第八話「戦域司令官」

 日本近海に展開している米艦隊の司令官から報告を受けた。バケモノは仕留めたが、派生したモンスターなる人型の敵を仕留め損なったらしい。


 俺は頭を抱える。米軍にとっての宝刀(チャーリー・ワン・ワン)を無駄死にさせてしまった、さらに山狩りで、海兵隊員の死体の山を築き上げて失敗なんてことになればキャリアが完全に潰える。破滅だ。そんなリスクを冒したくない。


 砲兵隊と爆撃機を総動員してモンスターが潜んでいる範囲を跡形もなく破壊したいと考えたが、やれば世界のマスコミにパンドラとモンスターの存在が知られてしまう。あまり目立たない方法で撃滅するといえば封鎖してから海兵隊員に山狩りをさせる。やりたくないが、これしか思い浮かばない。


 俺は受話器を取った。キャンプ・ハンセンの基地司令官に山狩り作戦を下命する。参加する隊員に守秘義務を付与だ。破ったまぬけは人生終了だ。


「どうしてこうなった? 回収するだけの簡単な任務だったはずが、バケモノが出現して、人間がモンスターに変貌だ。安全って言ったまぬけを誤射したい」

 

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