15話(6日目)終点

4339年 5月7日 13:07

首都:ユリの都

サギソウ空港



アイアン「こちらがジェルガラスです。」

空港でアイアンはそう言って綺麗に包装されたジェルガラスをアリスに手渡した。


アリス「ありがとうございます。」


アイアン「それと星王陛下がここに来れないことを大変悔やんでおられました。

結局仕事ばかりで碌なおもてなしもできなかったのも心苦しいと」


アリス「そんな、元々仕事に出ましたし報酬もしっかりいただきましたので。


それに今日は朝から今まで観光もできましたから。

(兎丸に半強制的に連れ回されたんだけど)」


アリスは今日の午前中から叩き起こされて

観光に連れまわされた記憶を思い出して少し苦笑いになる。


ちなみに当の本人は空港のイートインコーナーでご飯を食べている。



アイアン「そうですか。」


アリスとアイアンは当たり障りない立ち話をしている。



一方その頃イートインコーナーで


兎丸「(アリス君とアイアンメゾおじ様、話が盛り上がってるなぁ。)」

と呑気にハンバーガーを食べながらながめる

兎丸



そんな兎丸の座っている机の空いている椅子に

銀髪の青年が座る



兎丸「ハクギン君!お見送りに来てくれたの??今日はお休み?」


ハクギン「いや、たまたまこの辺にいて、

ちょうど休息だったから。」


兎丸「そうなの?」


ハクギン「……」


兎丸「…モグモグ」


ハクギン「…なぁ。」


兎丸「なぁに?」


ハクギン「お前、対宇宙怪人用アンドロイドとして活躍し始めた頃。自分よりも経験のあるアンドロイドとどう接してた?」


兎丸「?藪から棒にどったの?……あー、一昨日完成したアンドロイドとさてはうまくいってないな?」


ハクギン「っ…….」

苦虫を潰したような顔をするハクギン


兎丸「図星?」


ハクギン「はぁ…そうだ。

これからは俺ともう一人のアンドロイドが小惑星:ダリアを協力してみまわることになったんだがお互いやり方が違いすぎて話が進まねぇ。」


兎丸「んー。別に仲良しこよししなくていいんじゃない?

お互い別行動でもいいと思うし。見回りさえできてすぐさま人間を救えるならなんでも!」


ハクギン「は?」


兎丸「機械にだって合う合わないがあるんだよ。!」


ハクギン「そういう、もんか?」


兎丸「うん!機体にも譲れない相性ってあると思うんだ。


ちなみに私は私の大好きな人間に危害を加える奴とは絶対仲良く慣れない!」


ハクギン「はぁ……呆れ果てるな。」


兎丸「いやー、それほどでも!」


ハクギン「ほめてねぇ…」



アリス「兎丸。そろそろ時間だぞ!」


兎丸「はーい。」

少し離れたところからアリスに呼ばれます兎丸はちょうど食べ切ったハンバーガーの包み紙をゴミ箱に捨てて立ち上がった。



____________________________

日本行きプライベート宇宙船の搭乗ゲート


アリス「わざわざお見送りありがとうございます。


ハクギンも」


アリスはそう言うとハクギンはふんっと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。


アイアン「いえいえ、また何かあった時は依頼させていただきますのでよろしくお願いします。」


アリス「はい。」


お互いに搭乗ゲートを超えた先と越える前に隔たる透明の板越しに挨拶をする


アイアン「…ところで兎丸さんは?」


アリス「あれ!?」

アリスは兎丸がいないことに気づくとあたりを見回すと



兎丸「あ"り"ずぐん"ま"だずがま"っ"だ!!」

と少し離れたところでわ半泣きの表情を浮かべる兎丸は来る時と同じように金属探知機に引っかかっていた。


アリス「…….だから!!アンドロイド証明書首にかけとけってば!!」


兎丸「あ、そうだった。」


再び係員に証明書見せて無事に通過できた。


アリス「ほら、急げ。もう迎えきてるんだから」


アリスはそう言って兎丸を急かす。


兎丸「まじでか!?じゃあねアイアンメゾおじ様!ハクギン君!王様にもよろしくね!」


そう言って二人は慌ただしく飛行機の入り口へと向かうのだった。




二人がさったその場では


アイアン「なかなか賑やかで愉快な方達でしたね。」


ハクギン「うるさくて騒がしいの間違いだろ。」


アイアン「おやおや」



ハクギン「あんたこそこんなところで管巻いてていいのかよ?

この国の宰相だろ?」

ハクギンは呆れてそう言う


アイアン「そうですね。そろそろ仕事に戻らねば。

ハクギンさんもお疲れ様でした。」


ハクギン「…ふんっ。これに懲りたら

お前ら星のお偉いさんはもう少しあー言う星に閉鎖的施設に気を配ることだな。」


アイアン「肝に銘じておきます。」

___________________________________

一方、プライベート宇宙船の中





アリス「zzzzzz」


兎丸「zzzz」(←スリープモード)


こうして初出張を成功させたアリスと兎丸の二人は宇宙船の中で爆睡しながら、無事幕を閉じたのだった。



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