第7話 送り狼
その頃家賃三万ほどの団地に引っ越しをしており、コロスケは保健所で殺処分された。
自身の無力さに悔やんものだ。懐かない犬だったが愛していた。
警察が到着し、千絵は警察に苛立っていた。悟は「仕方ないやろ。この人たちも好きでこんな事してるわけじゃねえ」と千絵を治めた。
警察が帰り、父が帰宅し泣きじゃくる千絵に「父さんだって悲しいわ」と千絵の肩を持ったが正直殴り倒したかった。否、殺したいまで激昂した。
父は妻を亡くした悲しい夫を演じたのだ。
警察の次は葬儀社と忙しい。
母の葬儀は一日と少しで終わった。葬儀には金がかかる。
アルバイトの間父に介護を任せていたために母は、発見当初オムツ一枚という悲惨な姿だった。
その後悟と共に仕事を続け、家の借金を完済した。生活は徐々に落ち着き、高速道路のアルバイトで吞み会が行われた。
千絵は告白が絶えないほどそこそこに綺麗に成長していた。
吞み会の帰り、三十一歳の既婚者・横尾から「家まで送ってやるよ」と誘われほいほいと車に乗り込み帰路についた。
車の中で千絵は眠ってしまう。無防備過ぎると悔やまれる。
胸をまさぐる感触で目が覚める。意識がはっきりとしたら、そこは家ではなく山中で横尾が千絵の服を脱がし、上にのしかかっていた。
か弱く抵抗したら殴られ全てを諦めた。
その月から生理がこなくなり、横尾に相談する。
横尾の家では長年不妊症で子がいなかったため、すぐに「離婚する。結婚しよう」とプロポーズをされた。
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