22話資産家のお屋敷に


宇宙歴4993年6月27日  13:00

小惑星:ホシ


2番目の太陽が登り始めた頃


兎丸「ひゃっほい!!

ひっろい草原!!牛さんがいるよ!牛さん!」


兎丸は依頼人の家とその周辺にある草原にいる足を見て目をキラキラさせル



アリス「吟一さんから送られてきたメールの

依頼人の詳細によると__________


この小惑星の半分を所有していてそこに屋敷を構えてかなり広い牧場を経営してるらしい


馬とか牛とか_______って聞いてねぇな?」


兎丸はアリスの話など聞いていないようだ



とそこに


??「先客かい?」

スラっとした背の高い白髪の女性と


??「そのようだ…それに見たことあるお顔だね?」

キラキラした黄色の瞳の青年が現れる


兎丸「こんにちは」


??「こんにちはお姫様、君はこの前表彰されてたらどーるくらぶのアンドロイドだね?」


兎丸「うん!そうだよ!兎丸っていいます!

そっちはアリス君!」


兎丸はそう言ってアリスを指差す


アリス「君たちアンドロイドだろ?

よろしくな。」


??「あぁ、僕は王子、こちらはいち。『metal Club』のアンドロイドさ」


兎丸「『metal Club』ってたしかぁーー」


アリス「ボマーとハル、はりところの倶楽部だな」


いち「あぁ、あの二人が世話になった。」


兎丸「えへへ!それほどでも!」


アリス「いや、世話してないからな?

