第十七話「警察幹部」

 モニターに映る国家公安委員会、委員長は米軍が負けたと聞かされたらしい。俺はその様子を見て警察力では止められない。蹂躙されると瞬時に理解する。おそらく会議室の全員が同意見のはずだ。それは当初、米軍が展開してるし後始末だけで済むだろ。よしよし自衛隊なんかに頼らないぞ。警察の威信にかけて事態を収拾してやるぞ。と息巻いていた群馬県警本部長の顔を猛り立つから顔面蒼白に変えた。俺はすぐさま投入した機動隊や警察官に退避しろと命令を送ったが、時すでに遅し、全滅していた。日本政府は警察に「がんばれ自衛隊の治安維持について協議するからそれまで耐えて」とバカなことを言ってきたが、こちらが猛烈に拒絶した結果、仕方なく自衛隊のグレーな災害派遣を決断する。


 モニターに映る対策本部では政府に助言できる立場にある陸上幕僚長が自衛隊の投入は時期早々だと総理に助言している。モンスターと呼ばれているあれはバケモノが操っている元人間の死体? もしくは生きている人間? のどちらか分からない状況の今、自衛隊はモンスターを撃てない。生きている人間だった場合、国民を撃った、ことになってしまう。研究機関が死体と断言してからではないと無下に隊員の生命もしくは人生を失わせる。一番やってはならないことをやらせる。ことになる。と警告したが、みなかみ町で封じ込めないと東京に来ると専門家から聞かされていた政府は、やれ、の一言で済ませた。自衛隊も苦労しているんだな。


 

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