ひとり

今日も当前に宇宙に居り

いろいろ記憶したはずの自分が居る

精神の温き空気に滞留す

まだ明い祭りの続く限りは踊れ

心臓を感じぬように生きている

メフィストフェレス居らずとも灰色の女は居り

無限の法則に有限の存在あり

鴉は重奏、我れ一人


パンにジャムを塗るたのしい

夕飯の窓腹がくるくる

朝ごはんのあることを思い出して起きる

わさび、梅干し、唐辛子

ゆでうどんそのままかじる味見

パリパリレタスばりばりちぎる

薬のために食う晩飯

腹が減るから半分健康


散歩の人またすれ違う

首輪が点滅する 犬が行く

わくわくするから夏はきらいだ

とんぼが飛んでく秋が来る

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