あいつかはあいつらで怪人追い詰めてくれてたし最終全部掻っ攫ったのはコウだし」


兎丸「ぶー!」


アリスの真っ当な否定に頬を膨らませる兎丸


そんな四人の背後から


??「あ、あの!」


小声の少女が話しかけてきた


いち「君は確か主人専属のメイドの…」

心当たりがあったいちと王子

??「はい、メイドの笙野 千夜でございます。


いち様、王子様本日もご依頼をお受けいただきありがとうございまする。


それに兎丸様とアリス様でございますね。

急なご依頼を引き受けていただきありがとうございまする。




旦那様が不躾ながら本日は正面入り口ではなく裏口から誰にも知られないように入ってきて欲しいと仰せつかっておりまする。」


王子「そうなのかい?分かったよ。」


アリス「分かりました。ほら、兎丸行くよ」


兎丸「はぁい!」



千夜に案内されて豪華な入り口ではなく

シンプルで目立つことのない入り口に入る四人



___________________________________


屋敷の地下室


メイドに案内されたのは地下室だった

そこには一人の老人が


??「いやはやみなさんよく来てくださいました。

この度はこのような場所でご挨拶することをお許しください。


そこのお二人は初めまして

わしは音無 機織。この度君たちに依頼をしたものです。」


機織と名乗る老紳士はそう言ってアリス達の方を方を見た


兎丸「初めまして!」


アリス「(…地球人……音無…いや、まさかな…)よろしくお願いします。」



いち「それで?貴方ももう齢だ。あまりこう言った冷えた場所にいることは感心しないが…話を聞こうじゃないか」


王子「えぇ、いつも周りにいる使用人もメイドちゃんただ一人に絞り。

いつもの応接間ではなく人目につかない地下室。


そしてご贔屓にしていただいている僕たちだけでなく他のアンドロイドに依頼したこと。


普段の怪人退治の依頼であればあり得ないことです。


一体何が起こったのですか?」


いつも雇われている二人はいつもとは違う違和感を率直に述べた



機織「実は______________」

機織は重苦しい口を開けて


兎丸/アリス「「屋敷の中に人間に化けてる怪人がいる!?」」


機織の言葉に思わず二人は声を合わせて言う


機織「はい」


王子「驚いたな。いつからだい?」


機織「3ヶ月ほどから、使用人が何者かに舐められるという事件が多発しておりまして…

初めはお化けだとか寝ぼけてたとかさまざまな噂が飛び交っていてたのですが


つい最近あった目撃情報でようやく怪人の仕業とは分かりまして駆除できるならばしていただきたいと」


アリス「(….舐めるには絶対突っ込まない…)」


兎丸「(…アリス君が変な顔してる)」


いち「顔は?」


機織「誰一人として見たものはおりませんがその怪人どうやら屋敷の使用人の制服を着ていたようなのです」」


アリス「…なるほど人間に扮しているなら見た目じゃわからないし…機織さんが贔屓にしているアンドロイドなんて警戒の対象でしかないから。探そうにも探せないのか…」


機織「はい。唯一信用のおける使用人はこのメイドの千夜だけ。彼女は6つの時からここで住み込みで働いておりますゆえ。



と言うわけでアリスさんと兎丸さんにはうちの新しい使用人になりすましてその怪人を炙り出して欲しいのです。」


兎丸「せんにゅーちょーさだね!任せて!一回やったことあるんだよ!アリス君が!」


アリス「まぁ…はい。」


機織「ありがとうございます。


いちと王子には毎度ながらで申し訳ないが牧場の下級怪人の始末を。」


いち「あぁ、むしろいつも通り私たちが牧場の下級怪人どもを退治しに来ただけで

自分のことに気づいてないと怪人自身が思えば私たち以外の前でボロが出るかもしれない」


王子「そうだね?」


アリス「必ず解決して見せます。」


機織「頼みます。

では、早速、いちと王子はついさっき到着した体で正面入り口から。」


王子「はい」


いち「わかった」


機織「兎丸さんとアリスさんは千夜がこの地下から屋敷の中にある使用人達専用のロッカールームに案内します。」


千夜「こちらでございまする。」


アリス「はい。」


兎丸「はぁい!」

アリスと兎丸は千夜についていき


いちと王子は入ってきた場所から一度地上の外へと戻る


____________________________________


音無屋敷 使用人専用ロッカールーム



千夜「ここがロッカールームでございまする。今の時間、使用人が使うことはないのでご安心くださいませ」



アリス「はい…ところで機織さんは?地下にいっぱなしで大丈夫なんですか?」


千夜「はい、旦那様は使用人に化けている怪人に怪しまれないように前々からそれっぽい外出理由を作っていましたので 


今は外出中だと私以外の使用人は思っているはずですししばらくはあそこに止まるかと。」


アリス「そうですか。」


千夜「では、お二人はこちらの使用人の服に着替えてそこの正面の扉を出てください。

屋敷の廊下と繋がっておりますゆえ」


兎丸「了解!」


千夜「私も扉の先で待っております。

着替えにはそこの着替え用の個室をお使いください」


千夜はそう言って試着室のようなボックスが何十個も並べられているところを指差した。


試着室と違うところといえば扉があり鍵も付けられていているところだろう。



千夜「では失礼いたしまする。」


千夜はそう言うと廊下の方へと出ていった



兎丸「千夜ちゃんみたいなメイド服かな?」

兎丸は千夜に渡された布の被ったハンガーを持ってそう言った


アリス「俺はさながらフットマン的なのか?

まぁかっこいい俺ならなんでも着こなせるけど」



二人はそれぞれ着替個室に入り着替えることに


______________10分後




兎丸「ブフッ…………ナンデ…ナンデナノ?」

メイド服を着て耳をヘッドドレスで隠した兎丸は笑いを堪えながらそう言った。


アリス「…俺が知りテェよ…んで毎回こうなんだよ。」

兎丸の横では同じくメイド服にロングのかつらを被ったアリスが


兎丸「でも。なんだろ制服の時は似合わなかったのにそれ結構似合ってるよ!」


アリス「嬉しくねぇよ!!」


とキレるアリスにメールが来た



【イナズマ:うさちゃんのシャッターチャンスな気がするが今そっちいけないから

今すぐうさちゃんの写真撮っておくれ

さもなくば貴様に罰ゲームとかでよくあるビリビリグッツとおんなじくらいの電撃を喰らわす】


アリス「(なんちゅー、脅迫文だ….てかまてなんであいつ俺のメルアド知ってんの?こっわ)」

アリスはそう思いながら兎丸の写真を撮って送った


兎丸「ん?なんで今写真撮ったの」


アリス「俺が電撃を喰らわないため」



兎丸「?そう。そういじゃ張り切っていきましょう!」



アリス「はぁ……」


アリスは先が思いやれるのだった。


____________________________


音無屋敷 二階の廊下



千夜「お二人ともお似合いでございまする!」


メイド服を着て出てきた兎丸とアリスをみて千夜はそう言った


兎丸「えへへ」

メイド服は兎丸の可愛いに入ったようで満更でもないと笑う


アリス「…あの、なんで俺までメイド服?」


千夜「あっ!」

ハッとしたように千夜は口に手を当てた


アリス「もしかして渡す衣装間違えたとか!?」

アリスは慌てて行ってみるものの


千夜「いえ!衣装はあってます!

