チュートリアルには説明キャラが必須
「ほぁあっ!?」
あ、あれ?
「ふぁ、ふぁへぶぅー!?」
声が出ない!?
それに動けない!……いや、身動ぎは出来る?
何故かボヤけた視界には、やけにシワシワの小さな手が映る。
握る、開く。
うん。これ俺の手だ。
これ、赤子だわ。
しかも乳児と言うか新生児だ。
あの邪神様との邂逅が現実だったとしてだ。
これ赤ん坊に転生させられたってことか。
確か、死産になる予定の赤ん坊に俺の魂をぶち込むとか何とか言ってたな。
それが本当ならここは『ドキドキめもりある』なる頭の悪いタイトルの乙女ゲーモチーフの世界なんだろうな。
なんて言うか、噂されると恥ずかしいからとか言って中々一緒に帰ってくれない赤髪の女の子が出てくる某ギャルゲーの金字塔の様な名前のゲームだ。
しかし、こんな訳分からん世界に放り込んで俺に何をしろって言うんだ?あの邪神め……!
『HELLO!Master。特に目的は設定されておりません。先ずは目的の設定を行って下さい。』
!?!?!?!?
頭の中に何だか機械音の様な女性の声が響く。
何だ!?Sir○iか?S○riなのか!?
『NO、Master。Si○iではありません。そもそもマスターはAn○roidユーザーでした。』
うん。まぁそうなんだけどさ。何でそんな事知ってんの?え、待って。貴女どこの子?何なの?邪神様の遣い?
『YES、Master。私は擬似神格ナビィ。異世界に転生させられた貴方の補助として創世神エクシタリアに遣わされたサポートAIとお考え下さい。』
創世神エクシタリア……?
あの麗しき邪神様の事だよな?
つぅか何でAIなんて単語知ってんだ?
そう言えば邪神様も地球の知識があったな。
普通にネットスラングが伝わってたし……。
俺の目の前に突如、白く光る光球が現れた。
恐らくコイツがナビィなのだろう。
何だろう。どこかで見た事あるフォルムだ。
具体的にはニンテ○ドー64のゼ○ダの伝説とかで……。
あれはピンクの光球で妖精の羽根が生えてたけど……。
『ご希望でしたら羽根を生やすことも可能ですが?所詮見た目は単なる映像ですし。』
止めてくれ……。あー、つまり、邪神様が俺に取り憑けた幽霊、ってのは言葉が悪いか?
俺に加護をもたらす妖精とかそんなイメージでいいのか?
『Exactly!概念的には幽霊が近いかと。この姿や声を聞けるのはマスターだけですが……。
辞書機能に創世神エクシタリアを邪神と登録します。』
何だかAIっぽい事を言い出すナビィ。
お前はそれで良いのか?一応、創造主だろ?
『Either is fine!確かにこの身や機能は
確か世界の始まりから終わりまでのあらゆる知識が内包されている記憶層だったか?
ファンタジー物にはお約束のクラウドサービスっぽい不思議現象だ。
転生初手からこんなファンタジー要素に出会うとは流石は異世界転生だな。
『YES、Master。その認識で間違いありません。しかし、マスターにも関係のある概念です。そもそもマスターの意思や知識は全て
インストールぅ?
俺の人格や知識をその不思議クラウドサービスからこの身体へダウンロードしたってことか?
『YES。本来、記憶や人格は肉体である脳に付随するものです。転生させようとするとどうしても
ほぉーん?
つまりあれだ。その
オイオイ!正に転生特典!チートじゃねぇか!
ウキウキしだした俺を尻目に、ナビィが呆れた声で水をさしてくる。
『NO、Master。確かに
つまり、脳の容量がパンクするってことか?
パソコンなら容量さえ増やせば限界を超えることはないが、人間の脳はその限りではないということか……。
ん?ナビィは
『YES。私は疑似とは言え神格になります。
マスターを通してにはなりますが、私は
なるほどなるほど。
あらゆる知識を持つサポートAIか……。
転生特典としては悪くなさそうだ。
さて、ナビィ。
今の状況を教えてくれないか?
ぶっちゃけこの世界の元になったゲームの事も転生先のこの赤ん坊の事も何も分からない状況なんだが?
『YES!Master!ナビィの喜びとはあらゆる知識を検索し、それを開示する事です!
ドキドキめもりあるのレビューから邪神の過去のやらかしまで全てご説明させて頂きます!』
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