22話 探索と結果と見張り




応接室を出た兎丸とアリスはそれぞれ部屋を見て回ると言う名目で使用人達をそれとなく観察すること


1時間______________




アリス「はい、では怪しい使用人結果発表ーー」


アリスの合図とともに千夜がホワイトボードを転がして中央に置いた


兎丸「パチパチパチパチ!」



雪「ここでやる?」

お茶を飲み終わり酪農器具を応接室で治していた雪はそうツッコミ



アリス「ここ以外の部屋は使用人が仕事してて聞かれちゃうから。」


機織「それにここでやれば

わしと雪の相手をしといると他の使用人も思うはずじゃろうて」

帰ってきたていの機織はそう言った




雪「あー。そう…」


雪も何も言い返せない。



アリス「兎丸と俺が写真を撮った人物十五人の勤務時間を千夜さんに聞いて

2番目の太陽が昇っている間に勤務している人という条件でさらに絞った結果


怪しい人物は三人になりました。」


ホワイトボードにはその三人の写真がプリントアウトされたものが貼り付けてある。



その下には名前も記載されている



右から


黒髪ボリュームのあるゆるふわパーマ女性

カラーレンズメガネをしているため瞳の正確な色は識別不可能

『八重 桜』


白髪で耳を隠すように髪を束ねている青年

瞬きする時に一瞬、引っかかる

『白 鳴木』



耳から顔を覆うような金髪の髪型の青年

髪の毛で瞳が見えない

『スナ・ショウ』




雪「目や耳を隠してるやつが怪しいのは分かるがなんで目の動きに違和感があるやつもなんだ?」


アリス「それは怪人が技術的に変装してると仮定した話だが


黒い眼球結膜を隠すには目を隠すような小道具がいるだろ?サングラスとか


その一つとして眼球結膜を覆う大きさのカラーコンタクトをしてたりってのもあり得るから

そうだとすれば多少やりとも目に違和感がでるはず」


雪「なるほどなぁ」


アリス「まぁあくまで変装してたらの話。


人間に化けれるとなればまた探し方を変えなきゃいけない。


俺の予想だと技術的に変装してると思うんだけど」


兎丸「そなの?」


アリス「あぁ、化けれるなら人間を襲う時は本当の姿になった方がたとえその姿を見られても


普段化けてる人間の姿とは違って疑われにくくなるのにその怪人は使用人の服のまま…まぁ人間の姿のまま人間を襲ってる。



つまり容易に人間の姿を解くことができない=

技術的に変装してる可能性が高い。」

と得意げに語るアリス


機織「なるほどのぉ」


千夜「この三人はもう5年ここで働いてもらってるのですが」


アリス「それも疑う要因です。

入ってすぐに襲えば簡単にバレてしまいますから。時間をかけ信頼を得てから動き出したと思われます。」


千夜「…その…とても…我慢強い怪人様なのでしょうか?


…私には5年なんてとてつもなく長いと感じてしまいます…ですので、いまだに信じられません」


雪「確かになぁ…俺たちにとっちゃなげーな。」


兎丸「そう?5年なんてあっという間だなって思った!」



アリス「まぁちゃんとメンテナンスして故障しなければ500年動いてられるヒューマノイドや

倒されなければ推定2500年生きられる怪人にとっては5年は短いだろう。」



機織「…ふむ…可能性は深まるばかり…


この三人の中に怪人がいたとしたら非常に残念でならないです……」

機織らそういう時深刻そうな顔をした


兎丸「…………あのね、私人間は好きだし…それになんの理由もなく悪さをする怪人達は敵だ。


でも…でもね?

中には悪さするのをやめて人間の仲良くしてる…私の敵じゃない怪人もいるんだ。


だから…えっと…うまくは言えないけど、

そんなに落ち込まなくていいと思うの!」


兎丸はそうは舌足らずに励ました


機織「そうじゃの…!話せば分かり合えるかもしれん」


兎丸の言いたいことが分かったのか機織はそういう


千夜「ですね…!」


アリス「………ふっ…」


アリスは兎丸の精一杯の言葉に思わず笑みをこぼした。


アリス「では、俺は八重 桜さんを

兎丸は白 鳴木さんを見張ります。

人数不足のため

千夜さんにもスナ・ショウさんの見張りをお願いしたいのですが」


千夜「かしこまりました。お任せくださいませ。」


兎丸「うん!頑張る!!」


そうして三人の監視が開始された










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