今、執事は十分おりますゆえ不足しているメイドとしてお二人には潜入してもらうと言うことをお伝えしそびれておりました!」


アリス「….あ〜、そ、そうだったん…ですね」

アリスは目を点にしてそう呟いた。


千夜「では参りましょう!」



___________________________________

音無屋敷 応接室


千夜に連れられてきたのは応接室だった



メイド1「あら、その子達が新しい使用人?」

メイドの一人が千夜に声をかけた


千夜「はい!アリスさんと兎丸さんでございます!」


アリス「よろしくお願いします」


兎丸「よろしくお願いします!!」



執事「あぁ、ちょうどいいところに。

今、牧場に定期的に現れる怪人を倒してくれるお得意様のヒューマノイドがきてるんだけど

俺は彼らど牧場に行くから


旦那様がご帰宅なさるまでお孫様に茶菓子を」


そう言って執事はいちと王子に視線を向けた



いち「初めまして…」


王子「やぁ!初めまして」

とキラキラしながら言う王子



アリス「は、初めまして」



兎丸「?さっきあ………もごっ」

お互いに初対面のフリをしているはずなのに

それに気づいていない兎丸は先ほどもあった時言おうとした口をアリスがふさいだ。




執事「?」


いち「…さて、急いで私たちは怪人退治に行こうか」


王子「そうだね…!」


執事「はい!行きましょう」


ここに居ると兎丸がボロを出しかねないと王子といちはなんとなく急いでその場を離れた。



アリス「(…?今さっき孫って…)」


アリスが疑問の思った時だった。



雪「アンドロイドが来てたけどもしかして忙しい時に来ちまったか?また日をあらためて…って」

応接室に顔を覗かせたのはなんとアリスの元同僚の雪だった。


アリス「(げっ!?)」


兎丸「!!」


雪「(ん????)」



千夜「雪様!大丈夫でございまする!すぐにお茶をお出しするので旦那様がご帰宅なさるまでごゆるりと……?どうかなさいましたでしょうか」



アリスと兎丸(メイド服)をみて硬直する雪と


雪を見て口を開くアリス



兎丸「あ!ゆK……むぐ?」


雪の名前を言おうとしてアリスに口を塞がれる兎丸という謎の構図に千夜は頭にハテナを浮かべた


雪「(アリスと兎丸だよな?……何やってんだこいつら)….お、おう。じゃあ遠慮なくゆっくりさせてもらう」


千夜「はい!…あ!こちら機織様のお孫様の雪様でございます!!


雪さん!こちら今日から新しく入ったメイドのアリスさんと兎丸さんでございまする」

千夜は三人に軽く紹介をする


アリス「はじめまして〜今日からお世話になりますぅ(ニッコォオ」

何もいうなと無言で圧をかけるアリス


兎丸「こんにちは!」

普通に挨拶をする兎丸


雪「ど、どうも…えーとここの主人の爺様の孫の雪です」

雪もアリスの圧に負けてそう言う。


千夜「アリスさんと兎丸さんは雪様のお茶をお出していたいてよろしいでしょうか?

厨房にありますので。


私は旦那様に雪様がいらしていることを"お電話でご連絡"してきますので!」


千夜はそういうとあたふたとその場を出て行った



____________________________



千夜に言われた通り


アリスと兎丸は一度厨房にお茶とって応接間に戻ってくると


先ほどまでいた他のメイドや執事たちはおらず雪のみがソファでくつろいでいる。




雪「他の使用人なら俺の相手なんぞしなくていいから仕事に戻れって解散させたぞ?」

二人が帰ってきて早々雪、はそう口にした


アリス「おう。サンキュー」


雪「で?お前たちこんなところでそんなかっこで何してんだ?」


兎丸「せんにゅーちょーさだよ!」


アリス「実は_______」

アリスは雪に事情を説明した


雪「なるほど…屋敷の中に人間のふりをしてる怪人を突き止めてる…か」


アリス「あぁ、んで?お前が機織さんの孫ってマジ?」


雪「マジマジ。

と言っても住んでるわけじゃないぜ?

今日みたいに酪農器具やらの点検と修理しにたまに来てるんだ


…まぁアンドロイド作れる治せるとなればその他の機械も必然的に面倒見てやれるから



そのついでに爺様と世間話に


……ところで怪人の目星は?」」


アリス「まだ来たばかりだしこれから犯人探すところ」


雪「怪人の特徴といえば眼球結膜が黒で瞳が赤くとんがった耳が特徴だが…まぁ人間に変装するならその特徴は役に立たんか」


アリス「あぁ、人間に化けれる怪人なのか、ただただ技術的に変装してるのかもまだわからんし…」


兎丸「私みたいに耳を隠してるかもってことだね!」


アリス「あぁ、その通り!」


_____________________そこに


千夜「ただいま戻りました。

旦那様は後数十分後にお戻りになるそうです。」

千夜は戻ってきて雪にそう報告した

 


雪「事情は聞いたよ。この二人ちょっとした知り合いでな」

千夜以外の使用人がいないため雪はそう言ってカミングアウトした。


千夜「まぁ!そうでございましたか!」

少し驚く千夜



アリス「千夜さん、俺たち今から屋敷の部屋を把握すると言う名目で怪人を探しまわりたいのですが」


千夜「はい!大丈夫でございまする!

私もご一緒して案内しているふりをしていたいのですが


もう少ししたら別のお仕事がございますので…


使用人達には新人のお二人が部屋を見て回っていることをお伝えしておきます!」


アリス「ありがとうございます」


千夜は時計を確認してそういうと応接室をでた。


アリス「…さて……兎丸、手っ取り早く探索は二手に分かるぞ?


耳を隠すような髪型、

目を隠してる動きに違和感がある、

この二つに当てはまる人を探してこっそり写真撮る!」


兎丸「うん!わかった!いっくぞぉ!!!」


アリスに返事をしてすぐに兎丸は全速前進応接室を飛び出した。



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