29話オレオレ詐欺



宇宙歴4993年9月25日 14:06

惑星:地球 トーキョー渋Y区 アリス宅



アリス「じゃあ、俺ちょっと買い物行ってくるから留守番よろしくな」



アリスがそう言って家を出てからはや一時間が経った



兎丸「ダウト!!!」


乙骨「おや、これはこれは…ハズレです」


伏せられたカードをめくるとそこにはハートの8のとランプが

その前はハートの7である


兎丸「うそぉおおお!!呼吸の音とかさっきと違う感じがしたから嘘ついてると思ったのに」


乙骨「怪人は呼吸の仕方や心臓の動きが独特でして独特で11分程度に一度、変化するですよ。その代わりその11分間は動揺しようが、 驚こうが体に変化はないんです。」



兎丸「へぇ〜」

二人はカードゲームしながら雑談していた



するとリビングのデスクにある固定電話が鳴る



兎丸【えーと…】


_____________________________

回想


アリス「いいか、電話が来たら受話器とっても

譜破アリスの電話です。って最初に言うんだぞ」


兎丸「分かった!」


アリス「まぁ基本的にかかってきたら俺だろうけど。

もし俺じゃなかったら要件だけ聞いて

あとでかけ直しますって言ってる俺に伝えてくれればいいよ」


兎丸「ほうほう!」

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現在



兎丸【はい!もしもし!譜破アリスのお家の電話です!アリス君は今お出かけ中なので兎丸がお受けします!】


兎丸は以前家の電話が鳴った時の対応の仕方をアリスに教えられた通りに受話器をとってそう言った



??【あ〜、俺だよ俺!】

電話からは男の声がした


兎丸【???(声が)アリスくんじゃないね?

どちら様ですか?】


乙骨「??」


??【だから俺だって!】


兎丸【うーん…(誰だろ…)はっ!もしや2年くらい前に私が助けた中学生の少年!?

声変わりしたんだね!気づかなかった。】

記憶媒体の中を探し兎丸はそう言った


??【へ!?あー!そう!助けられた??中学生の少年!】

かなり怪しい返事の仕方をする電話の主


兎丸【やっぱり!あり?でもなんでアリスくんのお家の電話番号知ってるの?というかなんで私がここにいるって知ってるの?】


あの時助けた少年??【えーと、あの時、助けてくれた?お礼がしたくて探しまくってアリスって人に聞いたんだよー!】


兎丸【そうなんだ!お礼なんていいのに!】


あの時助けた少年??【えーと、そう!お礼!それでほんとはそのつもりだったんだけど今も実は困ってて助けて欲しいんだ!】


兎丸【なんと!?いいよ!何があったの?】

もうここまでくれば皆さんお分かりだろうそうおそらくオレオレ詐欺であるしかも兎丸は気づいていない


あの時助けた少年??【じ、実は家に帰る途中で怪人に襲われて怪我をして動けないから助けて欲しくて。


渋Y区児童遊園公園地にいるんだけど】


兎丸【分かった!!待っててね!!!!】

兎丸はそう言って一度電話を切って




乙骨「どなたからのお電話か聞いても?」

会話の内容的にアリスではないと分かった乙骨は兎丸にそう問いかけた



兎丸「あのね!カクカクシカジカなの!」


兎丸は先ほどの電話の内容を簡単に説明した


乙骨「……それはそれは、あたくしも同行しても?」

乙骨は少し考えた後にこやかに兎丸にら許可を得ようとそう言った


兎丸「いいよ!」



二人はすぐに支度をして渋Y区児童遊園公園地へと向かった



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宇宙歴4993年9月25日 14:27

惑星:地球 トーキョー渋Y区 

渋Y区児童遊園公園地



兎丸「おーい!!あの時助けた少年!!助けにきたよ!!」

兎丸はそこまで広くない公園に響き渡るようにそう言った。


乙骨「どこにもいませんねぇ」


兎丸「おっかしいなぁ。ここにいるって言ってたんだけど」



____________________________

??視点


最悪だ。

オレオレオ詐欺をする怪人。


今日も適当にかけた電話に出たやつを引っ掛けて人気のない場所に呼び出し襲うつもりだったが。


兎丸「おーい!どこいったのー!!」


来たのは最近、活躍中とどこかの雑誌でみたアンドロイドだ。


しかもなぜか同族(怪人)も一緒で

思わず草むらに隠れてしまったが…



…否、これはチャンスなのでは?見たところ同族は俺より強い。


どんな経緯でアンドロイドなどと一緒にいるかは知らないが奴を説得して二人でけしかければアンドロイド一体くらい…


_____________________________

第三者視点





兎丸と乙骨が手分けして呼び出した人物を探していると乙骨のいる場所の近くの草むらからふと音がした



そしてそこからはひっそりと手招きをする手が


乙骨「……ふー…」


乙骨はそっと手を振り上げると


オレオレ詐欺怪人「ギャァァァァアア!!」

手があった場所から鋭い骨が突き上がり


もろにそれを食らった怪人は悲鳴をあげた


兎丸「なに!?なんの声!?」

兎丸は咄嗟に駆けつけた


乙骨「ご安心を。無垢な子兎を騙そうとした

若造を少し懲らしめただけなので」


骨に串刺しにされた怪人を指さして乙骨はそういった


兎丸「??あれ?それ怪人?」


乙骨「えぇ、おそらく兎丸さんに電話してここに呼び出したのはこの怪人でしょう」


兎丸「え!?じゃあ私、騙されてたの!?」


乙骨「そう言うことになりますね。」


兎丸「そっかぁ〜。よかった!あの時の少年が怪我したわけじゃないんだね!」


乙骨「えぇ、えぇ。そうですとも。」




兎丸が安堵していると


アリス「お前らこんなとこで何やって……ほんとに何やってんの??かっこいい俺が動揺するぞ?」

買い物袋を持ってとおりかかった通りかかった

アリスに出会した



アリスは串刺しの怪人を見て頭にハテナを浮かべる



兎丸「アリス君!!実はね!!カクカクシカジカだったの!」



と兎丸はこうなった経緯を手短に話した




アリス「なるほど…そいつ多分あれだよ。この前どーるくらぶに飯食いに行った時に吟一さんがいってたすごい古いオレオレ詐欺って手法で人間騙して襲う奴。


姑息だからなかなか捕まらないって吟一さん嘆いてたじゃん」



兎丸「そんな話してたっけ?」



アリス「…お前がデザートにアイス食ってた時にしてたよ」


兎丸「うそぉ!?」



アリス「聞いてないと思った。てか聞いてたら騙されないだろうしな。


…とりあえず怪人研究所に送るから殺したらダメだぞ」


乙骨が殺すつもりなのを察したアリスはそういった後に電話をかけた


乙骨「あい、分かった。」



兎丸「あれ?そういえば乙骨君はいつ詐欺だって気づいたの?」


乙骨「兎丸さんから電話の内容聞いた時ですかねぇ」


兎丸「そなの!?教えてよ!?」



乙骨「いやはや申し訳ございやせん。兎丸さんがあまりにも張り切っていらっしゃったので真実を明かすのは心苦しく。


助けるにせよ退治するに此処に来るのは変らないので言わなくても良いかと」


と饒舌に喋る乙骨


兎丸「それはそうか」


こうして乙骨の見事な活躍劇は幕を閉じたのだった。

 

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