラゴンさんを騙そうとしたわけではないんです!」

「ふむ。そうか」

「どうかこれで、ドワーフの国への攻撃をやめてもらえませんか?」

「まぁよかろう」

「やった!ありがとうございます!」

こうして、ドラゴンの許しを得たありすたちはドワーフの国へ戻りました。

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