ほにやらら

古田秀

ほにやらら

力石浮かす春外套のまま

卒業やそぼろほとんど汁の底

春の昼樹齢を誇る村の人

人型の鉄に出くはすピクニック

新社員サビの終はりは唸るやう

駅までを運が良ければ蛇と逢ふ

椎の花通話にちやうど良き遊具

覗き見て池の浅さよ夏柳

取りてすぐパンフレットを扇とす

バーベキュー歌にトングを鳴らしをり

汗ぬぐへ賄ひは十秒で食へ

海風に籐椅子の尻ずれゆけり

祭とはいへ組合のテント番

団扇うら返せばタイムテーブルが

ゆるやかな坂は漕がずに処暑の海

秋の薔薇園雨天不機嫌シトロエン

読めぬ碑を読めばほにやらら紅葉狩

鯛焼を剥ぐや鋳型を打ちつけて

パソコンの下側ぬくし明日は雪

白きもの咥へ高架を寒鴉

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ほにやらら 古田秀 @full_tash

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