第7話 会合

白狼族の長フロウ、黒狼族の長ブラク、そしてリントとエデルは向かい合うように座っていた。エーフィーを始めとした白狼!黒狼達は固唾を飲んでそれを見つめていた。

この会合が行われる直前、エデルはリントにこう言った。

「俺らの事を包み隠さず全て話せ」

包み隠さずということは守り人である事やその使命も話す、そういう事だった。

「いいんですか?」

不安になるリントが念を押すかのように確認する。エデルはこの先の未来を予想しているのかただ頷いていた。


四人の会合が始まると、先にりんとが口を開いた。エデルと2人の長の間に会話が不可能な事、そして両者の言葉は全て自らが通訳する事を知らせたのだ。二人の長はその理由を問う事はなく、そのまま会合が続いていった。平和的な話し合いのはずが、ブラクは声を荒らげてこう言った。

「何故、エーフィーと一緒にいた?」

ブラクは二人の近くにエーフィーがいた事について、二人に連れ去られたと勘違いしたようだった。何故、それ程エーフィーが心配なのか。それはただ単に親だからという訳では無かった。その理由をフロウが教えてくれた。

「エーフィーはブラクの息子。つまり時期黒狼を守り導く役目を持つ者。あの時と同じ過ちは繰り返したく無いんですよ」

リントはエーフィーと出会ったのは偶然だと説明した。勿論、危害を加えるつもりもない事を。しかし、ブラクは未だに警戒感を強めていた。ここでリントは自身の身元について説明し、何とか理解を得られようとした。


守り人やその使命、ここに来た目的全てを話したリント。その話をすぐに理解する事は不可能だった。それでもリントの真っ直ぐな姿勢から何とか信じて貰う事ができた。

エデルはフロウとブラクの関係性について違和感を覚えていた。争い続けてはいたが、そこまで険悪な仲という訳ではなさそうだった。更に、フロウが言った「同じ過ち」とは何の事を指しているのか、その事が心に引っかかった。


その答えはすぐに判明する事になる。フロウとブラクは争い続けている理由を教えてくれた。

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