第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部 二十句連作部門

冬川凍

ひかり

都会の空にシリウスのみ光る

美術館に帽子を忘れて帰る

街灯の虹のならんでうつくしや

液晶みたいな人の整列

振りて六葉木に留め置かれ

均質の四角映写されて静か


薄明に蝙蝠ぱたぱた

都会の狸かなしく駆け去る

蜘蛛また戻ってゆく

ずっと蜘蛛居る死んでいた

さかな手の上にひたり乗っている


紫陽花の花を探す、あれは萼らしい

夜空に弓が二つあるよ


氷の上に雪華降りけり

雲の流れる借景


暗雲消えぬ雷を待つ

夕立やコンクリートに模様降る

一二三四五六七…雨が降る

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