第13話 未来の行方
数日経ったある日、リントはエデルの屋敷へと訪れていた。いつ来るのかはわからないあの未来は確実に訪れる。ブラクやフロウだけでは動くにも限界があった。その為、二人の勧めでエデルにも話すことにした。しかし、エデルは不在で、彼の精霊マールスが対応してくれた。マールスはリントが用件を言う前にこう口にした。
「何かあったのか?」
何かに気づいているのか、それとも偶然出た言葉なのか。リントはそれとなく聞き返した。
「どうしてですか?」
「最近、周辺が何やら騒がしくてな」
マールスは主の変化や仲間の精霊の変化をリントに伝えた。
「今日もだが、主は無断でどこかへ行ってしまうんだ。我々でもその居場所を特定する事ができなくてなだけじゃないんだ」
「余程、隠したい何かがあるんでしょうか」
「さあな。でも何か嫌な予感がするんだ」
そこへジュアが現れ、リントに向かい言った。
「結局、今日来た理由は何だ?」
リントはその理由をあの未来の事についても全てを話した。
話を聞き終えた二人にはあの疑問が浮かんでいた。
「我らもファーマも出てこなかったのか?」
リントはその時気づいたかのように頷いた。
「おかしいですね。エデルの傍にはいつも誰かいるはずなのに」
「俺達は主に喚ばれなくても、それなりに単独で行動はできる。もしかして同時多発的に何か起きたかもしれない」
ジュアはそう言った。しかし、二人にはある可能性が浮かんでいた。しかし、それをリントに伝えるかどうか悩んでいる様子だった。
「他の可能性もあるんですか?」
何かを察したのかリントが二人に聞く。暫く躊躇っていた二人だったが、リントに話し始めた。その話を聞いたリントは驚きのあまり言葉を失ってしまった。
リントを見送るマールスとジュア。
「その可能性が本当に来ると思うか?」
マールスがジュアに聞いた。
「さあな。でも、どちらの可能性が来たとしても、未来は大変な事になるだろうな」
「そうだな。それまでに俺らにできる事はやっておこう」
その日以降、二人は主であるエデルにも内密に少しずつ動き始めた。
一方リントもマールス達から聞かされた最悪の可能性について考えていた。迷っている暇などなかった。ジャイルに気づかれないよう、すぐにでも対策を考えなければならなかった。しかし、エデルとファーマに伝えようとしたその日、事態は大きく変化していった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます