24話 ベイビーベイビーベイビー
宇宙歴4993年6月30日 18:26
惑星:デア
アリス【はい、下級怪人とあと今日いろんな星を逃げ回ってた例の中級怪人も捕まえたのでお願いします。】
怪人研究所に電話をし終えたアリスの横で
捕縛された怪人を指でツンツン続いている兎丸
兎丸「この中級怪人が吟ちゃんから見かけたら捕まえてほしいって言われた怪人?」
アリス「うん、なんか、いろんな星で人間、アンドロイド関わらず手で触れてすぐに逃亡する怪人だったらしくて…」
兎丸「へ〜、なんで?」
アリス「まぁ、普通に考えれば触れたら危害を加えることのできる怪人だからだろうけど…それを聞こうとしたら誰かさんが意識のぶくらい吹っ飛ばじちゃったから」
兎丸「それほどでも?」
アリス「褒めてない」
アリスの電話が鳴る
アリス【はい、譜破アリスの電話です。】
吟一【!!吟一っす!アリス君!例の惑星中逃げ回ってた怪人のことで伝えたいことが…!】
アリス【あー、その怪人ならさっき兎丸が捕まえ……】
アリスが兎丸と怪人を見たその時だった
ポンッ!と言う軽快な音と黙々した煙に兎丸が包まれたと思うと
兎丸「ばぶ?」
赤ちゃんになった。
アリス「……ギャァァァァアア!!!!」
吟一【あー。遅かったす…実はその怪人が触れたら人間の赤ちゃんになるみたいで。記憶諸共。
怪人と対峙した者はもれなく人間の赤ちゃんになってて…
たまたま触れられてない目撃者からの情報でついさっき分かったんすが…】
電話越しにアリスの叫び声を聞きやってしまったと言う声をあげる吟一さ
どーるくらぶで赤ちゃん化した林檎を抱えて電話しているため電話の最中のほっぺたを引っ張られて滑舌が悪くなる。
アリス【これって戻るんですかね?】
アリスは抱っこをせがんでズボンの裾を引っ張る兎丸を急いで抱えてそう聞く
吟一【どうっすかね〜、とりあえず赤ちゃんになったアンドロイドは各倶楽部で預かって様子見てるところっす。
今一番赤ちゃんになって時間が経過してるアンドロイドで3時間たってるっすけど…戻ってないらしくて】
アリス【まじでか……】
吟一【でも捕まえたならくるい君が怪人からこの後どうなるかを聞いてくれるはずっスから
一安s あー!!!こら!亀吉君!電話線は引っ張っちゃ(ブチッ
吟一が言い終わる前に電話な途切れてしまった。
アリス「(…吟一さん大事…ではなさそうだし)……どーるくらぶに行ってみるか?」
ループタイの紐の部分をしゃぶっている兎丸を見ながらアリスはそう言った。
アリス「あ、その前に念のため….」
アリスと携帯で誰かにメールをした後にどーるくらぶに向かうのだった
兎丸「あぶ?」
___________________________________
宇宙歴4993年6月30日 19:19
2番目の太陽が沈んだあと
人工惑星:技術ノ星 どーるくらぶ
アリス「こんばんは……あー。」
アリスの予想通りというかなんと言うか。
元気はつらつで動き回る赤ん坊になってしまったアンドロイド達を危ないからと追いかける吟一と
もみくちゃにされて地面にめり込んでいるロバートゥさん
滑り台にされて突っ伏してる7
髪の毛をで遊ばれて項垂れてるドーラ
という大惨事だ。
吟一「アリス君!ちょうどいいところに!ちょっとお手伝いを…あー!!!コウくん!!イナズマちゃん!!そんな急にハイハイのスピード上げたら他の子にぶつかるっす!」
コウとイナズマは兎丸を抱えたアリスに向かって猛スピードハイハイで突っ込んだ。
アリス「赤子になっても兎丸大好きなんだな…」
あたりを見回すと
コウ
イナズマ
亀吉
林檎
兎丸
メイコ
の6人がどーるくらぶの被害らしい
アリス「俺も手伝います。…7とロバートゥさんは無事…か?」
7「なっはっは!……この状態から動けない…!」
顔だけアリスの方向に向けたそう言う7と
ロバートゥさん「_:(´ཀ`」 ∠):」
もはや死にかけのロバートゥさん
アリス「(とりあえず二人の上に乗ってる赤子達を一度、俺が抱っこしてやった方がいいか?出ないと二人とも動けないし…
コウとイナズマは兎丸に懐いてるからここで三人固めとけば…)兎丸、コウ達と遊んでるか?」
アリスはそう言って一度兎丸を下ろそうとすると……
兎丸「やぁぁぁああああ!」
先ほどまでおとなしかった兎丸は全力で嫌がり泣き始めた
アリス「えぇえええ!?なんで!?って痛い痛い!!」
兎丸を泣かせたな?と言わんばかりにアリスの足をポコポコと殴るコウとイナズマ
ドーラ「きゃー!!!林檎!だめよ!今のあなたは人間の赤ちゃん!その棚の毒は食べちゃ!」
吟一「メイコちゃん!!メロバートゥさん君の髭を引き抜こうとしないで!亀吉君も!そろそろ7君の滑り台ライフは限界っす!!」
子育てなどしたことない人間二人とアンドロイド三人結局たじたじである。
そこに
若「お邪魔します!ここどーるくらぶであってますか?可愛い赤ちゃん達がいると聞いて!」
と大荷物を持ったアリスの幼馴染の若が目を輝かせて現れた
どうやらここに来る前にアリスがメールしたのは若だったらしい
アリス「若〜!ちょうどいいところに!助けて!!」
若「まかせろ!」
若はテキパキと持ってきていた子供用の遊具を組み立てて
沸かして水筒で持ってきたお湯でミルクを作る
そしてミルクを少し冷やしている間に
7の上に乗っている亀吉を遊具の一つ滑り台に移動させ
メイコには大きめのぬいぐるみを与えてロバートゥさんから興味を逸らし
林檎にはミルクを与える。
若「銀髪のお兄さんは滑り台で遊んでる子を見ててください!
