第2話

私にはスローに感じられたこと 今朝の自動ドアに影がうつった


決心の海岸線のような日々 特売の王林大きいのを買う


マイペース人権を得てそれでいてもっと羨ましいハイエース


ゆっくりと月から逃げる全力で逃げたら全力で追ってくる


溜め込んだ道路の熱を引き受ける 泣くために泣く生き物である


靴擦れで一日ずっと赤かった小指におやすみ前に気づいた


手段ではなく目的でバスに乗り指揮者のいない七月をゆく


青い首輪の犬は元気に駆け出して私もそれによく手を振った


はじまりをくれたってこと 風を巻き上げる装置として下り坂


身の裡をまさぐっている 新しいものがいつでも一つだけある

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背泳ぎの空 津島ひたち @My_HiAce

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