22話新たなる依頼

宇宙歴4993年6月25日  

人工惑星:技術ノ星

どーるくらぶ



のカウンターでご飯を食べるアリスは


アリス「久しぶりの人の手作りご飯が身に染みる」

とそう言って丼飯を書き込む


兎丸「ここ最近忙しくてコンビニ弁当とか菓子パンだったもんね」




吟一「いや〜本当にお疲れ様っす」

どこからもなくひょこっと出てきた吟一


アリス「うぉっ!?……お疲様です。

すいません晩御飯作ってもらって(さっき洗い物しに行ってたよな??

いつ戻ってきたんだこの人…)」


吟一「いえいえ、お二人とも頑張ってくれてますから。」


兎丸「表彰パーティの後から急に忙しくなったよね」


吟一「そうすっね。ここ10日で四大惑星での出張3件に小惑星の出張が2件どれもお二人名指しの依頼でしたから…まさか全て受けてくれるなんて思わなかったっす!」


アリス「人助け大好きっ子がいたのもあるな

名指しの依頼を断るなんて選択肢頭にすらなかったですよ。

それに経験を積んでおいて損はないですから。」


兎丸「でも、なんで急に増えたの?」


アリス「あのパーティーで表彰されてる写真が雑誌とかに大々的に乗ってた〈子島の怪人を倒した英雄達!!〉みたいな見出しで

あの会場には雑誌とか新聞の記者が何人か来てたし

おおかたそれで有名になったんだろ」


兎丸「おぉ!じゃあコウ君や7君みたいにバンバン宇宙中から依頼が来る!?」


アリス「いや?多分もう直ぐ落ち着くよ」


吟一「アリス君の言う通り甘いっすよー。兎丸君!」

ちっちっちっと指を揺らす吟一


兎丸「なんで?」


吟一「今こう来て大量に名指しの依頼が来ているのはその雑誌や新聞を見て新しい物好きの方達が依頼をしてきてるんっス。

それはいっときの流行りであって持続性はないっス!


そしてその流行りに乗ってきた依頼でさらに活躍をして絶大な人気誇るのがコウ君や7君。


あとはうちの倶楽部にはいないっスけど

たまに星の広い土地を持つ資産家やアンドロイドのいない星の王室の土地に怪人が出た時に必ずお呼ばれする。

そこ御用達のアンドロイドになれることもあるっス!」


兎丸「へ〜、ここが踏ん張りどきってやつだね!」


アリス「あぁ」


吟一「でも、頑張りすぎもだめっスよ?

しっかり休むことも大事っス。

人間であるアリスさんはもちろん兎丸君だっていくらアンドロイドでも無理は禁物っス!」


兎丸「うん!わかった!」


アリス「体調崩したら元も子もないからな。」


吟一「後はー、コウ君や7君くらいになれば依頼が重複することもあるし急ぎじゃないものも結構あるので

依頼の優先順位を決めれたり

断りかたや他の方に引き継ぐこともできることを覚えておいてもらえれば嬉しいっス」


そう言って吟一は二人のカップに

はちみつミルクとコーヒーを注いだ


吟一「さて、今のお話をふまえて


明後日、小惑星の資産家の方から

お二人ご指名の依頼が入ってまして。


その資産家は他に贔屓にしてるアンドロイドがいるとのことで、できればで良いと言われてるんすけど



どうしますか?」


兎丸「行く!!」

兎丸の即答に二人はその場でずっこけた


兎丸「二人ともどったの?」



アリス「吟一さんはその資産家御用達のアンドロイドがいて急ぎじゃないから依頼断って休んでもいいよって遠回しに言ってくれたんだよ!!


ちゃんと前振りで断ったり他のアンドロイドに任せたりできるし休息も大事っていってくれたじゃねぇか!


お前だって元気よくしてたし」

アリスはそう言って


兎丸「え?あー。

普通に依頼受けなくていいって言えばよくない?」


吟一「依頼を受けるか否かは依頼された本人が決めることでそれことに関してマスターはお願いすることはあっても命令することはできませんし


この倶楽部を経営する経営者として


かっこよく"依頼は受けなくていい!"とはなかなか….」


兎丸「大変なんだねぇ…でもやっぱり行きたい!

アリス君はお休みとる?」


アリス「いや?特に疲労してるわけじゃないし

俺も資産家御用達のアンドロイドってのは見ていたいので受けます。」


吟一「そ、そうっスか?ならお願いしますっス!」


出張の合間で休日はあるものの慣れない環境に身を置かれてるはずの二人だが

特に気にすることなく依頼を受けるタフな二人に呆気に取られる吟一


吟一「あ、でも本当に断るとか別のアンドロイドに頼むとかも覚えてくださいっスね!?」


兎丸「はぁーい」



アリス「了解です」



本当にわかっているのかいないのか

こうして二人は新たな依頼を受けることになった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る