着ぐるみの方は黒髪の女の子とぬいぐるみごっこならいけますか?
ピンク色の髪の方とポニーテールの方は子供達が危ない目に遭わないように家具をできるだけ全て壁際にお願いします!
それが終わったら交代で子供達を見ましょう!
んで!アリスはそのまま兎丸ちゃん抱えたまま座って緑の髪の子のツインテールの子と遊ばせて兎丸ちゃんがその二人に懐いたら抱っこから離れると思う!」
なんとも迅速な対応であっという間にあたりには余裕ができた。
アリス「お、おう!」
アリスは若に言われた通りにすると兎丸はコウとイナズマと遊ぶのに夢中になりアリスが離れても平気なようだ
ぬいぐるみで遊ぶメイコ
ミルクを握りしめていい飲みっぷりの林檎
滑り台で遊ぶ亀吉
アリスのループタイの代わりにおしゃぶりを加えてイナズマとコウと戯れて遊ぶ兎丸。
それぞれがそれぞれの楽しみを見つけて
アリス達にも余裕ができた
若「可愛い〜。呼んでくれてありがとうな。アリス」
アリス「それはこっちのセリフだよ。まじで助かった」
吟一「本当にありがとうございますっス!」
ドーラ「アリスちゃんの友達にこんな心強い人がいるなんて。しかもイケメンじゃない」
若「どーも、子供大好きなんでこう言う時はいつでも呼んでください。」
7「いやー!本当、助かった!」
ロバートゥさん「(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
赤ちゃん達をアリスに任せて
パソコンを確認していた吟一は「あっ」と声を漏らした。
吟一「怪人研究所からメール来てました!」18:53ごろに。と付け足す吟一
吟一「内容は生身の赤ちゃん化してしまったのを戻すには」
アリス「怪人から聞き出せたんだな。」
吟一「そのようっス!えーと…方法は…首のよだれかけ取ったら元に戻るらしいっス…」
アリス「うそ!?…いやそう言えば小さくなったと同時につけてたし…」
ドーラ「とらなかったものね…」
アリス「じゃあ、ご機嫌なうちに外してしまおう。」
ドーラ「そうねぇ。」
若「くっ!この天使達ともうお別れか…!」
アリス「あははっ…悪いな」
若「いや、このままだと今後の宇宙平和が揺らぐからな…俺に構わずやれ…!」
アリス「なんだそのセリフ」
7「ちょっと名残惜しいけど仕方ないな!」
ロバートゥさん「(*´-`)」
と言いつつも若以外の五人はすぐさま赤ちゃん化したアンドロイド達ノ涎掛けを外すのだった。
まぁ、外した後の方がある意味大変なのだが
地べたに座ってぬいぐるみを持っていたメイコ
メイコ「!?!?!?は?…え?」
大の大人の姿で訳もわからず哺乳瓶を持っている林檎
林檎「あ"!?!?!?んじゃごりゃあぁあああ!!!」
子供用の滑り台に尻が挟まって身動きの取れない亀吉
亀吉「……っ…………」
おしゃぶりを加えてあげく何故かコウの体にもたれかかるように足の間にいる兎丸とその兎丸の足に縋りついているイナズマ
兎丸「あり?なんで私どーるくらぶに…?」
コウ「…………」
イナズマ「へ???なになになになに!?うさちゃんのいつの間に!?」
アリス「…しまったせめてそれぞれ場所を変えてから取るべきだった…」
メイコ「…一体…」
イナズマ「僕たちに…」
林檎「何があったんだぎぃぃいいいい!!!!」
と言う叫び声がどーるくらぶに響く
勿論この後アリス達はアンドロイドに経緯を説明して
兎丸以外のアンドロイドは己の情けなさと無防備な姿を見られて意気消沈するのだった。
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