第一章 第四話
四話 『非日常を塗り替える』
とりあえず『スライムに報告』っと。
ぼろくなってほぼ使えない短剣を草刈り用に使った。…短剣、使わなかったな。
「あ、そうだ。名前聞いてませんでしたね。名前は何ですか?私は『クリム・ルーシィドゥ』です。」
「…『ティアー・スノー』。」
スノーさん、か。きれいな名前だ。
無駄話をしている間に、視界が開けて今さっき見た大木と手を振っているスライメを見つけた。
スノーさんは、スライメたちを敵だと思って怯えているようだ。
「大丈夫です。不安にならなくても。」
「…ありがとうございます。」
んん…会話が途切れ途切れになるな。仲良くなれる気がしない。
「案外早いお帰りね。」
「敵が弱くて…。」
「…でも少しお疲れかしら。『
少し治った。が、まだちょっと疲れている。即時回復では疲れまでは取れないのか。
「それで…その女の子は?」
「あ…私は『ティアー・スノー』です。」
「スノーちゃんっていうのね?」
それから仲間になるまでの経緯を話した。
「じゃあ、私がその子に色々教えるわ!ドリームさんはゆっくりしていてね。」
ティアさんはノリノリで訓練を始めた。
これでポーションの支給は約束できた、上々だ。
「すみません。遅くなりました。」
様子が…スライメさんの方が疲れてる?
「すごい…。私が訓練されちゃった。」
「いえ。ヒールなどを教えていただきましたよ。」
なんか仲良くなってるな。そして、スノーさんも元気が出てきている様だ。
「さて。旅を再開しましょう。」
まずはギルドハウスで…
いや。まどろっこしい。
次の村に行って話を聞こう。国王にも会ってみたいな。
初めの村に帰ってきた。しかしこの村にはあまり思い入れがない。
悲しい初恋と、悲しい家族があっただけだ。
村長に一言言ってからそのまま村を後にした。
[娯楽の町 トランプ]
…おかしい。
もとは楽しい町だったはずだ。
いつも祭りが開かれているような…。
いまは…静けさに満ちている。
町人を捕まえて話を聞くと、
「国王が変わってしまった。」
とだけ言って、姿を消してしまった。
…まずは国王が先だ。
その後、オーバーディオをつぶそう。
「まず、スキルの確認をしましょうか。」
今、スキルチェッカーという道具を買った。
スキルチェッカーはその名の通り、今所持しているスキルを確認できる代物だ。
(主人公の残金 2000θ|(1θ=約10円))
スキルチェッカーは500θもした。
貯金をしていたのに。
でも、これで強くなれるならいいだろう。
「スキルチェッカーキドウ。
スキャン完了。
(クリム・ルーシィドゥさん
使用型スキル:反撃、斬撃、破撃、周囲確認、炎属性付与、飛行
持続系スキル:身体能力向上、成長性、皮膚硬化
セットスキル:なし
武器スキル :刀剣三級 刀剣特殊二級
内容:階級三級の刀剣の召喚並びに使用。
ティアー・スノーさん
使用型スキル:氷結破撃、氷属性付与、氷守護者召喚、瞬間非致死性凍結、回復
持続系スキル:体力上昇、行動制限
セットスキル:なし
武器スキル :瞬間適応(オールアベレージ)
内容:すべての武器を平均的に扱える)」
…なるほど。分らん。
「スノーさんは、スキル分かりましたか?」
スノーさんは頷き、
「敬語やめようよ。この後大変だよ?」
と、急に距離を近づけて、苦笑いしながらそう言われた。
「はいはい。わかったよ。」
俺も、ぎこちないから打ち解けたいなとは思っていた。
「適応能力すご。」
そう言って二人で笑った。
これが日常になりますように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます