人間

”残り1日だけ”

???

なんだ?残り一日だけ?て言うかまたこいつロック画面で渡してきやがったし。

「またロックかかってんだけど」

「あーごめんごめん笑笑」

え?今日はそんなに焦ってない?じゃあ昨日のはなんだったんだ?ただ単に申し訳なさが大きかったのか?

わからない。

ま、何でもいいか。たかが高校生だ。

「ほんとにバイトなんだねー。カレンダーみっちり入ってるよ笑笑」

「そーだよ。わざわざ嘘つかねーだろ」

「それもそっか」

こいつほんとに疑ってたんだな

「お前はなんでカレンダー2個もあるんだ?ロック画面の残り一日だけだけっていうのも気になるんだけど」

あれ?今俺が言ったのか?やばいやばい流れで変なこと聞いちゃった!?

「あーそれね。そのまんまの意味だよ!」

彼女は昨日と同じような下手くそな笑いを見せて電車を降りていった。

駅は

北桜駅

昨日のは風が丘駅の一個前だった。

え?間違えたのか?なんだったんだ?

俺は終始疑問を浮かべて今日のギャルとの戦いを終えた。

いつも通りの帰りに俺はずっとその疑問について考えていた。

”カウントダウン” ”2個のカレンダー” ”動揺” 

”苦笑い” ”違う駅”

だめだ全然わからない。そう言えば人探しって言ってたな。

人探しのために違う駅に降りていると仮定してもカレンダーやカウントダウンはなんだ?

区切りをつけるためか?

だめだ、さっぱりわからん。

家につき風呂と飯を済ませ就寝。

また繰り返し。


次の日

なぜかそんな気はしていた。

「3日連続じゃん!ウケるわー笑笑」

「はー、今日も人探しか?」

「そんなとこだよー」

「なあ、今日もスマホ交換しね?」

「え?別にいいけど。はいこれ」

なぜだろう。考えるよりも先に言葉がでていた。

それほどまでにカウントダウンが気になっている自分がいた。

「さんきゅー」

やっぱりだ。


”今日まで”


「このカウントダウンはなんだ?」

「これ?そのまんまの意味だよ」

「何が今日までなんだ?」

「最初に言ったでしょ?あ、駅ここだから。じゃあね」

北桜駅で彼女は降りた。

俺はなぜか汗が止まらなかった。昨日と同じ駅で降りただけだ。なんでこんなに焦っている自分がいるのかもわからない。

怖い。

ふー。

”帰ろう”






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